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拠点整理
大掃除
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埃を落としながら洋館内の使える物を確認するルミス、部屋の寸法を確認しながらルミスやスリングにどんな物が必要か確認するマミナス、マイペースに自分の使うであろうスペースを確認するニーナ、三者三様の動きしているのを確認しながらスリングは、床掃除をさせられた。
昼を過ぎて、帰りが遅いのが気になったのか昼飯片手にダーナが洋館を訪れると中庭と裏庭の畑を見て目を輝かせた。
スリングは、さっさと帰りたいが帰ろうとすれば確実にルミスにバレて説教されるだけなのでこういう場合は下手に反抗せずに大人しく従っておく事にしていたが頭の中では明日は絶対、歩兵にこの役割をさてやると心の中で決めていた。
結局掃除が終わる事は無く出来たのも1階のみでスリングは、埃まみれの汗まみれになっていた。
風呂設備もあって掃除も済ませたのだが湯を温める設備が無く結局街の大浴場を使うことになった。
風呂に入りながら洋館の風呂設備にフトした疑問が過った。
それは、かなり立派な風呂設備だったのに肝心な湯を温める設備がなかった事だ。
本当なら、釜戸式でもありそうなものなのにその痕跡すらなかった、しかし水を引く管に排水管の設備も備わっていた。
何とも不思議な構造だ、これを納得する為の仮説を立てるとするなら別の場所で湯を作り、そこから引っ張て来たと言う事だ。
だか、あの周辺にそんな装置があったか?
正直言えば、そこまで周辺を見渡していないのもあるがそれらを確認した記憶はない。
とりあえず明日は、周辺を確認するかと考えたが今日の洋館の様子を考えるとそこまで出来るかいささか微妙に感じた。
風呂を上がり、宿屋に戻ると夕飯の準備がされていて、全員がスリングの帰宅を待っている様だった。
夕飯後に各自の報告を受け、次に今後の課題を話し合う事にしていた。
しかし、洋館の1件の話になると一部の隊員の眼の色が変わった、ムステル、シエル、クロバルの3人だ。
「それなら自分も洋館の方を見たいです」
ムステルが力強く進言してきたが、そうなるとチダル、フルーテルの行動が不安になるのがスリングの正直な答えだった。
タイロン、ハセルは、行動力はあるがそれはあくまでも問題ない範囲を選定して動くがこの2人は、行動力だけでトラブルになるかどうかよりも探求心を優先してしまう気質があり、その結果、余計なトラブルを呼び込んでしまうのだ。
そこをムステルの指揮、クロバルの調整で上手く動いているのが歩兵班の現状だ。
もう少し土台が決まっているなら対処の選択肢が増えるから問題ではなくなるのだが今の現状では、スリング、ルミス、ニーナの力をありきで作戦を組まないといけなくなるのだ。
正直この3人の力を使うのは奥の手にしておきたいっというのがスリングの答えであり、余計なトラブルは避けたいっと思うのが本音だった。
しかしムステルの提案もわからなくない、そうなるならば出来るは作戦は…
「それなら、明日は部隊全員で洋館の整備作業に入るのはどうだろか?」
スリングのその提案に全員がお互いを見合いながらそれぞれに頷いた。
「なら、私が仕切るで文句ないな?」
そこで口を挟んだのは、ルミスだった。その問いに複数の隊員が頷き、スリングは否定するタイミングを逃してしまった。
事態の危うさに表情を歪めるスリングを見ながらルミスは鼻を一つ鳴らすと班分けをさっさと進めていった。
結果、スリングは周囲のゴミ収集係へと追いやられてしまった。
次の日は朝食を終えると共に部隊全員で洋館に向かい洋館の清掃と整備が行われた。
途中、2階から子供の様なはしゃぎ声の後にルミスの一喝が響いたがスリングは、静かに手を合わせるだけだった。
しかし、思わぬ収穫もあった、昨日不思議に思っていた湯を温める設備を見つけたのだ、正確に言うなら水を溜めてそこで温めて湯にしてから風呂場に流す貯水タンクの様な設備だった。
スリングは、魔導回路系に明るくないがこれはそれよりもシンプルな作りで一部の破損により使えないのだけは理解が出来た。
この手の機能に強いのは、マミナス、チール、クロバルだ。
マミナスは、ルミスと共に内部の設備に対する話し合いをしている為に声を掛ける事が出来ず、クロバルは、先程怒られたチダルとフルーテルの監視員になっていた。
残るは、チールだけで当の本人は、鍛冶場で道具のチェックをしているのを最後に見たのを思い出し、スリングは鍛冶場へと足を向けた。
道具のチェックをしているチールに声を掛けると呆然とした反応で返されたが設備の話となると目に輝きを持った。
「それで、その設備何処にあんの!?」
猫かこいつは?
スリングは、そう思いながら設備の場所を指さすと細かい事を聞かずに走って出ていってしまった。
スリングは、その背中を見送り、自分もまた設備の方へと向かった。
到着するとチールは、周囲の草木な等をものともせずに貯水タンクの周りをグルグルと見渡していた。
時折、驚きや関心にからなのだろうか雄叫びに近い声を上げ、その度にスリングが驚かされた。
暫くして、見終わったチールがスリングの方に目を向ける。
「分隊長、これ直せるけど、劣化版になる!それと水が無い!」
「どういう事だ?」
短絡的な説明にスリングが疑問で返すとチールは、眉間に皺を寄せながらこちらを見た。
「そもそも、これすんごい昔に作られたポイんだけど、一部回路がこちらと構造が違うんだよね、ってかこっちの方が優秀、最高温度も最低温度も細かく調整出来る様になってるんだけど、それをそのまま直そうとしても回路の内容がよくわからない、あと水が無いのは、文字通りで、恐らく何処かで水道管が破損して、水が供給されてない」
「なら、ある程度の温度設定なら直せると?」
「出来る、それは間違いない」
自信満々のチールの応えた。
「それで、水道管は、何処に繋がってる?」
スリングがそう問うとチールは、貯水タンクの上を指さした。
その指差した方向に昇ると鉄の接続管を見つけて、それを辿っていく。水道管は、北の山脈に向かって森の中を通っているらしく、途中に破損している箇所、その先には、水源である沢を見つけた。
そこで卵を腐らせた様な独特な匂いが鼻についた。
もしかして、そう思い、沢に近づくと取水枡と湯気を立ち上らせお湯を吐き出している温泉源を見つけた。
それは、沢の真横から湧き出しており、取水枡は、そのどちらもを集めて落とす仕組みになっていた。
取水枡自体も石とコンクリートで作られており、そこだけは昔というより近代的な作りになっている。鉄製の水道管に集合枡、これを昔の人間が作ったとしたら少しだけ時代が噛み合わない気がしたがそれを考えてもしょうがないのでとりあえず取水枡の状態と管の破損状況を調べると山を下った。
貯水タンクまで戻るとそこには、腕を組んだルミスが仁王立ちしており、スリングはその姿を見た瞬間に自然と足を止めてしまった。
「何してんだお前?」
ドスの利いた声にスリングは、首を横に振った。
「いや、ちょいまって、風呂の水源確認しに行ってた、だけよ?」
「ほぉ、つまり、サボってないと?」
「いや、風呂は大事でしょ?毎度毎度、街の大浴場行ってもらんないし」
スリングの応えにルミスは、一瞬だけキッ睨んだが、直ぐに溜息を漏らすと首を横に振った。
「それで何がわかったのよ?」
そう聞かれて、今見てきた事を説明するとルミスの片眉が上がった。
「つまり、風呂は直ぐに使える様になると?」
「恐らくね、管の破損は見る限り、野生の怪物か動物によるものだと思うし、取水枡は葉っぱなんかのゴミを取り除けばまた通ってくる、けど」
「けど?」
「生活用水としては、使えない」
「別にそれは困りゃしない、井戸水をポンプ式で吸い上げてるからね、だけど、それを風呂に使っても大丈夫なの?」
「無論、問題ない、何せ温泉だからね」
温泉、その一言にルミスの目がギラリと光る、その殺気に似た光にスリングの背筋が凍る。
「ちょっと!それならそこを第一に直しなさいよ!心身の洗濯も大事!」
「わかってるよ、だけど、管を治す素材があるかどうかも関わってくるんよ、それに直してもあの足跡から察するに怪物と動物がウヨウヨしてる可能性もあるからそこら辺の対策も取らんと」
スリングの説明にルミスは、鼻をひとつ鳴らした。
「それを考えるのがお前の役目でしょうに」
「ここでそれだすかぁ~」
「当たり前でしょ!ほらキリキリ働け!分隊長!」
ルミスは、そう言い切るとささっと洋館へと戻って行ってしまった。
とりあえず、管を直す素材と直せるかどうかの確認を取る為にチールを探すと鍛冶場の煙突から煙が上がっているのが見え、まさかと思い覗くとそこには、竈に火をくべている、チールとシエルの姿があった。
「何してんだ?」
思わず、スリングが声を掛けると不思議そうな表情で2人とも振り向いた。
「あれ、直すんでしょ?」
チールがあっけらかんと応える。
「そうだけど、まさか、もう始める気か?」
「直すなら早めの方がいいですよね?こっちとしてもこの竈が何処までいけるか試したいので、試運転としては、丁度いいので」
シエルもまた淡々と応えるとそのまま竈に向き合い作業を始めた。
「そうだ、水道管なんだが、一部破損していた、そこを直したいんだがどちらかが付いて…」
「それなら、これを連れてけ」
スリングが言い終わるより、先にクロバルとフルーテルを連れたルミスが後ろに現れ、その行動力の速さにこれは、もはや指揮官は、ルミスでいいのでは、という言葉が口から漏れそうになった。
「直せそうなヤツに盾になりそうなのだし、丁度いいだろ?」
ルミスの一言にスリングは、静かに頷いた。
それからスリングは、2人を連れて水道管の破損した場所に向かうがルミスに相当絞られたのであろう、フルーテルは、いつもの元気はなりを潜めていた。
気遣う、クロバルもまたスリングの手前、下手に声を掛ける事も出来ないのをやきもきしている様子だった。
「いや、どんな事をやらかして、そこまで姐さんに絞られてんだよ」
余りの凹み具合に遂にスリングが口走るとクロバルは、苦笑いを零しながら首を横に傾けた。
「いやぁ、チダルと遊び過ぎて、姐さんの頭に雑巾被せちゃって…」
いや、命知らずにも程があるだろ。
「そのチダルは?」
「まぁ頭に雑巾被せたチダルが張本人なので、平手で吹っ飛ばされてました」
平手で吹っ飛ばす。これは恐らく比喩ではない、事実だ。
「それ生きてるよな?チダル?」
「一応、怪我も大した事はなかったです」
そりゃ、そうだろ、あれは風を纏った吹き飛ばしの補助魔術が本来の使い方だ、問題は使われた側がちゃんと着地出来れば問題ないが、もし出来なければ大怪我をする。
まぁかと言え、使用者はルミス、そこら辺の加減は信頼してるが掃除中にそれを使わせたとなるとフルーテル達がどれだけ遊んでたか容易に想像が出来た。
「とりあえず、怒らせる相手は選んで程々にしておけ、俺達は任務で来てんだから」
スリングがそうフルーテルに声を掛けると畏まった態度で了解と返事をした。
そんな話をしていると破損している場所に到着し、クロバルは確認を始めた。その間はスリングは周囲に目を向けて警戒をしながら胸ポケットから煙草を取り出すと火を点けた。
フルーテルは、そんなスリングを一瞥しながらも周囲警戒を怠らなかった。
「吸うか?」
スリングはそう言いながらフルーテルに煙草を差し出すとフルーテルは、少し戸惑いながら首を横に振った。
「大丈夫だ、ここなら姐さんにバレないから」
スリングがそう笑いながら再度差し出し、フルーテルは遠慮がちにそれを受け取った。
火を点けてゆっくりと煙草を燻らせ、少しだけ落ち着いた様子を見せた頃合いにクロバルの確認が終わった。
「分隊長、これなら直ぐに治せるかもしれません」
その朗報にスリングとフルーテルの顔も明るくなった。
「資材はあるのか?」
「はい、数も足りるはずです」
それならば、全は急げだっと思い、スリングはフルーテルとクロバルに資材を取って来る様に命じると自分はその場に残る事にした。
確かめておきたい事があったからだ、2人の姿が消えたのを見計らってから目に魔力を集約させる。
森の中から幾つかの気配を感じる、動物が数体、これは特に警戒をする程の感覚は、ない。
だが、その奥に明らかに質の違う存在が3体程居た。
怪物っと言われる種類のモノだ、しかし今現在スリングは、武器を所持していない。
幸い、向こうとの距離もかなりある。
感覚的にわかるのはこの前の熊型、猪型そして竜型よりもその程度が低いと言う事だけだ。
これは、いずれ討伐隊を再度、編成して狩りをしなければならないと言う事だけは頭の隅に置いておいた。
それよりも敵意が無いものの、そうコソコソ居られるのはどうも気になる。
「それで、いつまでそこに居るつもりだ?」
そう言いながら、察知した人の気配の方を向いて声を掛けると木の影からカモフラージュの為の毛皮のフードを被る、小柄な女性が両手を上げながら現れた。
「気づいていたんだね、軍人さん」
声に幼さを感じるがその佇まいから見た目通りではない事だけはわかった。
「君は、誰だ?」
スリングがそう問うと小柄の女性は、毛皮のフードを取ると幼い顔立ちが現れた。
「初めまして、イトのギルドマスターのデンシア・パレリア」
ギルドマスター、確かにこの街にはギルドがあるのは知っているが殆ど機能していないっという話だった。
「ギルドマスターがどうしてここへ?」
スリングのその問いにデンシアは苦笑いをしながら山脈の方に目を向けた。
「最近、山の方に新手の怪物の情報があってね、それで調査をしていたらお姿をお見掛けしたので、ご挨拶をと思って」
「怪物調査にマスターが直々に?」
スリングの問いにデンシアが苦笑いを零した。
「田舎でね、人手不足の資金不足、そして能力不足なんで、調査が出来るのが自分ぐらいなんですよ」
「なら、竜型の調査も君が?」
「一応、ボクの得意は、魔力探知でね、ある程度の距離なら察知できるんだ」
なるほど、それなら安全圏からその存在を感知できるだけで十分だ、しかしそれだけでは…
「討伐は、どうするつもりだった?」
スリングがそう訊くとデンシアは、少しだけ首を横に傾けた。
「信じて貰えるかわからないけど、それは大丈夫なんだよね、この街には守り神がいるから」
「守り神?」
「そう、白狼の守り神」
「それは…」
「分隊長ーーー」
スリングの問いを遮る様にクロバルの声が響き、スリングが其方を向いて直した時にデンシアは、その姿を消していた。
「どうかしましたか?」
到着をしたクロバルが訊いてきたがスリングは、首を横に振った。
周囲の安全は、確認したスリングは、管の破損の補修を頼み、フルーテルを連れて枡の方へと向かった。枡はゴミ掃除程度なのでそこまで人員は必要はない。
水と温泉が入り込まない様に堰き止めてからゴミを取り除いた。あとは管の補修と設備の復旧さえできれば使える状態にしてから貯水タンクの方へと向かった。
一番時間が掛かったのは、回路の設備復旧だった。チールとシエルの話では、どうも元の動力源である魔石の出力が大きくその制御が難しいらしい。
元の回路の設計図でもあればどうにか出来るのだが、それだと大雑把な設定になってしまい、その時によって温度の差が大きいらしく30度以上の差がついてしまうらしい。
それが、わかったのは日が傾き始めた時間帯だったが2人共意地になって調整を続けようとしていた。それを制止したのは、マミナスとニーナ、そして夕飯の匂いだった。
とりあえず、全員で街の大浴場に戻ってから今日は一旦宿屋に戻る事にした。
「とりあえず、各個人の部屋とスリングさんの寝室は使える様に掃除してある」
宿屋に戻ってからダーナ、ルミス、ニーナがスリングの部屋で今日の報告会をしていた。
まずは、各種の部屋の掃除についての報告をルミスがした。
「台所や各設備は?」
「台所は、先程の通りに使えます、コンロ等の設備はマミナスさんの開発に寄りますが釜戸式でもある程度できますので大丈夫です、それと地下に続く階段とそこに氷室を見つけました、その設備はまだ確認してもらってませんがマミナスさん曰く使えそうだとの事です」
氷室、所謂冷蔵庫だ、それは今や民家でも普及しているものだがかなりの高級品となる。
それがこの館にある。まぁ王家の別荘地だと言うのだからそうなのだがやはり何処か時代と噛み合わない部分が目立っていた。
とりあえず、ダーナの報告にスリングは、頷いて返して話を次に進める為にニーナに視線を送った。
「畑、研究所、鍛冶場もシエルさんと確認して問題なしです~」
次にのんびり声のニーナが応える。
「それなら明日から洋館を拠点とする事に問題はないな」
「風呂はどうなの?」
「正直わからない、最悪、全とっかえの可能性も考えられる」
スリングの応えにルミスは小さく溜息を漏らした。
「それなら管を敷地内に通して新しい設備を作るのはどうなの?」
「それも視野に入れていいかもしれない、とりあえず明日は俺の部屋を少し探って設計図に見たいのがないのか調べてみてからかな」
スリングの応えにルミスは、静かに頷いて、ダーナとニーナも静かに頷いた。
「とりあず、引っ越しの件は明日の朝食の会議の時に通達する、もしかしたら引っ越しの準備がかかる者いる、その時はそいつだけもう1日引っ越しの時間を設ける形で行こうと思う」
「そんな奴いる?」
ニーナがそう口を挟むとスリングとルミスは無言でニーナを睨んだ。
「はっアタシ!?」
「ドラの虎型の討伐任務、移動の時」
スリングがそう言うとニーナは言葉を詰まらせた。
「そうね、確か荷物広げすぎて、まとまらず1日片付け手伝わされたんだよね」
続いてルミスが言うとニーナはから笑いをしながら首を傾けた。
正直、ニーナの戦闘方法からするに荷物が多くなるのは仕方のない事だしあの時の戦闘を考えれば整理を出来る暇もなかったのでそうなるのもう頷ける。だがそれの整理で1日潰されたのは大きかったのであえて念を押しておく。
「相変わらず、みみっちぃ事、覚えてんなこのハゲ」
ニーナの苦し紛れの悪態が聞こえる。
「みみっちくねぇし、ハゲてもいねぇ」
「いいや、お前はハゲてるね!心が!」
「心がハゲてるってなんだ、それ!?」
相変わらずのわけのわからない論法に応戦を始めるとルミスの拳骨がスリングとニーナの頭に振り落とされた。
昼を過ぎて、帰りが遅いのが気になったのか昼飯片手にダーナが洋館を訪れると中庭と裏庭の畑を見て目を輝かせた。
スリングは、さっさと帰りたいが帰ろうとすれば確実にルミスにバレて説教されるだけなのでこういう場合は下手に反抗せずに大人しく従っておく事にしていたが頭の中では明日は絶対、歩兵にこの役割をさてやると心の中で決めていた。
結局掃除が終わる事は無く出来たのも1階のみでスリングは、埃まみれの汗まみれになっていた。
風呂設備もあって掃除も済ませたのだが湯を温める設備が無く結局街の大浴場を使うことになった。
風呂に入りながら洋館の風呂設備にフトした疑問が過った。
それは、かなり立派な風呂設備だったのに肝心な湯を温める設備がなかった事だ。
本当なら、釜戸式でもありそうなものなのにその痕跡すらなかった、しかし水を引く管に排水管の設備も備わっていた。
何とも不思議な構造だ、これを納得する為の仮説を立てるとするなら別の場所で湯を作り、そこから引っ張て来たと言う事だ。
だか、あの周辺にそんな装置があったか?
正直言えば、そこまで周辺を見渡していないのもあるがそれらを確認した記憶はない。
とりあえず明日は、周辺を確認するかと考えたが今日の洋館の様子を考えるとそこまで出来るかいささか微妙に感じた。
風呂を上がり、宿屋に戻ると夕飯の準備がされていて、全員がスリングの帰宅を待っている様だった。
夕飯後に各自の報告を受け、次に今後の課題を話し合う事にしていた。
しかし、洋館の1件の話になると一部の隊員の眼の色が変わった、ムステル、シエル、クロバルの3人だ。
「それなら自分も洋館の方を見たいです」
ムステルが力強く進言してきたが、そうなるとチダル、フルーテルの行動が不安になるのがスリングの正直な答えだった。
タイロン、ハセルは、行動力はあるがそれはあくまでも問題ない範囲を選定して動くがこの2人は、行動力だけでトラブルになるかどうかよりも探求心を優先してしまう気質があり、その結果、余計なトラブルを呼び込んでしまうのだ。
そこをムステルの指揮、クロバルの調整で上手く動いているのが歩兵班の現状だ。
もう少し土台が決まっているなら対処の選択肢が増えるから問題ではなくなるのだが今の現状では、スリング、ルミス、ニーナの力をありきで作戦を組まないといけなくなるのだ。
正直この3人の力を使うのは奥の手にしておきたいっというのがスリングの答えであり、余計なトラブルは避けたいっと思うのが本音だった。
しかしムステルの提案もわからなくない、そうなるならば出来るは作戦は…
「それなら、明日は部隊全員で洋館の整備作業に入るのはどうだろか?」
スリングのその提案に全員がお互いを見合いながらそれぞれに頷いた。
「なら、私が仕切るで文句ないな?」
そこで口を挟んだのは、ルミスだった。その問いに複数の隊員が頷き、スリングは否定するタイミングを逃してしまった。
事態の危うさに表情を歪めるスリングを見ながらルミスは鼻を一つ鳴らすと班分けをさっさと進めていった。
結果、スリングは周囲のゴミ収集係へと追いやられてしまった。
次の日は朝食を終えると共に部隊全員で洋館に向かい洋館の清掃と整備が行われた。
途中、2階から子供の様なはしゃぎ声の後にルミスの一喝が響いたがスリングは、静かに手を合わせるだけだった。
しかし、思わぬ収穫もあった、昨日不思議に思っていた湯を温める設備を見つけたのだ、正確に言うなら水を溜めてそこで温めて湯にしてから風呂場に流す貯水タンクの様な設備だった。
スリングは、魔導回路系に明るくないがこれはそれよりもシンプルな作りで一部の破損により使えないのだけは理解が出来た。
この手の機能に強いのは、マミナス、チール、クロバルだ。
マミナスは、ルミスと共に内部の設備に対する話し合いをしている為に声を掛ける事が出来ず、クロバルは、先程怒られたチダルとフルーテルの監視員になっていた。
残るは、チールだけで当の本人は、鍛冶場で道具のチェックをしているのを最後に見たのを思い出し、スリングは鍛冶場へと足を向けた。
道具のチェックをしているチールに声を掛けると呆然とした反応で返されたが設備の話となると目に輝きを持った。
「それで、その設備何処にあんの!?」
猫かこいつは?
スリングは、そう思いながら設備の場所を指さすと細かい事を聞かずに走って出ていってしまった。
スリングは、その背中を見送り、自分もまた設備の方へと向かった。
到着するとチールは、周囲の草木な等をものともせずに貯水タンクの周りをグルグルと見渡していた。
時折、驚きや関心にからなのだろうか雄叫びに近い声を上げ、その度にスリングが驚かされた。
暫くして、見終わったチールがスリングの方に目を向ける。
「分隊長、これ直せるけど、劣化版になる!それと水が無い!」
「どういう事だ?」
短絡的な説明にスリングが疑問で返すとチールは、眉間に皺を寄せながらこちらを見た。
「そもそも、これすんごい昔に作られたポイんだけど、一部回路がこちらと構造が違うんだよね、ってかこっちの方が優秀、最高温度も最低温度も細かく調整出来る様になってるんだけど、それをそのまま直そうとしても回路の内容がよくわからない、あと水が無いのは、文字通りで、恐らく何処かで水道管が破損して、水が供給されてない」
「なら、ある程度の温度設定なら直せると?」
「出来る、それは間違いない」
自信満々のチールの応えた。
「それで、水道管は、何処に繋がってる?」
スリングがそう問うとチールは、貯水タンクの上を指さした。
その指差した方向に昇ると鉄の接続管を見つけて、それを辿っていく。水道管は、北の山脈に向かって森の中を通っているらしく、途中に破損している箇所、その先には、水源である沢を見つけた。
そこで卵を腐らせた様な独特な匂いが鼻についた。
もしかして、そう思い、沢に近づくと取水枡と湯気を立ち上らせお湯を吐き出している温泉源を見つけた。
それは、沢の真横から湧き出しており、取水枡は、そのどちらもを集めて落とす仕組みになっていた。
取水枡自体も石とコンクリートで作られており、そこだけは昔というより近代的な作りになっている。鉄製の水道管に集合枡、これを昔の人間が作ったとしたら少しだけ時代が噛み合わない気がしたがそれを考えてもしょうがないのでとりあえず取水枡の状態と管の破損状況を調べると山を下った。
貯水タンクまで戻るとそこには、腕を組んだルミスが仁王立ちしており、スリングはその姿を見た瞬間に自然と足を止めてしまった。
「何してんだお前?」
ドスの利いた声にスリングは、首を横に振った。
「いや、ちょいまって、風呂の水源確認しに行ってた、だけよ?」
「ほぉ、つまり、サボってないと?」
「いや、風呂は大事でしょ?毎度毎度、街の大浴場行ってもらんないし」
スリングの応えにルミスは、一瞬だけキッ睨んだが、直ぐに溜息を漏らすと首を横に振った。
「それで何がわかったのよ?」
そう聞かれて、今見てきた事を説明するとルミスの片眉が上がった。
「つまり、風呂は直ぐに使える様になると?」
「恐らくね、管の破損は見る限り、野生の怪物か動物によるものだと思うし、取水枡は葉っぱなんかのゴミを取り除けばまた通ってくる、けど」
「けど?」
「生活用水としては、使えない」
「別にそれは困りゃしない、井戸水をポンプ式で吸い上げてるからね、だけど、それを風呂に使っても大丈夫なの?」
「無論、問題ない、何せ温泉だからね」
温泉、その一言にルミスの目がギラリと光る、その殺気に似た光にスリングの背筋が凍る。
「ちょっと!それならそこを第一に直しなさいよ!心身の洗濯も大事!」
「わかってるよ、だけど、管を治す素材があるかどうかも関わってくるんよ、それに直してもあの足跡から察するに怪物と動物がウヨウヨしてる可能性もあるからそこら辺の対策も取らんと」
スリングの説明にルミスは、鼻をひとつ鳴らした。
「それを考えるのがお前の役目でしょうに」
「ここでそれだすかぁ~」
「当たり前でしょ!ほらキリキリ働け!分隊長!」
ルミスは、そう言い切るとささっと洋館へと戻って行ってしまった。
とりあえず、管を直す素材と直せるかどうかの確認を取る為にチールを探すと鍛冶場の煙突から煙が上がっているのが見え、まさかと思い覗くとそこには、竈に火をくべている、チールとシエルの姿があった。
「何してんだ?」
思わず、スリングが声を掛けると不思議そうな表情で2人とも振り向いた。
「あれ、直すんでしょ?」
チールがあっけらかんと応える。
「そうだけど、まさか、もう始める気か?」
「直すなら早めの方がいいですよね?こっちとしてもこの竈が何処までいけるか試したいので、試運転としては、丁度いいので」
シエルもまた淡々と応えるとそのまま竈に向き合い作業を始めた。
「そうだ、水道管なんだが、一部破損していた、そこを直したいんだがどちらかが付いて…」
「それなら、これを連れてけ」
スリングが言い終わるより、先にクロバルとフルーテルを連れたルミスが後ろに現れ、その行動力の速さにこれは、もはや指揮官は、ルミスでいいのでは、という言葉が口から漏れそうになった。
「直せそうなヤツに盾になりそうなのだし、丁度いいだろ?」
ルミスの一言にスリングは、静かに頷いた。
それからスリングは、2人を連れて水道管の破損した場所に向かうがルミスに相当絞られたのであろう、フルーテルは、いつもの元気はなりを潜めていた。
気遣う、クロバルもまたスリングの手前、下手に声を掛ける事も出来ないのをやきもきしている様子だった。
「いや、どんな事をやらかして、そこまで姐さんに絞られてんだよ」
余りの凹み具合に遂にスリングが口走るとクロバルは、苦笑いを零しながら首を横に傾けた。
「いやぁ、チダルと遊び過ぎて、姐さんの頭に雑巾被せちゃって…」
いや、命知らずにも程があるだろ。
「そのチダルは?」
「まぁ頭に雑巾被せたチダルが張本人なので、平手で吹っ飛ばされてました」
平手で吹っ飛ばす。これは恐らく比喩ではない、事実だ。
「それ生きてるよな?チダル?」
「一応、怪我も大した事はなかったです」
そりゃ、そうだろ、あれは風を纏った吹き飛ばしの補助魔術が本来の使い方だ、問題は使われた側がちゃんと着地出来れば問題ないが、もし出来なければ大怪我をする。
まぁかと言え、使用者はルミス、そこら辺の加減は信頼してるが掃除中にそれを使わせたとなるとフルーテル達がどれだけ遊んでたか容易に想像が出来た。
「とりあえず、怒らせる相手は選んで程々にしておけ、俺達は任務で来てんだから」
スリングがそうフルーテルに声を掛けると畏まった態度で了解と返事をした。
そんな話をしていると破損している場所に到着し、クロバルは確認を始めた。その間はスリングは周囲に目を向けて警戒をしながら胸ポケットから煙草を取り出すと火を点けた。
フルーテルは、そんなスリングを一瞥しながらも周囲警戒を怠らなかった。
「吸うか?」
スリングはそう言いながらフルーテルに煙草を差し出すとフルーテルは、少し戸惑いながら首を横に振った。
「大丈夫だ、ここなら姐さんにバレないから」
スリングがそう笑いながら再度差し出し、フルーテルは遠慮がちにそれを受け取った。
火を点けてゆっくりと煙草を燻らせ、少しだけ落ち着いた様子を見せた頃合いにクロバルの確認が終わった。
「分隊長、これなら直ぐに治せるかもしれません」
その朗報にスリングとフルーテルの顔も明るくなった。
「資材はあるのか?」
「はい、数も足りるはずです」
それならば、全は急げだっと思い、スリングはフルーテルとクロバルに資材を取って来る様に命じると自分はその場に残る事にした。
確かめておきたい事があったからだ、2人の姿が消えたのを見計らってから目に魔力を集約させる。
森の中から幾つかの気配を感じる、動物が数体、これは特に警戒をする程の感覚は、ない。
だが、その奥に明らかに質の違う存在が3体程居た。
怪物っと言われる種類のモノだ、しかし今現在スリングは、武器を所持していない。
幸い、向こうとの距離もかなりある。
感覚的にわかるのはこの前の熊型、猪型そして竜型よりもその程度が低いと言う事だけだ。
これは、いずれ討伐隊を再度、編成して狩りをしなければならないと言う事だけは頭の隅に置いておいた。
それよりも敵意が無いものの、そうコソコソ居られるのはどうも気になる。
「それで、いつまでそこに居るつもりだ?」
そう言いながら、察知した人の気配の方を向いて声を掛けると木の影からカモフラージュの為の毛皮のフードを被る、小柄な女性が両手を上げながら現れた。
「気づいていたんだね、軍人さん」
声に幼さを感じるがその佇まいから見た目通りではない事だけはわかった。
「君は、誰だ?」
スリングがそう問うと小柄の女性は、毛皮のフードを取ると幼い顔立ちが現れた。
「初めまして、イトのギルドマスターのデンシア・パレリア」
ギルドマスター、確かにこの街にはギルドがあるのは知っているが殆ど機能していないっという話だった。
「ギルドマスターがどうしてここへ?」
スリングのその問いにデンシアは苦笑いをしながら山脈の方に目を向けた。
「最近、山の方に新手の怪物の情報があってね、それで調査をしていたらお姿をお見掛けしたので、ご挨拶をと思って」
「怪物調査にマスターが直々に?」
スリングの問いにデンシアが苦笑いを零した。
「田舎でね、人手不足の資金不足、そして能力不足なんで、調査が出来るのが自分ぐらいなんですよ」
「なら、竜型の調査も君が?」
「一応、ボクの得意は、魔力探知でね、ある程度の距離なら察知できるんだ」
なるほど、それなら安全圏からその存在を感知できるだけで十分だ、しかしそれだけでは…
「討伐は、どうするつもりだった?」
スリングがそう訊くとデンシアは、少しだけ首を横に傾けた。
「信じて貰えるかわからないけど、それは大丈夫なんだよね、この街には守り神がいるから」
「守り神?」
「そう、白狼の守り神」
「それは…」
「分隊長ーーー」
スリングの問いを遮る様にクロバルの声が響き、スリングが其方を向いて直した時にデンシアは、その姿を消していた。
「どうかしましたか?」
到着をしたクロバルが訊いてきたがスリングは、首を横に振った。
周囲の安全は、確認したスリングは、管の破損の補修を頼み、フルーテルを連れて枡の方へと向かった。枡はゴミ掃除程度なのでそこまで人員は必要はない。
水と温泉が入り込まない様に堰き止めてからゴミを取り除いた。あとは管の補修と設備の復旧さえできれば使える状態にしてから貯水タンクの方へと向かった。
一番時間が掛かったのは、回路の設備復旧だった。チールとシエルの話では、どうも元の動力源である魔石の出力が大きくその制御が難しいらしい。
元の回路の設計図でもあればどうにか出来るのだが、それだと大雑把な設定になってしまい、その時によって温度の差が大きいらしく30度以上の差がついてしまうらしい。
それが、わかったのは日が傾き始めた時間帯だったが2人共意地になって調整を続けようとしていた。それを制止したのは、マミナスとニーナ、そして夕飯の匂いだった。
とりあえず、全員で街の大浴場に戻ってから今日は一旦宿屋に戻る事にした。
「とりあえず、各個人の部屋とスリングさんの寝室は使える様に掃除してある」
宿屋に戻ってからダーナ、ルミス、ニーナがスリングの部屋で今日の報告会をしていた。
まずは、各種の部屋の掃除についての報告をルミスがした。
「台所や各設備は?」
「台所は、先程の通りに使えます、コンロ等の設備はマミナスさんの開発に寄りますが釜戸式でもある程度できますので大丈夫です、それと地下に続く階段とそこに氷室を見つけました、その設備はまだ確認してもらってませんがマミナスさん曰く使えそうだとの事です」
氷室、所謂冷蔵庫だ、それは今や民家でも普及しているものだがかなりの高級品となる。
それがこの館にある。まぁ王家の別荘地だと言うのだからそうなのだがやはり何処か時代と噛み合わない部分が目立っていた。
とりあえず、ダーナの報告にスリングは、頷いて返して話を次に進める為にニーナに視線を送った。
「畑、研究所、鍛冶場もシエルさんと確認して問題なしです~」
次にのんびり声のニーナが応える。
「それなら明日から洋館を拠点とする事に問題はないな」
「風呂はどうなの?」
「正直わからない、最悪、全とっかえの可能性も考えられる」
スリングの応えにルミスは小さく溜息を漏らした。
「それなら管を敷地内に通して新しい設備を作るのはどうなの?」
「それも視野に入れていいかもしれない、とりあえず明日は俺の部屋を少し探って設計図に見たいのがないのか調べてみてからかな」
スリングの応えにルミスは、静かに頷いて、ダーナとニーナも静かに頷いた。
「とりあず、引っ越しの件は明日の朝食の会議の時に通達する、もしかしたら引っ越しの準備がかかる者いる、その時はそいつだけもう1日引っ越しの時間を設ける形で行こうと思う」
「そんな奴いる?」
ニーナがそう口を挟むとスリングとルミスは無言でニーナを睨んだ。
「はっアタシ!?」
「ドラの虎型の討伐任務、移動の時」
スリングがそう言うとニーナは言葉を詰まらせた。
「そうね、確か荷物広げすぎて、まとまらず1日片付け手伝わされたんだよね」
続いてルミスが言うとニーナはから笑いをしながら首を傾けた。
正直、ニーナの戦闘方法からするに荷物が多くなるのは仕方のない事だしあの時の戦闘を考えれば整理を出来る暇もなかったのでそうなるのもう頷ける。だがそれの整理で1日潰されたのは大きかったのであえて念を押しておく。
「相変わらず、みみっちぃ事、覚えてんなこのハゲ」
ニーナの苦し紛れの悪態が聞こえる。
「みみっちくねぇし、ハゲてもいねぇ」
「いいや、お前はハゲてるね!心が!」
「心がハゲてるってなんだ、それ!?」
相変わらずのわけのわからない論法に応戦を始めるとルミスの拳骨がスリングとニーナの頭に振り落とされた。
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