異世界で娼館と商館経営⁉ ~チートを駆使したオッサンの剛腕繁盛記~

悪代官と越後屋

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49.トミタカ×マリス 再会♡

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「ご主人様ぁ~、今夜は時間を空けておいてくださいねぇ~。マリスちゃんの育成も終わったのでぇ~、感動の再会が待ってますよぉ~。ですから例の部屋に必ず来てくださいねぇ~。それから私の相手もお願いしますよぉ~」

 例の部屋とは、初めてマリスと身体を重ねた遊戯室の事である。マリスの温かいぬくもりや、熱く愛し合ったあの日の思いが蘇えってくる。

「ああ、必ず行くよ。私もマリスとの再会を心待ちにしていたからね。……ところで、リルルは何で抱き付いてくるんだ?」
「あ~ん、そんな冷たい事を言わないでくださいよぉ~。私だってぇ~、マリスちゃんの件では凄く頑張ったんですよぉ~。少しぐらい甘えてもいいじゃないですかぁ~。ですけどメインディッシュは今夜ですよねぇ~、狂おしいほどの肉欲と愛欲に溺れるぅ~、最高のアバンチュールを期待してますからねぇ~♡ 」

 オープニングセレモニーに向けて、手落ちがないか現場を確認していると、いきなりリルルに背後から抱き付かれる。背中に押し付けられた、たわわな膨らみは心地よいが、まるでお●ぶおばけか子泣き爺に取り憑かれたようである。そして周りからは奇異な視線を向けられて実に恥ずかしい。

「ああ……。前向きに検討する所存でありますよ」
「それってぇ~、絶対に実行する気がないですよねぇ~。そんな態度を取るとこうですよぉ~。えい♪ チョークスリーパー!」
「ぐえぇぇぇぇぇぇっ!」

 リルルの腕が首に巻きつき、気管を潰すように食い込んでくる。気管を塞がれる状態になり、私は慌ててリルルの腕にタップをした。

「アハッ、どうせご主人様のことですからぁ~、愛しのマリスちゃんに全力投入してぇ~、全弾撃ち尽くすつもりですよねぇ~。そして私とのエッチはぁ~、適当に誤魔化すつもりですよねぇ~。そうは問屋が卸しませんよぉ~」
「ゴホゴホッ……わ、悪かったよ。リルルの相手も存分にさせてもらいますので、そろそろ離してよ」
「アハッ、言質を取りましたよぉ~♪ 約束は必ず守ってもらいますからねぇ~」
「フハハ、大丈夫だよ。私は誠意大将軍の異名を持っているからね。問題ナッシングだよ」
「ネタが古いですねぇ~、それにどちらかと言うとぉ~、ご主人様は大将軍ですからぁ~。アハッ、でも久しぶりに燃えそうですねぇ~、もう今夜は寝かせてあげませんからぁ~♡ 」

 満面の笑みを浮かべたリルルが、腕を解いて私の背中から降りる。しかし若さ溢れるマリスと、淫欲の申し子であるリルルの二人を相手にしたら、さすがの私でも分が悪いであろう。私は赤玉の発射や、腹上死の恐怖におののきながら、ルンルン気分で立ち去るリルルを見送るのであった。



「はぁ~、マリスと久しぶりに会えるのは嬉しいけど、育成を終えたという事は、他の男とも行為に及んだという事だよな……」

 マリスと愛し合った遊戯室で、独り物思いにふけていた。すでに外は暗くなっており、月明かりだけが漆黒の闇にほのかな光を流していた。マリスとの関係は複雑であり、今は恋人と宣言できる立場ではない。愛しているのに手が届かない――そんなもどかしい状態であった。

「ご主人様ぁ~、お待たせしましたぁ~。いよいよマリスちゃんとの感動の再会ですよぉ~」

 マリスに会える喜びと、胸を搔きむしられるような嫉妬心が止めどなく湧きあがってくる。気を揉みながら部屋の中をうろついていると、リルルが遠慮なく部屋に飛び込んできた。相変わらず、情緒もへったくれもない奴である。

「お前なぁ、久しぶりの再会なんだよ。もう少しムードと言うモノをだな……」
「ええっ! もうヌードになれって言うんですかぁ~♪ いくら私の事が好きすぎでもぉ~、気が早いですよぉ~。ご主人様のエッチぃ~♡ 」
「……リルルとのエッチは中止だな……」
「いや~ん、ほんのジョークじゃないですかぁ~。あ~ん、すぐに呼びますので怒らないでくださいよぉ~。マリスちゃん、いらっしゃ~い!」

 呼びかけから数秒後、ノック音が響きゆっくりとドアが開かれる。やがて恥じらう花のように顔を赤らめ、はにかむような笑みを浮かべたマリスが姿を現した。清楚なメイド服姿で、表情や仕草に気品さを感じられるが、熱く愛し合ったあの日のマリスと本質は変わっていないようだ。私はホッと胸をなでおろすのであった。

「マリス、やっと会えたね! 元気そうでなによりだ!」
「トミタカ様……わ、私も会える日を心待ちにしていました。会えない日々が、こんなに切なくて寂しいなんて……グスン」
「マリス!」
「トミタカ様!」

 会えなかった日々の寂しさを埋めるように、マリスをギュッと抱き締める。涙ぐんでるマリスがとても愛しく、何度も唇を重ねていく。可憐な唇は、しっとりとしていて柔らかく、柑橘系の甘い味がした。情熱の炎は次第に燃え盛っていき、やがて互いに舌を絡める濃厚なキスへと移っていった。

「はぁんっ、ん、んっ、トミタカ様……ちゅっ、ちゅぷん、じゅるる♡ 」

 吐息が漏れる艶っぽい唇を、割り開くように舌を差し込んでいく。口内を丹念にねぶり、唾液を交換するように舌を差し入れする。遠慮がちであったマリスも次第に大胆になっていき、やがて動きに呼応するように舌を絡ませ始めた。

「ごめんマリス――もう我慢できそうにないよ」

 当然、キスだけで終われる訳もなく、腰に手を回してグッとマリスを引き寄せる。胸元にムニュムニュした膨らみが押し当たり、彼女の体温がダイレクトに伝わってくる。いよいよ我慢できなくなった私は、手をゆっくりと下へと移動させ、可愛らしいヒップを優しく撫で回していく。そして張りのある尻肉の感触を一通り楽しむと、スカートをたくし上げて内腿に手を忍び込ませていった。

「はぁ~、はああっ、トミタカ様――か、身体が熱くなってきて……。あっ、ああん……そ、そこは……やぁぁぁんっ♡ 」

 滑らかな柔肌を愛撫しながら、ショーツに包まれた肉丘に指をなぞらせていく。形状を確かめるように、秘裂に沿って指をスライドさせると、マリスの華奢な身体がビクンと仰け反る。指先も湿り気を帯びており、動きに合わせるようにクチュクチュと淫靡な音が響き始めた。

「くうぅんっ、あぁっ、ダメですぅ……それ以上されたら、もう……イッちゃう! ……んんっ、あんっ、ああんっ、はうぅぅぅぅぅん♡ 」

 わななく秘所からは滾々こんこんと淫蜜が湧きあがり、マリスの身体も甘い快楽に打ち震えている。やがてマリスは、嬌声と共に脱力したように身体を預けてくる。如何やら指愛撫だけでイッてしまったようだ。こんなエロ可愛い姿を見せられて何とも思わない男は、ガチホモか聖人君主だけであろう。異様な興奮に支配された私は、マリスを抱きかかえるとベッドの上に優しく横たわらせた。しかし、さあこれからだと言う瞬間に、リルルの非難じみた声が聞こえてきた。

「ご主人様にマリスちゃん――ちょっと待ったぁ~!」

 突然のリルルからのちょっと待ったコールである。一体、どういうつもりなのだろう?

「ダメですよぉ~、ご主人様にマリスちゃん。今日の趣旨はぁ~、マリスちゃんの育成結果を見せるのが目的なんですよぉ~。ラブラブエッチは後にしてくださいよぉ~」
「ええっ? 今のままでも充分に分かると思うけど……」
「ご主人様ぁ~、マリスちゃんの真価はSプレイにあるんですよぉ~。ご主人様もご存知じゃないですかぁ~」
「ううっ、分かっているけど、やはり甘々のラフラブエッチの方が……」
「却下しますぅ~! それからマリスちゃん! 気持ちは分かるけどぉ~、これは仕事の一環ですよぉ~。ご主人様に成果を見てもらうのがぁ~、今日一番の目的なんですからねぇ~」
「そうでした。先ずは成果……成果ですよね。トミタカ様にリルル様、申し訳ありませんでした。改めて仕度をしますので、少々お待ちください」
「アハッ、マリスちゃん頑張ってねぇ~。心を落ち着かせてぇ~、次のプランは成功させようねぇ~♪」

 少し身体がふらついているが、マリスは吹っ切れたような表情で部屋を出て行った。一体何がどうなっているやら……。

「なあリルル。次のプランが――とか言ってたけれど、マリスのメイド服姿もプランの一つだったのかい?」
「そうですよぉ~。プランAは主従逆転プレーでぇ~、メイドにセクハラばかりしているご主人様がぁ~、メイドに弱みを握られてぇ~、逆襲で手や足コキでイカされまくる羞恥プレーだったんですよぉ~。名付けてぇ~、ナマ足魅惑のMyメイド! By T(ツンデレ)・M(メイド)・R(レボリューション)」
「リルルぅぅぅ! 頼むから、これ以上ヤバいネタは止めてくれよ。本当に、色々とマズいんだよ」
「え~っ、これぐらいリルル的にはオールオッケーですよぉ~。アハッ、それ以外にも緊縛プレイでぇ~、ご主人様の全身に黒い布をガムテープみたいに巻いてぇ~、海の上の舞台で……きゃあぁぁぁ、いったぁ~い!」
「はいはい、リルル君はお口にチャックしようね!」

 リルルの頬を抓って、思いっ切り横に引っ張る。痛がっているリルルの顔が、がき●カかダ●ーンのおじさんのようになるがガン無視である。まったく懲りないアホサキュバスは、これぐらいやっても問題ないであろう。


「トミタカ様にリルル様。支度が整いましたので、入室しても宜しいでしょうか」

 リルルと戯れていると、ノック音が室内に響きマリスの声が聞こえる。如何やらアホな事をやっている間に、新たなプランとやらの準備が出来たようである。

「マリスちゃん、どうぞ♪」
「失礼いたします」

 ガチャリと扉が開き、改めてマリスが入室してくる。しかしその姿を見た私は思わず、ユイちゃん――と声を漏らしてしまった。マリスは青いスカーフのセーラー服を身に着けており、髪も白いリボンでまとめたポニーテールであった。その姿は高校時代の初恋の人と瓜二つである。つぶらな瞳、長いまつ毛、透き通るような白い肌、そしてこぼれるような可憐な笑顔。過ぎ去りし日の情景が次々と脳裏をよぎっていく。告白できなかった後悔、消える事の無い未練、そして取り戻せない過去。初恋の人とマリスの姿が、グルグルと頭の中でリンクしていく。心を激しく揺さぶられた私は、茫然とその場に立ち尽くしてしまった。
 

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