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ウエスト大陸編
14話 迷宮『白亜の塔』2
しおりを挟むあまりの辛さにアビーも涙をながした。俺は、その涙をあらかじめ用意しておいた小ビンに回収した。
アビーが、「ひ、ひどいですよぉ。でも、マスターのご趣味かも?」とか、意味不明なことを言っていたが、無視だ。ここで気にしたら、負けな気がするからな。
「それにしても、アビーちゃんをなんで泣かせたの?」
「お前のためだ」
「え?う、嬉しいなぁ(小声)。けど、私のために泣かせるって意味が分からないのだけれど?」
「覚えてるか?アビーは精霊だ。つまり、アビーを泣かせれば『精霊の涙』が手に入るんじゃないかと思ってな」
「なるほど。でも、言い伝えでは迷宮でしか手に入らないと言われているわ」
「あぁ、確かにな。けど、それは『迷宮にしか精霊はいない』と考えられているからじゃないかと思ったんだよ」
「確かに、誰かが精霊を見たことがあるという話は聞いたことがないものね」
「あ、アビー、泣き止んでもいいぞ?」
「うぇぇぇぇぇん…。あ、はい」
この変わり身の早さはなんなんだよ、全く…。
「じゃ、アビーは流した涙を見てみるか」
「「えぇ(はい)」」
『元始精霊の涙』
いかなる傷も一瞬で治し、身体欠損も治す。また、2度と病気なかかることがなくなる。死者の蘇生はできない。
なんか、スゴイのができちまった。これはシェリーには教えられないな…。
「あぁ、ちゃんと『精霊の涙』だな」(アビー、本当は『元始精霊の涙』だ)(了解です)
「ほ、ほんと?!これで私も認められるかな」
「?認められるとはどういうことだ?」
「あ、そ、その今のは聞かなかったことにしてくれない?」
シェリーが上目遣いでお願いしてきた。これは断れないな、うん。
「あぁ、分かった」
「あ、ありがと…」
ついでにネグリジェ姿でしてきたため、胸元が見えそうになったのは言わないのである。変な目で見られるのはいやだからな。
「あ、あと、その「精霊の涙』はあげるからな」
「あ、貰うこと前提で話してしまっていたわ。ごめんなさい」
「いいよ、それくらい。俺はアビーがいるからいつでも手に入れれるから」
「ほんとに、規格外ね…」
「そろそろ、寝るか」
「え?うんそうね、もう夜も遅いものね(襲ったりしてくれないのかしら…)」
そういって、照明を消して、俺は、秒で寝た。なにかシェリーが寂しそうな顔をしていたが、気のせいだろう。うん、気のせい。
明日から、迷宮『白亜の塔』の攻略開始だ。
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シェリーside
私の名前は、シャーロット・ガルシア。親しい人にはシェリーと呼んでもらっているわ。
私は、名前から分かるとおり女よ。私のガルシア家は騎士の家系。だから、女の子の私は親からの愛情なんてほとんど受けれなかった。
今から、2年前だったかしら。父であるアンドリュー・ガルシアから、20歳になったら家をでていけ、と言われたのは。私は自分が女で生まれてきたことを深く恨んだ。家をでていけっと言われて、悔しいと思わない人はいないと思うわ。
そして、18歳の時、父が魔物に大怪我を負わされ、瀕死の状態になった。いい気味だわっとおもったと同時に治してあげたら、家に留まれるとも思った。そして、護衛と使用人を連れて、あらゆる傷が治ると言われている『精霊の涙』を探しに旅にでた。たくさん情報を集めたけれど、どれも参考にはならなかった。
そして、迷宮への街道を通っては目立つと危険が少ない森に入ったのに、A+ランクの魔物に襲われて、死を覚悟したときに「彼」が私を助けてくれた。そのときに私は、その、一目惚れしてしまったわ。美しい銀髪に意思が宿る赤眼。そして、圧倒的な強さ。あと、顔立ちもとても整っていた。
そして、私は決意した。父も助けたいけど、この人についていくって。
名前は、ヨウノスケで17歳。っと私を助けてくれた人は教えてくれた。あと、ヨウでいいとも言われたわ。
(この話は本編には登場しておりません)
あんなに強いのに私より年下で驚いちゃった。
そして、迷宮の入り口で一泊するといわれて、私の心は踊った。
しかも、なんか可愛らしい精霊をつれているし、その子から私の目的の『精霊の涙』を手に入れちゃうし。ほんっと規格外だったわ。
あと、私と同じ部屋で寝ても全く襲ってくれそうじゃなかった。自分の容姿には少し自信があっただけに、少し、ショックだったわ。
夜這いをしようとも考えたけど、あの精霊ちゃんが邪魔しそうだから、一つの決意を胸にねることにした。
ー絶対に、振り向かせてやるんだから!!
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しろくまです。
題は{迷宮『白亜の塔』}なのに、なかなか迷宮攻略を始めません。申し訳ありません。
シェリーの心を追加でかいてみました。私には乙女心はわかりませんが、想像で書いてみました。
シェリーを応援してあげてください。
お気に入りが2000人を超えました!本当にありがとうございます。
これからも精進して参ります。
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