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元の亮介になってきたとこで
ちょっとなごんできたし
食事と酒でいい感じになってきたな~
聖「俺も相談していい…?」
亮「どうした? 珍しいな」
嫌な予感がするな
変なこと言わないといいけどな…
聖斗はグラスに半分ぐらい残っていたビール
グッグッと一気に飲み干した
そして目線は下に落として
ちょっと力なく弱い感じで口を開いた
聖「手にするのが難しい恋を手にしたい」
竜「どんな人ですか?」
出た!ド天然と言うか、鈍感と言うか
なんでそうなるんだぁ
聖「自分のことを嫌いな人を好きになって
それをなんとかしたくて」
亮「お前…」
亮平はたまらなく口を挟んだが
聖「タイプってあるよね?
嫌いなタイプの中に俺入っちゃってるんだよね」
竜「聞いてみたんですか?
考えが変わることだってあるかもしれませんよ?」
(誰のこと言ってるのかわかってんのかよ)
やきとりを一口食べて
背筋をピンと伸ばしてイスにしっかりと座り直して
聖斗は竜哉の目をしっかりと見た
今なら酒の勢いで言えるかもしれない
聖「相手はセレブが嫌い
俺はセレブぶってないけど」
竜「僕に似てるね」
聖斗は亮平と目を合わせた
ピリッとした空気が流れる
思いきって誰のこと言ってるのか
バラしていいのか?
竜「僕も同じようにセレブはちょっとね…
でも、もしかしたら思い込みで
わかり合うことができたら
案外上手くいったりするかもしれない」
お前のこと言ってんだぞ?
2人は思ってる
(こいつ鈍感ってレベルじゃなくね?)
聖「踏み込んでいいのかな?」
竜哉もビールを少し飲んで
聖斗の目を見る
真剣な目をしてる
竜「本当に相手のこと好きなら伝えないと
がまんして気持ちを抑えたまま近くにいるか
嫌われるかもしれないけど
わずかな光を信じるか」
これって本気で話してくれてるんだよな
俺のこと大切に思ってくれてる…?
あー、そんな当たって砕けろみたいな
砕けたくないんだけど
聖「そうだね、ちゃんと考えて伝えてみる」
竜「うん!」
屈託のない笑顔の竜哉
気づいてるのか気づいていないのか
心が読めない竜哉
好きな相手に相談するとか
でも…
わずかなチャンスをつかみたい
密かに熱く心に決めた
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