セレブ嫌いとセレブ ~君の中に俺の居場所ある?~

光海 流星

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16 一部R15 光をこの手に

 聖斗はどこかへ電話をしながら車を走らせた
 誰も無言で空気は悪い
 ほどなくして
 男と会い、バッグを受け取る

 聖斗の表情は普段見ているものとは違い
 怒りでも不安でもどれにも属さないような
 まっすぐ何かを見ている真剣そのもの

 亮「それって」
 聖「500万だよ、竜哉がこれで助かるなら容易いよ」
 慎「聖斗くん本気だね」

 聖「俺、こんなに本気になったこと
   初めてなんだ」

 車内は何の言葉も発せられることなく
 3人とも無言が続く
 でも、その無言の中でも
 思ってることは同じだと感じている

 しばらく車を走らせ、とある場所に着いた
 周りは何もなく人気なんて全くない
 誰からも気づかれることなんてない場所

 (こんな所に竜哉は…)

 バーンッ!!

 聖斗は勢いよくドアを蹴りつけて中を見渡した
 そこには縛り付けられて身動きができない
 傷だらけの竜哉がいた
 あんなに怯えて…

 どう見ても痛々しい
 早くなんとかしないと危険

 洋「本当に来たんだね
   そんなにこいつのこと好きなの?」

 そう言い、洋平は竜哉の顔にツバを吐きかけた

 聖「竜哉を返せ!」
 洋「おっと、金が先
   これ以上近づいたらキスマーク増えるよ」

 ニヤニヤしながら洋平は続ける

 洋「そこに金を置いてから下がれ」

 苦しくて、痛くて、恐怖で正気ではいられない竜哉が
 泣きながら弱弱しい声で…

 竜「ダメ!
   お金なんていいから
   もう誰にも迷惑なんてかけたくない」

 竜哉はパニックになっている
 口をパクパク声になっていないのに
 そして呼吸も浅く早い

 聖「竜哉…
   大丈夫だから聞いて」

 なんとか落ち着かせようと聖斗は
 竜哉の目を見て優しく微笑んで
 ゆっくりと口を開く

 聖「口にしないと伝わらないことってあるよね?
   俺は気が利かないから人の思ってることわからないよ
   竜哉は強いよね
   こんな状況でも人の心配できるなんて

   俺に教えてくれたのは竜哉だよ
   だから知りたいことがあるんだ

   … 竜哉、俺のこと好き?」

 その場にいる誰もが黙り込んだ
 こんな時に何を言ってるんだ
 そう思われたに違いない
 
 聖斗は竜哉から目を離さずにやさしく
 微笑んだまま竜哉からの言葉を待っている

 竜哉の目からは涙があふれ
 頬を伝って地面にシミを作っていた

 竜「僕は… 僕は…」

 竜哉がやっと顔を上げて聖斗を見た

 竜「聖斗くんが好き、そばにいたいよ!」

 その言葉を合図に
 聖斗は隠し持っていたダーツの矢を
 洋平に投げ、足に命中した

 亮平と慎二は竜哉の縄をほどき
 竜哉を両脇から支えながら車に向かう

 洋平のツレにもダーツの矢を向ける聖斗
 ツレは1人で走って逃げていった
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