セレブ嫌いとセレブ ~君の中に俺の居場所ある？~

２７ 親友

　元旦になって４人は集まることになった
　もう、悪友みたいなノリになってしまっている

　近くの神社に初詣しようってことになって、
　地元の神社なのに意外にたくさん人がいた

　亮「何お願いしたんだよ？」
　竜「内緒」

　ほんと子供の会話
　そんなことが楽しい
　気を遣わない関係ってこんなに自然に楽しいんだな

　慎「おみくじあるからしよー」
　聖「一緒にみんな見せ合いしよ」

　こういうのもめくる瞬間が楽しみだ
　どんだけ学生みたいなノリやってんだ

　「せーの」

　聖斗…大吉　　竜哉…小吉
　亮平…末吉　　慎二…吉

　亮「さすがセレブは違うな～」
　慎「１人ズバ抜けてあとみんな一緒」

　屈託のない笑顔があふれている

　竜「ちょっとトイレ」

　竜哉がいなくなったので聖斗が話を切り出す
　２月１４日にサプライズをすること
　２人に来てほしいこと
　そして竜哉には絶対にバレないように秘密にすること

　亮「本気なんだな」
　聖「こんなことウソつくわけない」
　慎「楽しみだね」

　亮「お前がこんなに本気になるって
　　　マジの中のマジだよな」
　聖「自分でもびっくりするぐらい好き」

　竜「ごめんね」
　亮「おせーぞ」

　聖「行きたい所があるんだけど」

　聖斗は行ったことがなくて
　４人で行こうということになって車を出した

　スポーツセンターだった
　色んなことができる

　バドミントン
　２対２でやってみたけど、意外にラリーできない
　ちゃんとやれよーなんて騒ぎながら夢中になっていた
　こんなに難しかったっけ？
　シャトルが思うように飛ばない

　ダーツ
　聖斗の家にもあるぐらいで
　たしかに聖斗はうまい
　投げ方までカッコよくて竜哉は見惚れてしまっている

　投げ方がよくないのか
　聖斗意外はみんな刺さらなかったり
　的外れな所へ飛んでいったり

　バッティング
　これはみんな下手だった
　空振り、どこへ飛んで行くかわからない危険

　聖「初めてこういうことできてすごく楽しい」
　竜「セレブじゃなくなっちゃうね」
　亮「お前それ嫌味か」

　亮平は竜哉の頭をグシャグシャにした
　この４人なら嫉妬することもない
　聖斗も楽しんで見ていた

　慎「聖斗くんも本当に楽しそうで竜哉くんに夢中だね」
　聖「え？」
　慎「めっちゃ竜哉くんのこと見てる」

　聖「そんな見てるつもりないけど」
　慎「ずっと見てたよ」

　ふふっと笑って慎二がスマホ見せた

　慎「ほらこれ見て」

　慎二は隠し撮りしていた
　聖斗が見ている先には竜哉がいる

　聖「あー、消してこれー」
　慎「思い出だからダメ」

　帰りの車内で話が尽きることなくうるさい
　
　竜「Ｗカップルで４人ずっと親友でいたいね…」
　
　何気なく言った竜哉の言葉
　でも、それはみんな同じ気持ちだった

　亮「ずっとそうだよ」

　竜哉が笑顔でいる
　聖斗はそれを見てうれしかった