ラベンダーに想いを乗せて

光海 流星

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1 なんで再会なんて

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「お前なんて守ってくれる奴誰もいねーよ
 もしいたら俺が教えてやるよ」

この言葉はどうしても忘れることができない
僕の心に深く残っている

あの言葉を言われてから僕は人が怖い
誰かと仲良くなるにも時間がかかる
簡単に人は変わってしまう

身をもって経験しているんだから…

最近ようやく僕にも気をつかわなくてもいい
心許せる友達ができた
この会社に就職して5年が経っていた

僕は陽野 純はるの じゅん172-65-23

昨年、同じ部署の先輩2人から
あまりにも付き合いが悪いゾなんて言われ
宅飲みに強制参加させられて
酔った勢いで自分の過去をぶちまけてしまった

川本 真玖かわもと まく 先輩 177-70-25

工藤 龍麻くどう りゅうま 先輩 171-69-24


それでも何も変わることなく接してくれて
自然に仲良くなることができた
初めてできた友達
23歳で友達が初めてって引かれるよなぁ

真「みんな今日定時だしメシ行こうか?」
龍「おごってくれるんですかぁ~?」
真「なついてくるな!
もちろん純も一緒に来るよな?」

純「はい、行きたいです」

駅近くで飲もうってことになって
3人で歩いていた時 突然
純は固まってしまってその場に立ち止まった

真「どうした? 純」

純の視線の先には純を見ておどろいた
顔をして立っている男性がいた
そして男は頭を深く下げた

純「いえ、何でもありません」

そう通り過ぎようとした時

「あの… 純さん、ですよね…?」

純「人違いではないでしょうか?
行きましょう、早く先輩」

純に言われるまま店に入った
なんとなく気まずい雰囲気だったが
和ますというかぶち壊す奴

龍「いいのか? さっきの人
なんかすごい深刻そうにしてたみたいだけど」

純「あいつが僕を傷つけた奴
情口 勇介じょうぐち ゆうすけ187-78-23です」

龍「なんか言いたかったんじゃないか?」
真「そういやあいつ、先月転職してきたよ
たしか経理課に入ったはずだぞ」

純「えっ…」

純は青ざめた表情になりうつむく
思い出したくもない奴がまたすぐ近くにいる
なんでこんなことになるんだ…
もう会わないと思っていたのに

龍「今その話はなし~
それよりさー、明日推しのLIVEなんだ」

さすが龍麻くん、流れを変えてくれる
せっかく飲みに来てるんだから
あんな嫌な話題なんか空気悪くなる

純「いいですね、何列目ですか?」
龍「ふふ~ん、1列目!」
純「うわっ!」

龍麻の推しについて熱く語られた
僕が3杯目に手をつけようとした時

真「また、お前酒には気をつけろよ
いっつもグダグダになってんだからな」

純「大丈夫っすよ~
先輩といると楽しくいられてますよ~」

純は普通でいられる時もあるが
悪酔いすると…

ふにゃふにゃのゆるキャラみたいになるし
いきなり誰にでもくっついてイチャつく
ちょっと危ない奴なんだよな
前科あるし

真「そろそろ俺達とタメ口になれよ」
龍「そうだよ~、気つかうなって」

純「じゃ~、そう~しよ~かな~」
真「おいおい、おかしくなってきたぞ」

これ以上飲ませると今日のパターンは
イチャつきそうだな
こんくらいにしてタクシー呼ぶか
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