2 / 2
2 縮まる距離と目標
しおりを挟む
礼くん話してみたら思ってたのと違って
なんか優しそうだったなぁ
あの目つきだけがもったいないけど
また色々話してみたいなって思った
仕事が終わってスマホを見てみると
礼くんからMAILERが届いていた
礼「今日もあそこで会えますか?」
風「いいですよ、何時頃ですか?」
礼「いつでもいいですよ」
風「夕飯は食べましたか?」
礼「まだです」
風「じゃ、19:00にあそこで」
春の終わりでもまだ夜は少し肌寒い
はおっているカーディガンが似合う
こんなイケメンなのにいつも1人って
もったいないなぁ
礼「こんばんは、近くによく行く店で
良い店あるんですけど行きますか?」
風「よければぜひ」
10分ぐらい歩いて大通りから入り込んで
人目につきにくい場所にある店
“with” こじんまりした店
礼「ここは家庭料理みたいなのをメインで
俺なんかでも受け入れてくれる店で
お気に入りなんですよ」
風「そういうのいいですね
俺も理想はそういうのがいいなぁ」
「いらっしゃい礼!珍しいね
今日はお友達を連れてきてくれたの?
こんばんは、オーナーをやっています
川西 恵介180-73-29です
よろしくね」
風「葉月 風磨です」
恵「よければゆっくりしていってね」
礼「さっき言ってた理想って風磨さん
夢とかあったりするんですか?」
風「仕事でレストランしているんですけど
環境が悪くてねたまれたりしていて
疲れることばかりなんですよ
いつか自分で店をやりたいんです」
まっすぐ風磨の目を見ながら聞く礼
吸い込まれそうなそんな感じの
優しくも強い目に胸がざわついてくる
礼「だったら遅くなってしまわないうちに
夢に向かってほしいです」
何か意味深な言い方だな
あまり深堀りしない方がいいのかな
風「遅くならないうちにって
何かそういうことあったんですか?」
礼「俺、ちゃんと夢があったんですけど
家庭環境が悪くて上手くいかなくて」
風「老後はこじんまりした感じで
食堂みたいのをやりたいと思っていて
それまでは自分磨きですね」
礼「ちゃんとしててすごいですよ」
風「礼さんは何の仕事してるんですか?」
少し焦った顔をして目を見開く礼
すぐに冷静を装って話し出す
礼「歌手になりたかったんです
オーディションも全然でお金もないし
でもどうしても音楽は好きなので
今はネットで歌って収入を得ています」
風「え? すごいじゃないですか!
俺みたいにふわふわしてないですし」
礼「いや、そんなつもりで言ってないですよ
俺、こんなだからごめんなさい」
風「悪く思ってないですよ」
礼「友達になってもらえませんか?」
風「俺もそう思ってましたよ」
礼「じゃあ、気軽にタメ口で」
風「うん」
礼「店を出す目標ってカッコイイね
応援したいなって素直に思えたよ」
風「礼くんも歌ってるってすごいよ
ファンとかいそうでそれこそカッコイイ」
まさか風磨が自分のファンだなんて
距離を置かれそうで怖くて言えない
急にベタベタつきまとってくるか
有名人とは仲良くできないとか
あまり良い関係になることはできないから
礼「家族からは耳障りでうるさいとか
お前みたいな奴は売れないとか
けっこう言われてきたよ」
風「この人は好きでこの人は嫌い
色んな人がいるから歌手もたくさんいて
礼くんのファンもいると思うなぁ」
風磨くんとは仲良くなりたいけど
自分が愛介ってことはまだ知られたくない
俺のことわかってもらえそうな気がする
歌ってることも否定的なこと言わなかったし
礼「お互いがんばりたいね」
それとない返事しかできなかった
なんか優しそうだったなぁ
あの目つきだけがもったいないけど
また色々話してみたいなって思った
仕事が終わってスマホを見てみると
礼くんからMAILERが届いていた
礼「今日もあそこで会えますか?」
風「いいですよ、何時頃ですか?」
礼「いつでもいいですよ」
風「夕飯は食べましたか?」
礼「まだです」
風「じゃ、19:00にあそこで」
春の終わりでもまだ夜は少し肌寒い
はおっているカーディガンが似合う
こんなイケメンなのにいつも1人って
もったいないなぁ
礼「こんばんは、近くによく行く店で
良い店あるんですけど行きますか?」
風「よければぜひ」
10分ぐらい歩いて大通りから入り込んで
人目につきにくい場所にある店
“with” こじんまりした店
礼「ここは家庭料理みたいなのをメインで
俺なんかでも受け入れてくれる店で
お気に入りなんですよ」
風「そういうのいいですね
俺も理想はそういうのがいいなぁ」
「いらっしゃい礼!珍しいね
今日はお友達を連れてきてくれたの?
こんばんは、オーナーをやっています
川西 恵介180-73-29です
よろしくね」
風「葉月 風磨です」
恵「よければゆっくりしていってね」
礼「さっき言ってた理想って風磨さん
夢とかあったりするんですか?」
風「仕事でレストランしているんですけど
環境が悪くてねたまれたりしていて
疲れることばかりなんですよ
いつか自分で店をやりたいんです」
まっすぐ風磨の目を見ながら聞く礼
吸い込まれそうなそんな感じの
優しくも強い目に胸がざわついてくる
礼「だったら遅くなってしまわないうちに
夢に向かってほしいです」
何か意味深な言い方だな
あまり深堀りしない方がいいのかな
風「遅くならないうちにって
何かそういうことあったんですか?」
礼「俺、ちゃんと夢があったんですけど
家庭環境が悪くて上手くいかなくて」
風「老後はこじんまりした感じで
食堂みたいのをやりたいと思っていて
それまでは自分磨きですね」
礼「ちゃんとしててすごいですよ」
風「礼さんは何の仕事してるんですか?」
少し焦った顔をして目を見開く礼
すぐに冷静を装って話し出す
礼「歌手になりたかったんです
オーディションも全然でお金もないし
でもどうしても音楽は好きなので
今はネットで歌って収入を得ています」
風「え? すごいじゃないですか!
俺みたいにふわふわしてないですし」
礼「いや、そんなつもりで言ってないですよ
俺、こんなだからごめんなさい」
風「悪く思ってないですよ」
礼「友達になってもらえませんか?」
風「俺もそう思ってましたよ」
礼「じゃあ、気軽にタメ口で」
風「うん」
礼「店を出す目標ってカッコイイね
応援したいなって素直に思えたよ」
風「礼くんも歌ってるってすごいよ
ファンとかいそうでそれこそカッコイイ」
まさか風磨が自分のファンだなんて
距離を置かれそうで怖くて言えない
急にベタベタつきまとってくるか
有名人とは仲良くできないとか
あまり良い関係になることはできないから
礼「家族からは耳障りでうるさいとか
お前みたいな奴は売れないとか
けっこう言われてきたよ」
風「この人は好きでこの人は嫌い
色んな人がいるから歌手もたくさんいて
礼くんのファンもいると思うなぁ」
風磨くんとは仲良くなりたいけど
自分が愛介ってことはまだ知られたくない
俺のことわかってもらえそうな気がする
歌ってることも否定的なこと言わなかったし
礼「お互いがんばりたいね」
それとない返事しかできなかった
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
人並みに嫉妬くらいします
米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け
高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる