傷×傷=愛

光海 流星

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1 同じ自分だけの場所

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「やっぱ何でもすぐできてすげーよな
エリートは違うよな」

またか
こんなことばっかり聞きたくない
何でもできるわけじゃないんだけどな

努力してやってるつもりだよ
何もしないでできたら天国みたいだよ


俺は葉月 風磨はづき ふうま176-67-24
レストランで働いている普通のリーマン

会社が契約しているからシェフとかでなく
リーマンとしてシフト制で働いている

料理も好きだからこの仕事も問題なく
やっているんだけど1つだけ悩み事

マネージャーからは仕事ができるからと
気に入ってもらっているんだけど
それを気に入らない店長や同期や
先輩が妬んで嫌味を言われたり

そんなのが続いてくるとさすがにイライラ
バカバカしくて仕事辞めたくもなる
でも辞めたら逃げるみたいでもっと嫌

そんな時はいつもこの場所に来ている
海沿いの公園
あまり人が来ないしここで音楽を聴いて
リフレッシュしてから家に帰る

夜風が頬をくすぐるように通り抜ける
あまり誰とも会わない自分だけの場所
昔の秘密基地みたいなそんな感じ

いつものように音楽を聴いていたら
知らない人が近くのベンチに座った
しかもなんか怖そうな見た目してる
赤い髪のソフモヒ、ピアス3個
細い目がさらに威圧感あって怖い

なんとなく怖くて落ち着かないなぁ
今日はもう帰ろうかな
なんかすごく見られてるし…

音楽聴いて気づかないフリはしてるけど
あきらかにガン見されてるのわかる
とりあえず今日は帰ろう

もしかしたらたまたま今日は珍しく
この人もいつもここに来ているのかもしれない
それで俺がいたから嫌だったとか

そうだとしたらなんか悪いしな
また今度会ったらどうすればいいかな
話しかけずらい感じだしなぁ
どっかまたよさげな場所を探すか

しゃーないな、今日は自分の部屋で
好きな愛介くんの曲を聴くかな
満たされて風呂に入ってゆったりして
また明日もがんばっていこうか

次の日も何気に公園に行ってみると
今日は先に彼がベンチに座っているのが見えた

やっぱりここは彼にとっても良い場所か
このまま違う所へ行ってみようかとしたら

「あの、ここ座りますか?」

えっ!? 声かけられた
ど、どうしよう
相席みたいなそんなノリで?

風「あ、いいんですか?」

「よくここにいるの見かけていたんで
俺もこの場所好きなんですよ
あ、俺は鳥山 礼とりやま れい181-76-24です」

風「俺は葉月 風馬です」

話してみたら敬語だしもしかして良い人?
外見で損してしまっているんじゃないか?
って俺も決めつけてたけど

礼「ここに来ると落ち着けるんですよ
誰も来ないし波を見ていたりとかして」

風「俺もです、会社で嫌なことあったり
ここで好きな音楽を聴いて
いつもリフレッシュしているんですよ」

礼「そんな風に思ってもらえるアーティスト
すごいですよね、人の心を動かせる
憧れますね、あっ…」

風「何か活動しているんですか?」

礼「誰かを癒したりとかできたら
いいなって思ったりするんですよ」

風「俺は愛介って人の曲を聴いていて
“いつかのFor me”という曲
ものすごく好きで勇気もらってます」

礼はそれを言われた瞬間びっくりする
言葉を失ってしまっていた
見た目からは想像もできない動揺

風「どうしたんですか?」

礼「あ、いえ、どんな曲ですか?」

風「“いつかのFor me”って
自分に向けたタイトルって記事で見たけど
周りにも勇気をくれるんですよ」

風が通り抜けて礼の少しある前髪が揺れて
改めて見ると怖モテなイケメン
なぜか吸い込まれてしまうほどの魅力

礼「あの、よければなんですけど
MAILER交換してもらえたりとか…?
ダメなら全然いいんで」

風「俺でいいなら全然交換しましょう」

礼「俺こんな見た目だからいつも
みんなから避けられてるんですよ」

風「話したらそんなことないのにね」
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