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夢の結晶 第5話
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奥田が預かってきた、風呂敷を開けると、中には、綺麗な塗りの三段重が、出てきた。蓋を開けて並べてみると、稲荷寿司、太巻き、だし巻き玉子、煮しめ、ほうれん草のごま和え、きんぴら牛蒡など、美味しそうな、料理が、ぎっしり入っていた。その時、井上君が、お茶を持って入ってきた。「奥田先生、ご無沙汰しています。」挨拶をして、お茶を置いたのを見て「井上君も、一緒にたべようよ。」「私も、一緒に頂いていいんですか。」「二人じゃ食べきれないから。」「それでは私は、お皿と箸を用意してきます。すぐに、お持ちします。」「井上君、悪いね。恥ずかしいけど、僕は、お皿と箸が、どこに置いてあるのかも知らなくて。」「三島先生は、そんな事、気にしなくていいんですよ。その為に私が、いるんですから。お茶のおかわりも、お持ちします。」しばらくして、井上君が、再び入ってきて、席に座るのを確認してから、僕と奥田は、お皿に、それぞれの好きな料理を、取って食べはじめた。突然、箸を置いた奥田が、壁を指差し「この絵、まだ飾ってくれているのか。」「そうだよ、この絵は、僕の宝物だからな。奥田のお母さんが、僕が医師国家試験に、合格した時に、贈ってくれた、大切な絵だからな。それにしても、僕の幼稚園の担任の先生が、奥田のお母さんだと、聞いた時は、世間は狭いなあと、思って本当に驚いたよ。」「そうだよな、それで医大で、同じクラスになって。でも、何で星の王子さまの絵なんだ。」「僕が何度も星の王子さまのお話しを読んでと、いうのを、ずっと覚えていたからだそうだ。先生にしたら僕は、もう一人の甘えんぼうの息子らしい。考えたら確かに不思議な偶然だよな。」僕は、この絵が、好きでたまらないと、いう目をして、星の王子さまの絵を見た。
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