異世界召喚されたけど定番のチートも逆ハーレムも番も溺愛もエロもありませんでした。 無ければ自分で作れば良いのでは? よし、私頑張ります!!

福富長寿

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36話 彼女 Sideベル

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目の前に現れた女性はキョトンとしては居たが大人しい、叫んだり騒いだりしない。それにベルはホッとした。女性の扱いなど慣れていない。騒がれてもなだめたりなんて出来ないからだ。とりあえず謝罪から入ろうとベルは土下座した。女性は何故か楽しげにこちらを見ていた。それからこちらに手を伸ばしてきたので顔を上げるとちっと舌打ちされた。その顔が恐ろしくてとりあえず謝りまくった。







▶▶▶▶▶▶




一応は冷静な女性で良かったと胸を撫でおろしてベルはとりあえず女性にソファーに座って貰った。彼女は全く抵抗もなく素直だ。結構好印象だ。

(………っ……いい匂いするし……足が凄く出てるっ。………っ駄目だ、見たら駄目だ)

久しぶりに見た若い女性にベルの胸はドキドキした。容姿は余り良くないが見れない程に醜いわけではない、地味なだけだ。ベルと少しタイプが似ていて親近感が湧くしそれに露出が多くて正直少し興奮する。地味なのに痴女の様な格好の女にエロスを感じる。異世界ではこんないやらしい服が一般的なのか?それは凄いなと思った。

(…………………あの召喚魔法で現れたと言う事は……、もしかして………彼女は俺の……?願いが届いたのか?)

ほんの少し期待して興奮してしまう自分を抑えてベルは彼女に説明する。必死で頭を回転させて考えた嘘を。本当の事なんて伝えたら絶対に軽蔑されるだろうからだ。知らない男の身勝手で喚び出されてその理由がちょっと魔が差したんです、なんて伝えられる訳がない。帰す方法なんてわからないし喚びだされた者が帰ったなんて話も聞いた事はない。彼女はもう元の世界には二度と帰れない。

(…………………この人はもう、俺しか頼れないんだよな?っ………………金には困って無いし、もしかしたらこの人ならこんな俺でも受け入れてくれる?大人しくて優しそうだし………俺とお似合いじゃないか?まあさっきは舌打ちされたけどいきなり……誘拐……されたみたいな物だし当たり前だよなぁ…………、これから仲良くなれたらいいな)

ベルはそう思った。しかし数分で前言撤回だ。この女は少し頭がおかしいのかもしれない、マジでやらかしたとベルは思った。



▶▶▶▶▶▶




女はベルが説明を終えると今まで大人しかったのが嘘のように取り乱して意味不明な事を口にしてベルに掴みかかって来た。言葉の端々から察せられたのは彼女の世界にも召喚魔法が有るのか?と言う事くらいだ。もしかしたら似たような事が有る世界なのかもしれないなと思った。

「え?私って聖女とか勇者とか世界救うとかそう言うので呼ばれたんじゃ無いの?」

そう言われた時に本当に申し訳無いと思った。こんな男の馬鹿な行為で喚び出されたのだから。違うと伝えると女性はびっくりするくらい泣き出してベルは頭を抱えそうになった。

(っ…………なんか良くわからないけど、こっちの女性とは全然違うし怖いな。………………これとずっと一緒に暮らすのはキツいなぁ、この人もそうだろうし適当にお金と生活のサポートをしてその内此処からは出ていって貰おう。…………はあ、本当にすみません)

咽び泣く女性を眺めながらベルも途方に暮れた。一時間程でとりあえずは大人しくなった女性に声をかけると目が腫れて痛々しい姿だ。罪悪感で吐きそうになった。少しでも彼女の不安を取り除こうと今後の話をすると彼女はキョトンとしてそれからまるでベルが彼女を今すぐに放り出そうとでもしているかの様な事を口にする。

(まさか、流石にそんな酷い事をするわけ無いだろ?……………いや、でも彼女からしたら不安になってもおかしくないか。知らない男に知らない世界に喚び出されて帰れないと言われたんだ、良く考えれば取り乱して当たり前だ。むしろ泣くだけなら、かなり優しいんじゃないか?普通は殴りかかって来たり魔法で攻撃したり……、ん……?魔力が感じられない?……………なるほど。魔法の無い世界の人か?………やはり俺の魔力ではゲートが不完全だったか?)

女性からは全く魔力を感じられない、その事に更にベルの胸は痛んだ。

(知らない世界で魔力も無しで女性が一人で生きてなど行けない。…………どうせ俺は一生独りなんだ、これからは彼女の為に生きよう。全てを捧げて償おう。せめて何不自由無いようにしてあげないと。……………そのうちに俺と恋仲になるかも知れないしな)

ベルはそう決意した。そしてやはりほんの少しの下心でドキドキしながら手を握って慰めようとした。だが



「うわぁぁぁん!!!なんでお兄さんイケメンじゃないのぉぉぉ!!!!!!シチュエーションめちゃくちゃ良いのにがっかりだよぉぉぉ!!!!!実は本当の姿はイケメンでしたとかじゃないのぉ?!そうだと言ってぇぇぇぇ!!!」


そう言われて少し傷ついた。やはりこの女もイケメンが良いのか。

(……………っ…………馬鹿みたいだな、俺は。もしかしたらなんて期待して……やはりゲートが不完全だったんだ、……………………彼女は俺が願った相手じゃない………。召喚魔法は失敗したんだ………)

ズキリと胸が痛んだ。



▶▶▶▶▶▶




その後なんとも意外なことに彼女は凄く落ち着いて話もアッサリと理解してくれた。
それに全然ベルを責めないし笑顔で話しかけて来てくれる。また期待しそうになってベルは単純な自分に呆れた。

(……………どれだけ俺は……単純なんだ…………)


二度と帰れないと告げたのに全く悲壮感もない。逆にこちらが泣きそうになる。視線を感じて顔を上げると彼女はじっとこっちを見ていた。イケメンじゃなくてガッカリと言った割にその目に特にベルに対して負の感情はない。赤く腫れた目がどうにも見ていられなくて本当に初歩的な治癒魔法を使うと彼女はとても驚いて瞳をキラキラとさせていた。その姿は少しだけ可愛く見えた。思わずベルの顔にも久しぶりに心からの笑みが浮かんだ。







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