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44話 かわいい人

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ぬぽぬぽと口内や喉を執拗に犯されてハルミは既にとろとろだ。それに嬉しい、もう優しくして貰えないかと思ったのにこうして触れてくれる。理由は良くわからないけど嬉しい。

(あっ♡アーノルドさん♡アーノルドさん♡)

必死でハルミも舌を絡めて唾液を飲み込む。アーノルドは体には触らずずっと口内を舐め回していた。部屋にはいやらしい水音がぴちゃぴちゃと響く。

(んっ♡…………きもちぃ♡…………ん♡ん♡ん♡)

体から力が抜けてうっとりとアーノルドを受け入れる。されるがままだ。幸福感が胸の中に湧き上がってくる。おまんこも既にとろとろで何時でも受け入れオッケーだ♡

(……………アーノルドさん♡)

30分キスだけでとろとろにされてやっと満足したのかアーノルドは口を離した。ねとーっと糸が引く。涎のせいでアーノルドの顎も服の胸元もぐしょぐしょに濡れていて、唾液がてらてらと光っている。

(……………♡)

「…………ハルミ、すまん……我慢出来なかった……。ハルミ……♡」

そう言ってアーノルドは蕩けた瞳で今度は軽いキスをハルミに落とす。そのいつもの態度にハルミはホっとした。でも少しだけ不安になって尋ねる。

「………………アーノルドさん?怒ってないの……?」

アーノルドは不思議そうな顔をした。

「…………怒る理由がないなぁ?何故そう思う?」

「…………だって、さっき…………怖かった……です。話し掛けても無視した、…腕も、いたくて……私が………下品だから……。嫌われたかと………」

言ってるうちに声が震えて涙が出てくる、ポロリポロリと次から次に。止めようとしても止まらない。それを見てアーノルドは目を見開いた。

「…………先程は随分と勇ましいと思えば
………今はそんな理由で泣くのか?拙者に嫌われたくなかったのか?」

アーノルドはそう言う声はとても優しい。

「っ………そりゃ嫌ですよぉ………、もっ………優しく……して貰えないかと……思った…………ぅ……」 

言っててまた涙が溢れてくる。それをアーノルドはそっと拭う。

「……………………先程の事で君を嫌いになどなる訳がない。…………………不安にさせたな?すまん…………腕も……すまない。………まだ痛むか?ハルミ…………泣くな………」 

ちゅ、ちゅと瞼にキスを落とされる。

(ふぁ…………ん……アーノルドさん、優しい………良かった………)

甘やかされてとろんとしているとアーノルドは困った様に笑う。

「………………君がグレンの奴に怒鳴ってくれて嬉しかった。……嬉しくて………気持ちが昂ぶった、……早く君に触れたくて、早く部屋に帰りたくて………君を気づかってやれなかった。…………焦ってしまったなぁ?すまない……ハルミ。…………………嫌いになどならない、絶対に………。むしろ君に嫌われないかと不安だなぁ。………もう嫌いか?」

そっと頬を撫でられる。

「…………っ………良かったぁ。………ふふ、好きですよ?」

ハルミがへにゃりと微笑むとアーノルドは息を飲んだ。

「っ……………君はっ!!!…………どうして、そんなに可愛い……」

アーノルドはそう言うと覆いかぶさるように抱きしめてくる。

「………アーノルドさん………、かわいく……ないです……」

「……………いいや、可愛い………世界一可愛い………。かわいい………かわいいぞぉ」

アーノルドはハルミの頬に頬を擦り寄せてそう言う。

「ん♡………アーノルドさん♡」

そんなアーノルドがハルミも凄く可愛く見えてハルミからも擦り寄った。暫くはそうしていたがずっとそうもしてられない。気になっていた事を聞く事にする

「……………アーノルドさん、紅葉君はどうなったんですか?使用人さんも帰って来ないんですか?」

ハルミの声にアーノルドは顔をあげると、はあとため息をはく。

「…………………奴隷なら詰め所での調査と検査が終われば帰って来る。 ………………虐待の疑いを持たれたんだぁ。だが問題は無い。そんな事実は無いからなぁ、………拙者からも書類を提出したし本人もそう答える。だから問題は無い。使用人も付き添わせてある」

そう言ってアーノルドはゴロンとハルミの隣に寝転ぶ。逆にハルミは身を起こした。

「えっ?虐待って………なんで?」

その質問にアーノルドは少しだけ眉を寄せた。

「…………あの奴隷は目が見えんだろう?だから今はランク無しだ。人権など無い。……………だから本来で有ればあの奴隷に何をしようと問題は無い筈なんだがなぁ…………、奴隷館でのランクの変更申請がまだなのか………複数通報が入ったせいかは知らんが奴隷の人権を守る組合から苦情が来たそうだ。…………立場の弱い奴隷に無理やり性的な暴力をふるっているんじゃ無いか……だと。………………はあ。ハルミが奴隷に無理矢理命じて、外で猥褻な行為に及んだと周りからは思われたようだなぁ」

「え?」

ハルミは青ざめる。要するに外で紅葉といちゃついていたのが周囲からはハルミが無理矢理させていた様に見えたと言う事だ。とんだ変態プレイだ。サアッと血の気が引く。

(やっぱり周りからはそう見えるんだ…………)

容姿の悪いハルミと美しい紅葉。どう考えてもやばい組み合わせだ。しかも紅葉は奴隷。二人の様子を見た人達からの善意の通報だったと言う訳だ。

(……………………本当に情けないなぁ私……、出掛けたりしなきゃ良かった)

理解してた筈なのにこうして現実を突きつけられるとどうしても胸が痛む。しょんぼりしているとアーノルドも半身を起こして優しく抱きしめてくれた。

(……………ん、アーノルドさん………)

胸にスリスリと擦り寄るとアーノルドは腕にぎゅっと力を込めた。

「……………周りの事など気にするな。それに奴隷にも申し訳無いなどと思う事はない。十分、働きに見合う報酬は渡す。……………本人が希望すれば上乗せしても良い。…………ハルミ、大丈夫。全て同意の上だ。君が買わなければ近い内に処分されていた奴隷だ。君は何も悪くは無い、………むしろ命を助けたと思っても良いくらいだぞぉ?」

そう言ってアーノルドは優しく髪を撫でて何度もキスを落とす。

(……………優しい、アーノルドさん………アーノルドさん)

擦り寄るとアーノルドは嬉しそうだ。

「ハルミ………、やはり君は…………かわいいじゃないかぁ。…………ふ。周りの奴らは見る目が無い………。………ふふ、ふふふ、それに今更笑いが込み上げてきたぞぉ。………くく……グレンのあの顔………ははは!!!あれは傑作だったなぁ!!!!股間を抑えて地面でくねくねと!!!ははは!!!スッとしたぞぉ!!!」

アーノルドは声をあげて笑う。その姿にハルミまで楽しくなってくる。

「うふ、ふふふ、…………凄い声でしたもんね。蛙が潰れたみたいな、ふふふ、あのチンカス本当にちんこ潰れてたら良いのに、あはは!!!」 

そうして二人で笑い合ってふいに目が合い沈黙する、そしてどちらからともなく目を閉じた。唇が触れ合い優しくベッドに倒される。

「ハルミ、…………仕事は他の奴に押し付けて来た。…………もう一人の使用人も今日は帰らせた。明日の朝までは二人きりだぁ。…………だが拙者は今は魔力が少ない。今日も最後までは出来ん、それでも触れたい。…………可愛い声が聞きたい。………一晩中……君を独占したい。………嫌か?」

耳元で囁かれる。その声は痺れるくらいに甘い。

「………………嫌じゃないです。………触って欲しい、………先生♡」

そう言うとアーノルドは困った様に笑う。

「………………今日は先生は無しだ。アーノルドと呼んでくれ、さんはつけるな………」

そう言って軽くキスをされる。

「………………はい、アーノルド…………」

(………………やっぱり優しい。アーノルドさん。………………体だけの関係だけど今は貴方の事だけ………考えさせて……、……………色々有って少し疲れちゃったよ私。もう何も余計な事は考えたくない)

ハルミは瞳を閉じた。優しいキスが降ってくる。それは泣きたくなるくらい甘いキスだった。








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