異世界召喚されたけど定番のチートも逆ハーレムも番も溺愛もエロもありませんでした。 無ければ自分で作れば良いのでは? よし、私頑張ります!!

福富長寿

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56話 歩み寄る

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「あ………また………貴女を……抱いても?……良いのだろうか?」

震える声でグレンは言う。

「……………1回も2回も、もう同じなんで別に良いでしょ」

少しだけ冷たく答えるとグレンは肩をビクリと揺らした。

「………そうか……………痛くは……無かった……ですか?」 

しゅんとしてグレンは言う。

(…………あー、声……出せなかったしなぁ。初体験なら感じてるかどうかもわかんないよね確かに。……今更そう思うならやらなきゃ良いのに)

そこまで考えてハルミはため息を吐く。

(………ふう。許すって言ったのは私だし、そこは責めないでおこう。…………これからたまにではあるけど体を重ねるのなら……多少の歩み寄りは必要だよね……………)

「……………気持ち良かったですよ。あそこ濡れてたでしょ?………だから、出来ればお願いします。また抱いて下さい」

そう告げるとグレンは更に真っ赤になる。

(……………赤鬼だ)

角と肌の色が同化していてハルミはぼんやりとそう思う。

「ひ、………き、気持ち良かった?俺の……これが?」

グレンはふるふると震えて涙目だ。

(え?また泣くの?……………時間的に勘弁してほしいなぁ)

既に使用人さんとはぐれてから3時間は経っている。時計はもうお昼を回っていた。かなり心配を掛けているだろうから早く無事を知らせないと。

「グレンさん。……………グレンさんってセックスしてみたかったんですよね?さっきいっぱい出してたって事はグレンさんも気持ちよかったんですよね?なら、性欲処理ついでだと思って引受けてくれませんか?都合の良い穴だと思えば良いんですよ。今日みたいに後ろから好きにしてくれて良いですから。………………断るならそれはそれで良いので早くして欲しいんですけど。私連れの人とはぐれて……絶対に心配されてるし早く無事を知らせないと…」

ハルミのその言葉にグレンはハッとした様な顔をする。

「っ…………すみません。少しだけお待ちください」

慌てた様子で何か腰の辺りの小さなポーチをゴソゴソして丸い水晶の様な物を取り出している。

(魔法の道具とかかな?)

グレンはそれをじっと見てそれから慌てた様に顔をこちらに向けた。

「あ、アーノルド・スピネルから貴女の捜索願が出されていますよ!!!………っ詰め所にご同行願えますか?その方が……行き違いがない。こちらからその様に連絡を入れておく。……良いだろうか?」

(あーなるほど。あれは通信の魔法の道具かな?……………やっぱりアーノルドさんにまた迷惑かけちゃった……。お仕事の邪魔してばっかだなぁ)

「……はい。じゃあそれで。…………で、お返事は?」

そう尋ねるとグレンは眉間に皺を寄せた。

(………………嫌なら良いのに、返事早くしてくれないかなぁ)

ハルミがはあとため息を吐くとグレンはビクリとする。

「っ………すみません。その、………勿論お引き受けしますよ!!!………ですが本当に大丈夫だろうか?あれだけ酷い事をした相手と貴女は………その………嫌ではない…のか?それに俺は貴女を穴だなんて……そんな風には………思えない…」

グレンはブツブツそう言う。

(………………私から頼んでるのに。まあでも……責めても仕方ないか…………歩み寄り歩み寄り……)

「……大丈夫ですよ、でも今度はもう少し優しくしてくださいね」

作った笑顔でニコリとそう告げるとグレンは真っ赤な顔ではいと答えた。




▷▷▷▷▷▷




詰め所に行く前にグレンとは口裏を合わせる。死にかけていたハルミを見つけて精液を与えてくれた。介抱していて連絡が遅くなった。そう言う事にして今後もたまに精液摂取に協力すると言う流れだ。

(……………実際、体は本当におかしくなったし。………これはちゃんとアーノルドさんに伝えないとな…………っ………、精液貰ったら……治ったけど………でも昨日飲んだのに………こわい………)

胸の中に言いようの無い不安が広がる。

「あの………ハルミ殿、………ローブを洗浄魔法で綺麗にしておきましたよ。さあ、どうぞ」

おずおずと差し出してくるグレンからローブを受け取りハルミ達は建物の裏路地からようやく出る。

ガヤガヤと言う人の音にホっとして体から力が抜ける。そんなハルミの様子を伺ってからグレンがそっと手を握って来た。ハルミもそっと握り返した。




▷▷▷▷▷▷





「ハルミっ!!!無事で良かった!!!!」

アーノルドは部屋に入るなりハルミを思いっきり抱きしめた。かなり心配をかけたようでアーノルドは汗をかいている。急いで来てくれたようだ。

「アーノルドさん、すみません…………私」

ハルミからも腕を回してぎゅうっと抱きつく。


「ハルミっ……良かった…、ハルミ…………」

まるで大切な宝物に触れるようにアーノルドは抱きしめたまま優しく頭を撫でてくれる。それになんだかハルミは無性に泣きたくなった。





「アーノルド・スピネル殿、今まで数々の無礼。お許しください。…………心より反省しています。俺は貴方に醜い嫉妬心から数々の心無い発言や嫌がらせをしてしまった……、どうか気が済むまで殴ってくれ………」

そう言ってグレンは土下座する。アーノルドは困惑した様子だ。

「はあ?なんだ?どう言う風の吹き回しだぁ?………………別にどうとも思っていない。気色悪いから土下座はやめて欲しいなぁ」

アーノルドは気持ち悪い物を見る目でグレンを見下してそれから助けを求めるようにハルミを見た。ハルミはクスリと笑った。

(………………アーノルドさん、めちゃくちゃ困惑してるなぁ。…………でも少しスッとしたかも)

グレンはこうして本当にちゃんと謝ってくれた。それにアーノルドはハルミが思っていたよりも気にしては居なかったようだ。

(アーノルドさん、優しい人…………。それとも言われ慣れてて怒る気も無くなったのかなぁ………。そんなのやだなぁ。…………貴方が怒らないなら私が代わりに怒りますからね!!)

アーノルドを見つめて内心で思う。目が合うとアーノルドは優しく微笑んでくれて何故か胸が苦しくなる。

(………?)



▷▷▷▷▷▷




「駄目だ、…………精液摂取は奴隷で事足りる。この男に頼む必要は無いなぁ」

アーノルドは眉間に皺を寄せてそう言う、めちゃくちゃ不機嫌だ。グレンは俯いて床に正座していた。

「でも、アーノルドさん、私………ここ最近おかしいんです」

(…………何で反対するの?折角精液くれるって言ってくれてるのに?)

グレンと精液摂取したと告げてこれからもたまに頼む事にしたと話すと何故かアーノルドはイライラとした様子で駄目だと言う。

「おかしい?それはどうおかしいんだぁ?」

「今まで精液摂取は2~3日置きでも大丈夫だったのにここの所すぐに精液が欲しくなって……凄くムラムラするんです。今日なんかは怖いくらい急に発情して…………それで死んじゃうかと思って……………たまたまグレンさんが来てくれて精液をくれたんで収まりましたけど、私……………怖い……です」

そう告げるとアーノルドは眉を寄せた。

「なに?それはいつ頃からだ?………なぜ黙ってた?」

ハルミの頬や肩を触りアーノルドは心配そうに様子を伺っている。

(………アーノルドさん)

「………ちょっと前です。黙ってたって言うか気のせいかと思ってて………」

不安げにそう言うハルミをじっと眺めてアーノルドはため息を吐いた。

「なるほどなぁ。……………間隔が短くなっている?それか飲む量か?……精液にも合う合わないがあるのか?」

アーノルドはブツブツと呟いて考えに没頭しているようだ。暫くそうしてからチラリとグレンを見てまた大きくため息を吐いた。

「わかった。……………君が死んでしまっては元も子もないからなぁ………………。どうしても相手が居ない時はグレン殿、貴方にもお相手をお願いするぞぉ。…………帰ったら少しこの件は調べないとならんなぁ」 

アーノルドは眉間を押さえている。

(アーノルドさん、また………困らせちゃったなぁ……)

ただでさえ忙しいのにアーノルドはこれからハルミの体の事も調べてくれる気だろう。

じっと視線を送るとアーノルドは気づいて優しい瞳をハルミに向けて心配するなと言うように首を振ってくれる。それにも何故かハルミは涙が出そうになった。









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