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第3章. 衆議院総選挙
036. 衆院選投開票日の朝
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栗花と四穂がトイレに入って、それぞれ自分で生殖器をくまなく調べてみたが、結局のところ2人とも、本当に陰核が消沈しているのだった。
衝撃を受けた彼女たちの意気も消沈したまま丸々2日がすぎてしまう。
特に栗花の落ち込みが半端ない。陰核自慰歴15年の陰核オナラーである栗花にしてみれば、いきなりの〈陰核ロス〉による悲しみは莫大なもので、たとえるなら、もしカリフォルニア県がロサンゼルスを丸ごとロスした場合に受けることであろう深い悲しみに匹敵するほどなのだ。
それくらいに途方もない栗花の悲愴は、露となって消えることなく、また1夜が明ける。
なんやかんやで、ついに衆院選投開票日を迎えたわけだが、栗花は落ち込んだまま自分の部屋にこもっている。
そんな義理の姉に発破でもかけてやろうと吾郎が思い立ち、3階へ上がって栗花の部屋の前でドアを2回ずつ2度ゴンゴン、ゴンゴンと合計で4回叩いてから、ドア越しに話す。
「なあ栗花姉さん、あれからずっと沈みっぱなしでいるみたいだけど、今日は衆院選の投票日だぞ。行くのだろ。それとも陰核がないと投票もできないのか?」
少し沈黙が続いたが、吾郎の腕時計の分表示が変わらないうちに、部屋の中から栗花の応酬が始まる。
『行くわよ、投票してやるわよ! 絶対の絶対に、主権党を全員当選させてやるんだから! 絶対にねっ!』
「絶対絶対って、さすがにそれは無理だろ。どうがんばっても、まあ絶対安定多数がいいところじゃないかと思うよ、少なくともオレはな」
『あんたがどう思おうと、そうは八百屋が大根をおろさないわ! 誰になんと云われようと、アタシが投票しに行くからには当選してもらわないといやよ!』
「そうか。まあ有権者たち皆の衆が、みんなそんな意気込みを持って投票所へ臨みさえすれば、このジャパンの政治だって大きく変わるんだろうけどな」
『そうよ。アタシが変えてやるわ。そしてワリメに復讐してやるのよ! 絶対の絶対に、ケチョンケチョンのグチョングチョンにしてやるんだからねっ!』
今の栗花はワリメが存在しないと主張する政党を支持しているくせに、ワリメの存在を認めてしまっている。いやしない者にどうやって復讐などできるのか。
吾郎は、そう云う矛盾が含まれていることをあえて指摘しない。おしなべて栗花の話すことは、いつもそんなものなのだ。
そうこうしていると、隣りの部屋から四穂が出てきた。
「おはようございます吾郎さん」
「おう、おっは! なあ四穂ちゃん、同じ屋根の下に暮らす、恋人以上夫婦以下であるところのオレたちなんだから、もうちょっと濃密な接し方をしてくれよ」
「いやです。絶対の絶対に、そんなことお断りします」
四穂が怖そうな顔をわざと作って吾郎を睨みつけていると、ドアが開いて、栗花も出てきた。
「そうよ、ふにゃチンポコリンのバカ吾郎なんかと濃密に接したら、お◎ん子が臭くなっちゃうわ」
「ふにゃマンポコリンに云われたくないよ。オマ●コがどんな匂いになろうと、オレは四穂ちゃんのオマ●コだけは絶対の絶対に許す」
「ダメよ、四穂のお◎ん子はアタシのお◎ん子と雌雄同体なんだからねっ!」
「意味が判らない! もしかして一心同体って云いたいのか?」
「そうよ、四穂のお◎ん子はアタシのお◎ん子と一心不乱なんだからねっ!」
「ますます意味不明だし、オマ●コ洗って出直せ」
「もう、2人とも朝っぱらから、そんな卑猥な単語ばかり連発しないでください」
四穂が頬を赤く染めて抗議するので、栗花は元気が出てきた。
「それじゃ夜になったら連発するわ。2人で窓から外に向かって叫びましょ」
「いやですぅ!」
「あのなあ姉さん、オマ●コなんて外へ叫んだら警察くるぞ」
「なにしにくるの? アタシの美声を聞くため?」
「いや絶対の絶対にそうじゃない! て云うか、オレうんこ」
義理の姉がいつもの調子を取り戻してきたから、吾郎はあきれつつも自分が買って出た役目を終える。それよりも今は最優先の脱糞を果たすため、1階にあるトイレへ行くことにする。
対する栗花は毒舌エンジンの回転数をさらにアップさせる。
「バカうんこ! 断りもなく、いちいちうんこって云わないでよねっ!」
この絵露井家には、おかしな発言ルールがあったものだと、吾郎は3倍あきれつつも、この歳になってさすがに〈うんこ漏らし〉したくないので潔くスルーを決めて立ち去るのだ。
衝撃を受けた彼女たちの意気も消沈したまま丸々2日がすぎてしまう。
特に栗花の落ち込みが半端ない。陰核自慰歴15年の陰核オナラーである栗花にしてみれば、いきなりの〈陰核ロス〉による悲しみは莫大なもので、たとえるなら、もしカリフォルニア県がロサンゼルスを丸ごとロスした場合に受けることであろう深い悲しみに匹敵するほどなのだ。
それくらいに途方もない栗花の悲愴は、露となって消えることなく、また1夜が明ける。
なんやかんやで、ついに衆院選投開票日を迎えたわけだが、栗花は落ち込んだまま自分の部屋にこもっている。
そんな義理の姉に発破でもかけてやろうと吾郎が思い立ち、3階へ上がって栗花の部屋の前でドアを2回ずつ2度ゴンゴン、ゴンゴンと合計で4回叩いてから、ドア越しに話す。
「なあ栗花姉さん、あれからずっと沈みっぱなしでいるみたいだけど、今日は衆院選の投票日だぞ。行くのだろ。それとも陰核がないと投票もできないのか?」
少し沈黙が続いたが、吾郎の腕時計の分表示が変わらないうちに、部屋の中から栗花の応酬が始まる。
『行くわよ、投票してやるわよ! 絶対の絶対に、主権党を全員当選させてやるんだから! 絶対にねっ!』
「絶対絶対って、さすがにそれは無理だろ。どうがんばっても、まあ絶対安定多数がいいところじゃないかと思うよ、少なくともオレはな」
『あんたがどう思おうと、そうは八百屋が大根をおろさないわ! 誰になんと云われようと、アタシが投票しに行くからには当選してもらわないといやよ!』
「そうか。まあ有権者たち皆の衆が、みんなそんな意気込みを持って投票所へ臨みさえすれば、このジャパンの政治だって大きく変わるんだろうけどな」
『そうよ。アタシが変えてやるわ。そしてワリメに復讐してやるのよ! 絶対の絶対に、ケチョンケチョンのグチョングチョンにしてやるんだからねっ!』
今の栗花はワリメが存在しないと主張する政党を支持しているくせに、ワリメの存在を認めてしまっている。いやしない者にどうやって復讐などできるのか。
吾郎は、そう云う矛盾が含まれていることをあえて指摘しない。おしなべて栗花の話すことは、いつもそんなものなのだ。
そうこうしていると、隣りの部屋から四穂が出てきた。
「おはようございます吾郎さん」
「おう、おっは! なあ四穂ちゃん、同じ屋根の下に暮らす、恋人以上夫婦以下であるところのオレたちなんだから、もうちょっと濃密な接し方をしてくれよ」
「いやです。絶対の絶対に、そんなことお断りします」
四穂が怖そうな顔をわざと作って吾郎を睨みつけていると、ドアが開いて、栗花も出てきた。
「そうよ、ふにゃチンポコリンのバカ吾郎なんかと濃密に接したら、お◎ん子が臭くなっちゃうわ」
「ふにゃマンポコリンに云われたくないよ。オマ●コがどんな匂いになろうと、オレは四穂ちゃんのオマ●コだけは絶対の絶対に許す」
「ダメよ、四穂のお◎ん子はアタシのお◎ん子と雌雄同体なんだからねっ!」
「意味が判らない! もしかして一心同体って云いたいのか?」
「そうよ、四穂のお◎ん子はアタシのお◎ん子と一心不乱なんだからねっ!」
「ますます意味不明だし、オマ●コ洗って出直せ」
「もう、2人とも朝っぱらから、そんな卑猥な単語ばかり連発しないでください」
四穂が頬を赤く染めて抗議するので、栗花は元気が出てきた。
「それじゃ夜になったら連発するわ。2人で窓から外に向かって叫びましょ」
「いやですぅ!」
「あのなあ姉さん、オマ●コなんて外へ叫んだら警察くるぞ」
「なにしにくるの? アタシの美声を聞くため?」
「いや絶対の絶対にそうじゃない! て云うか、オレうんこ」
義理の姉がいつもの調子を取り戻してきたから、吾郎はあきれつつも自分が買って出た役目を終える。それよりも今は最優先の脱糞を果たすため、1階にあるトイレへ行くことにする。
対する栗花は毒舌エンジンの回転数をさらにアップさせる。
「バカうんこ! 断りもなく、いちいちうんこって云わないでよねっ!」
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