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プロローグ ー再会ー
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「龍、早くしないと学校遅れるわよ~。」
「分かってるよ。行ってきまーす。」
俺の名前は桐野 龍。 愛野宮高校に通う17歳。これといった目立つような特徴はない。部活は所属してないし、学校での成績は良くもなければ悪くもない。自慢できるような事もない。自分で言うのもなんだけど、普通で平凡な高校生だ。
で、そんな普通で平凡な俺は、いつものように 今 徒歩で学校へ向かっている。
「おーい、龍!」
「桐野くーん」
「龍!」
歩く足を止めた俺は後ろを振り向いた。
「おう、おはよう。」
俺に声をかけた この3人は青葉恭也と星野由依と森川悟。
スラットした細い体に、イケメン顔の恭也。坊主頭に眼鏡をかけた悟。
ショートヘアーの栗色の髪に、おっとりとした優しげな女の子は星野由衣さん。
3人は俺の友達だ。
そして、4人で一緒に学校へ向かった。
学校へ向かいながら、恭也と悟で喋っていると、星野さんがスマホを操作していた。
「星野さん。スマホで何を見てるの?」
「占いを見てるの。」
俺の問いに、星野さんがスマホの画面を俺に見せた。
「今日の運勢を見てたの。今日のアタシは、落とし物に注意って。」
「へえ~。」
「桐野君の事も占ってあげる」
「えっ、俺は いい・・・・」
「あ!桐野君、今日は運命の人に出会える日だって」
もう俺の事を占ったのか・・・・・。
「運命の人かあ・・・・。」
「よかったじゃないか、龍」
「良かったな」
俺の占い結果に、恭也と悟が俺の肩に腕を回して言い寄ってきた。
喜ぶべきなのかそうでないのか・・・・・。
学校に到着し、俺たち4人は自分のクラスの教室へ入った。
チャイムが鳴ると、セミロングの黒髪で温厚な雰囲気の女性が入って来た。
俺たちのクラスの担任の先生である。
「みんなおはようございます。今日は、みんなに お話があります。今日から、このクラスに転校生がやってきます!」
転校生という言葉が出たとたん、教室内がザワザワしはじめた。
「誰誰??」
「どんな奴が来るんだ?」
「可愛い子だったらいいなあ~・・・」
周りはそんな台詞が教室内で飛び交っていた・・・・・
「どんな人が来るのかなあ。」
俺の右側の席の星野さんが笑顔で楽しみにしていた。
「龍、もし可愛い子だったらどうする?」
俺の目の前の席にいる恭也が顔を俺の方に向けてニヤニヤした顔で話してきたが、どうすると言われてもなあ・・・・。
「どうするって・・・・まあ、可愛い子だったらいいなあとは思うけど・・・・。」
「それだけか?」
「それ以外に何があるのさ?」
「お前って、女子に興味ないのか?」
「そんなこと言ってないだろう。」
「健全な男子高校生が、女子に興味がないなんておかしいぞ?」
「なんで女子に興味がない事 前提なのさ。」
教室内のざわめきの中で俺たちが喋っていると・・・
「はいはい、皆さん静かに!」
先生が両手でパンパンと叩いて教室内のざわめきを沈めた。
「今日から一緒に勉強をする仲間なんで、みんな仲良くしてあげてね。では、転校生を紹介します。どうぞ入ってきて下さい。」
先生の言葉に教室のドアが開き、転校生が入ってきた。腰まで伸びた栗色のロングヘアーをなびかせ、スラッとした体形の お淑やかな雰囲気の少女だった。
だが、その少女を見た瞬間・・・・。
(あれ?!あの子・・・・。)
俺は 胸がざわついた。
教室内は、彼女の登場により騒然となった。
「うおおおおお~!!!かわえええええええ!!!!」
「なんて、美しいんだ!!」
「女神だ!女神が俺たちの教室にきたーーーーーーーーーー!!!!!」
男子からの雄叫びが、もの凄かった。
「ひゃあ~、すっげえ美女だ!」
「凄く綺麗な人。モデルさんみたい」
「あんな女子がこの世にいたなんて神からのプレゼントに違いない!」
「それはオーバーだよ、青葉くん。」
星野さんと恭也も彼女の登場に大喜びだった。
「でもすげえ綺麗じゃん。な?龍。」
「・・・・・・・」
「ん?龍?」
「どうしたの?桐野君」
「・・・・・・・・」
「龍!!」
「え?!あっ、なっ何?」
「どうしたんだよ黙り込んで。」
「具合でも悪いの?」
「あ、いやっ何でもない。」
俺の思い違いかもしれないと、そう思っていた。
あの転校生、実は俺が小学生の時、同じクラスで一緒に遊んでた女の子に似ていたのだ。
その女の子の名前は、確か日高友里だった。その当時は、俺とその女の子は仲良しで、いつも学校から一緒に帰ったり、公園で遊んだりしていた。周りの男子からは からかわれたりしたけど、でも その子と一緒にいる毎日の時間が楽しかった。でも、ある日その子は転校してしまった。せっかく仲良くなったのに、毎日遊んでた楽しい時間が嘘のように無くなり、寂しさが増していった。
それから月日が流れて現在に至っているわけだが、数年ぶりの再会なんてことがあったらなあ・・・・・。 まさかな。実は あの転校生が小学生の時に知り合った仲良しだった少女だったなんて、そんなドラマみたいな展開があるわけないよな。
きっと別人だし、夢みたいな事 考えるのは止めよう。
「はいはいはい。みんな静かにね。」
先生が両手をパンパン叩くと教室内が静まり返った。
「では、自己紹介をしてください」
「初めまして。今日からこのクラスで勉強することになりました、日高友里です。よろしくお願いします。」
(え?ひっ、日高?!)
俺は、転校生の名前を聞いた瞬間、数年ぶりの再会をした瞬間を実感し驚いた。
(夢じゃないよな・・・・・。まさか、ここで再会するとは。)
まさか、こんなドラマみたいな展開が本当に起こるとは思わなかった。心の中で動揺を隠しきれないでいた。
「日高さんの席は・・・・、あの一番 後ろの席に座ってね。」
「はい」
「桐野君、あなたの後ろの席に日高さんが座るからね。」
「え?桐野?」
桐野という言葉を聞いた瞬間、彼女は俺の方を見た。すると彼女の表情が少し驚いていた。
彼女に見られた俺は、どう反応していいか分からず、心の動揺を抑えることに必死だった。
「どうかしたの?」
「え?あ、いえ。なんでもありません。」
彼女が自分の席に着く為に俺のいる方へ近づいてきた。
彼女は、動く足を止めずに進みながら俺の顔を見てウインクをし、そして俺の真後ろの席に座った。
俺は、まだ信じられずにいた数年ぶりに再会した上に、俺の真後ろに座っていることが夢だとばかり思っていた。
あれ?ちょっと待てよ。占いで言っていた運命の人って・・・・、まさか この事か?! てことは、占い当たってるじゃん!!
そして、心の整理がつかないまま授業が始まった。
キーンコーンカーンコーン♪
授業が終わってチャイムが鳴り、休憩時間に入った。その直後、教室内にいる男子の視線が一気に日高友里に向けられた。そして、俺 以外の男子が一気に日高友里の元へ向かって走っていき、彼女の座っていた席の周りは、あっという間に男子達で囲まれていた。
「日高さん!俺おすすめの映画知ってるよ。」
「日高さんって、どんな事が趣味なの?」
「勉強でわからない事があったら俺が教えてあげるよ!」
「あ、ずるいぞ!日高さんを一人占めにする気か!!」
彼女を囲んでいる男子達はワイワイと賑やかになっていった。
「すごい人気だね。日高さん。」
「うん。そうだね。」
俺の席の右の席に座っている星野さんの問いに、俺は何気なく答えた。
「あたしも日高さんと話したいと思ったけど、あんなに男の子達がいたんじゃ日高さんに近づけないよ。桐野君は、日高さんに話しかけないの?」
「ああ・・・・。俺はいいよ。」
本当は、すごく話しかけたいのだが、今あの戯れた男子達の中で日高友里に顔を合わせて話しかけることなんてできるはずもない。囲まれた男子達の中で俺と友里が顔を合わせて、実は仲良しだったなんて事を喋ってしまったら、男子達にフルボッコにされかねないからな・・・・・。
今の状況で、友里と顔を合わせると後々、男子達にうるさく攻められるかもしれないし、今は我慢して改めるとした。そう思い俺は席を立って、教室の出口へ向かった。
「桐野君どこに行くの?」
「ちょっと屋上へ行ってくるよ。」
教室を出て階段を昇り屋上の扉を開けて、屋上の外へ出た。
屋上の外は、気持ちの良い風が吹いていて、その風を浴びながら ひと呼吸おいた。そして目の前にある金網の壁の所に向かい、それを背にして もたれた。
「偶然じゃないんだよな?友里本人なんだよな?もう会うこともないと思っていたけど、こういう再会ってあるんだ。」
人の縁って不思議だなあっと思いながら俺は空を見上げた。
すると、屋上の扉が開いた。
ドアから出てきたのは、栗色の髪のロングヘアーの日高友里だった。
突然目の前に現れた為、俺は ちょっとテンパってしまった。
「あ・・あ・あ・・・・、え~っと・・・・」
「久しぶりだね。龍ちゃん。」
友里は、笑顔で俺の名前を言った。
「え?お、覚えてくれてたのか?」
「もちろんじゃない。だって・・・、だって龍ちゃんは・・・・。」
友里の顔は少し赤くなりだし、両手で、自分の顔の量頬を覆うように抑えていた。俺がどうしたんだ・・・・?
でも、友里が覚えててくれたことが嬉しくて安心し、テンパってた気持ちがスーッと消えていった。
「それより、なんで俺が屋上にいる事が分かったんだ?」
俺の質問に友里は、自分の量頬にあてていた手を放して答えた。
「実は龍ちゃんが教室から出ていくのが見えて、早く龍ちゃんと話がしたくて、龍ちゃんの後をつけてたらここへ辿り着いたの。」
「つけてたのか。でも見えたって、あんなに沢山の男子達に囲まれてたのに?」
「あの人達の隙間から少し見えたから。一言断って、席を立って龍ちゃんを追いかけたの。」
「そうだったのか。」
「うん。だって龍ちゃんと再会できたのが凄く嬉しくて、気持ちが抑えられなかったから・・・・・・。」
それは俺も同じ気持ちだった。
友里はそう言って両腕を下に降ろして両手を組んで、顔を赤くしたまま うつむいた。一体どうしたんだ?
「なあ、さっきからどうして顔を赤くしてるんだ?」
「え?!いや・・・あの、それは・・・・・その・・・・・!!」
え?どうしたんだ?何かまずい事を言ったかなあ俺。
友里は顔を更に真っ赤にし、両腕を下に降ろして両手を組んだ状態で体をクネクネさせていた。
えーっと・・・・・、俺は どう対応したらいいんだ???
彼女の反応に、戸惑った。
「あ、あ、アタシ先に教室に戻ってるねっ!!」
そう言うと、友里は俺の元から慌てて逃げて走って行った。その光景を見て俺は、ちょっと「あぜーん」としていた。
そして、俺と友里との出会いから毎日が始まったのだ。
「分かってるよ。行ってきまーす。」
俺の名前は桐野 龍。 愛野宮高校に通う17歳。これといった目立つような特徴はない。部活は所属してないし、学校での成績は良くもなければ悪くもない。自慢できるような事もない。自分で言うのもなんだけど、普通で平凡な高校生だ。
で、そんな普通で平凡な俺は、いつものように 今 徒歩で学校へ向かっている。
「おーい、龍!」
「桐野くーん」
「龍!」
歩く足を止めた俺は後ろを振り向いた。
「おう、おはよう。」
俺に声をかけた この3人は青葉恭也と星野由依と森川悟。
スラットした細い体に、イケメン顔の恭也。坊主頭に眼鏡をかけた悟。
ショートヘアーの栗色の髪に、おっとりとした優しげな女の子は星野由衣さん。
3人は俺の友達だ。
そして、4人で一緒に学校へ向かった。
学校へ向かいながら、恭也と悟で喋っていると、星野さんがスマホを操作していた。
「星野さん。スマホで何を見てるの?」
「占いを見てるの。」
俺の問いに、星野さんがスマホの画面を俺に見せた。
「今日の運勢を見てたの。今日のアタシは、落とし物に注意って。」
「へえ~。」
「桐野君の事も占ってあげる」
「えっ、俺は いい・・・・」
「あ!桐野君、今日は運命の人に出会える日だって」
もう俺の事を占ったのか・・・・・。
「運命の人かあ・・・・。」
「よかったじゃないか、龍」
「良かったな」
俺の占い結果に、恭也と悟が俺の肩に腕を回して言い寄ってきた。
喜ぶべきなのかそうでないのか・・・・・。
学校に到着し、俺たち4人は自分のクラスの教室へ入った。
チャイムが鳴ると、セミロングの黒髪で温厚な雰囲気の女性が入って来た。
俺たちのクラスの担任の先生である。
「みんなおはようございます。今日は、みんなに お話があります。今日から、このクラスに転校生がやってきます!」
転校生という言葉が出たとたん、教室内がザワザワしはじめた。
「誰誰??」
「どんな奴が来るんだ?」
「可愛い子だったらいいなあ~・・・」
周りはそんな台詞が教室内で飛び交っていた・・・・・
「どんな人が来るのかなあ。」
俺の右側の席の星野さんが笑顔で楽しみにしていた。
「龍、もし可愛い子だったらどうする?」
俺の目の前の席にいる恭也が顔を俺の方に向けてニヤニヤした顔で話してきたが、どうすると言われてもなあ・・・・。
「どうするって・・・・まあ、可愛い子だったらいいなあとは思うけど・・・・。」
「それだけか?」
「それ以外に何があるのさ?」
「お前って、女子に興味ないのか?」
「そんなこと言ってないだろう。」
「健全な男子高校生が、女子に興味がないなんておかしいぞ?」
「なんで女子に興味がない事 前提なのさ。」
教室内のざわめきの中で俺たちが喋っていると・・・
「はいはい、皆さん静かに!」
先生が両手でパンパンと叩いて教室内のざわめきを沈めた。
「今日から一緒に勉強をする仲間なんで、みんな仲良くしてあげてね。では、転校生を紹介します。どうぞ入ってきて下さい。」
先生の言葉に教室のドアが開き、転校生が入ってきた。腰まで伸びた栗色のロングヘアーをなびかせ、スラッとした体形の お淑やかな雰囲気の少女だった。
だが、その少女を見た瞬間・・・・。
(あれ?!あの子・・・・。)
俺は 胸がざわついた。
教室内は、彼女の登場により騒然となった。
「うおおおおお~!!!かわえええええええ!!!!」
「なんて、美しいんだ!!」
「女神だ!女神が俺たちの教室にきたーーーーーーーーーー!!!!!」
男子からの雄叫びが、もの凄かった。
「ひゃあ~、すっげえ美女だ!」
「凄く綺麗な人。モデルさんみたい」
「あんな女子がこの世にいたなんて神からのプレゼントに違いない!」
「それはオーバーだよ、青葉くん。」
星野さんと恭也も彼女の登場に大喜びだった。
「でもすげえ綺麗じゃん。な?龍。」
「・・・・・・・」
「ん?龍?」
「どうしたの?桐野君」
「・・・・・・・・」
「龍!!」
「え?!あっ、なっ何?」
「どうしたんだよ黙り込んで。」
「具合でも悪いの?」
「あ、いやっ何でもない。」
俺の思い違いかもしれないと、そう思っていた。
あの転校生、実は俺が小学生の時、同じクラスで一緒に遊んでた女の子に似ていたのだ。
その女の子の名前は、確か日高友里だった。その当時は、俺とその女の子は仲良しで、いつも学校から一緒に帰ったり、公園で遊んだりしていた。周りの男子からは からかわれたりしたけど、でも その子と一緒にいる毎日の時間が楽しかった。でも、ある日その子は転校してしまった。せっかく仲良くなったのに、毎日遊んでた楽しい時間が嘘のように無くなり、寂しさが増していった。
それから月日が流れて現在に至っているわけだが、数年ぶりの再会なんてことがあったらなあ・・・・・。 まさかな。実は あの転校生が小学生の時に知り合った仲良しだった少女だったなんて、そんなドラマみたいな展開があるわけないよな。
きっと別人だし、夢みたいな事 考えるのは止めよう。
「はいはいはい。みんな静かにね。」
先生が両手をパンパン叩くと教室内が静まり返った。
「では、自己紹介をしてください」
「初めまして。今日からこのクラスで勉強することになりました、日高友里です。よろしくお願いします。」
(え?ひっ、日高?!)
俺は、転校生の名前を聞いた瞬間、数年ぶりの再会をした瞬間を実感し驚いた。
(夢じゃないよな・・・・・。まさか、ここで再会するとは。)
まさか、こんなドラマみたいな展開が本当に起こるとは思わなかった。心の中で動揺を隠しきれないでいた。
「日高さんの席は・・・・、あの一番 後ろの席に座ってね。」
「はい」
「桐野君、あなたの後ろの席に日高さんが座るからね。」
「え?桐野?」
桐野という言葉を聞いた瞬間、彼女は俺の方を見た。すると彼女の表情が少し驚いていた。
彼女に見られた俺は、どう反応していいか分からず、心の動揺を抑えることに必死だった。
「どうかしたの?」
「え?あ、いえ。なんでもありません。」
彼女が自分の席に着く為に俺のいる方へ近づいてきた。
彼女は、動く足を止めずに進みながら俺の顔を見てウインクをし、そして俺の真後ろの席に座った。
俺は、まだ信じられずにいた数年ぶりに再会した上に、俺の真後ろに座っていることが夢だとばかり思っていた。
あれ?ちょっと待てよ。占いで言っていた運命の人って・・・・、まさか この事か?! てことは、占い当たってるじゃん!!
そして、心の整理がつかないまま授業が始まった。
キーンコーンカーンコーン♪
授業が終わってチャイムが鳴り、休憩時間に入った。その直後、教室内にいる男子の視線が一気に日高友里に向けられた。そして、俺 以外の男子が一気に日高友里の元へ向かって走っていき、彼女の座っていた席の周りは、あっという間に男子達で囲まれていた。
「日高さん!俺おすすめの映画知ってるよ。」
「日高さんって、どんな事が趣味なの?」
「勉強でわからない事があったら俺が教えてあげるよ!」
「あ、ずるいぞ!日高さんを一人占めにする気か!!」
彼女を囲んでいる男子達はワイワイと賑やかになっていった。
「すごい人気だね。日高さん。」
「うん。そうだね。」
俺の席の右の席に座っている星野さんの問いに、俺は何気なく答えた。
「あたしも日高さんと話したいと思ったけど、あんなに男の子達がいたんじゃ日高さんに近づけないよ。桐野君は、日高さんに話しかけないの?」
「ああ・・・・。俺はいいよ。」
本当は、すごく話しかけたいのだが、今あの戯れた男子達の中で日高友里に顔を合わせて話しかけることなんてできるはずもない。囲まれた男子達の中で俺と友里が顔を合わせて、実は仲良しだったなんて事を喋ってしまったら、男子達にフルボッコにされかねないからな・・・・・。
今の状況で、友里と顔を合わせると後々、男子達にうるさく攻められるかもしれないし、今は我慢して改めるとした。そう思い俺は席を立って、教室の出口へ向かった。
「桐野君どこに行くの?」
「ちょっと屋上へ行ってくるよ。」
教室を出て階段を昇り屋上の扉を開けて、屋上の外へ出た。
屋上の外は、気持ちの良い風が吹いていて、その風を浴びながら ひと呼吸おいた。そして目の前にある金網の壁の所に向かい、それを背にして もたれた。
「偶然じゃないんだよな?友里本人なんだよな?もう会うこともないと思っていたけど、こういう再会ってあるんだ。」
人の縁って不思議だなあっと思いながら俺は空を見上げた。
すると、屋上の扉が開いた。
ドアから出てきたのは、栗色の髪のロングヘアーの日高友里だった。
突然目の前に現れた為、俺は ちょっとテンパってしまった。
「あ・・あ・あ・・・・、え~っと・・・・」
「久しぶりだね。龍ちゃん。」
友里は、笑顔で俺の名前を言った。
「え?お、覚えてくれてたのか?」
「もちろんじゃない。だって・・・、だって龍ちゃんは・・・・。」
友里の顔は少し赤くなりだし、両手で、自分の顔の量頬を覆うように抑えていた。俺がどうしたんだ・・・・?
でも、友里が覚えててくれたことが嬉しくて安心し、テンパってた気持ちがスーッと消えていった。
「それより、なんで俺が屋上にいる事が分かったんだ?」
俺の質問に友里は、自分の量頬にあてていた手を放して答えた。
「実は龍ちゃんが教室から出ていくのが見えて、早く龍ちゃんと話がしたくて、龍ちゃんの後をつけてたらここへ辿り着いたの。」
「つけてたのか。でも見えたって、あんなに沢山の男子達に囲まれてたのに?」
「あの人達の隙間から少し見えたから。一言断って、席を立って龍ちゃんを追いかけたの。」
「そうだったのか。」
「うん。だって龍ちゃんと再会できたのが凄く嬉しくて、気持ちが抑えられなかったから・・・・・・。」
それは俺も同じ気持ちだった。
友里はそう言って両腕を下に降ろして両手を組んで、顔を赤くしたまま うつむいた。一体どうしたんだ?
「なあ、さっきからどうして顔を赤くしてるんだ?」
「え?!いや・・・あの、それは・・・・・その・・・・・!!」
え?どうしたんだ?何かまずい事を言ったかなあ俺。
友里は顔を更に真っ赤にし、両腕を下に降ろして両手を組んだ状態で体をクネクネさせていた。
えーっと・・・・・、俺は どう対応したらいいんだ???
彼女の反応に、戸惑った。
「あ、あ、アタシ先に教室に戻ってるねっ!!」
そう言うと、友里は俺の元から慌てて逃げて走って行った。その光景を見て俺は、ちょっと「あぜーん」としていた。
そして、俺と友里との出会いから毎日が始まったのだ。
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