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「もう、駄目じゃない!今の殿下は、ステラの護衛兼ペットなのよ?気持ちは分かるけれど、人の姿に戻っちゃ駄目。我慢しなさい。」
「巫女殿…。」
ヴェイル様は、うんざりしたような視線を姫様に向けた後、腕の中の私に視線を落とした。
ヴェイル様と目が合った瞬間、彼の輪郭がぼやけ、曖昧になっていく。そして、気付いた時には、美しい黒豹の姿に変わっていた。
すると、姿を変えたヴェイル様は、その柔靭な体をしならせ、不満そうに床に尻尾を打ち付け始める。
そんなヴェイル様へ姫様が不敵な笑みを浮かべた。
「ペットってことは、自分はステラのものだって、堂々と主張しているようなものなのよ?それって、究極の愛じゃないかしら?」
「だから魔力封じが、悪趣味な首輪なのか…。クソッ!」
「フフ。ステラ、殿下の首輪は、魔力封じが付いているから、時が来るまで絶対に外しちゃ駄目よ。もちろん、貴女のもね。」
姫様が指差したヴェイル様の首元には、黒い魔石が付いていた。
私も、それと同じ物を首に掛けている。これは、今朝、神官に渡された物だった。
魔石をじっと見つめる私に、姫様が今後の事を話してくれた。
私から採取した血を使って、姫様が私の気配を放つダミーを作った。これから、そのダミーを持った異能者達が、各地に散らばり、魔物の王を撹乱していく。いずれここにやって来る魔物の王の力を、前もって削っておくために。
その間、私達は魔力封じで極力気配を消し、身を隠すことになる。
「止めは、最も攻撃力の高い異能を持つ殿下にお願いするわ。でもその時、ステラの力が必要になるかもしれないの。」
「え?」
「異能者の番が、異能者の魂を癒せるのは、その身に浄化の力が備わっているからなの。ステラの体は、汚染されたあらゆる力を取り込み浄化出来るのよ。だから、ステラの側は、いつも澄んでいるでしょう。それに惹かれて、良き者は集まり、悪き者は忌避するの。その力と魔力欠如症の特性があれば、魔物の王の中にある魔を、完全に浄化出来るかもしれないわ。魔力欠如症の貴女なら、どんな魔力でも制限なく取り込めるから。」
「待て!そんな話は聞いてないぞ!ステラに戦えというのか!?」
ヴェイル様が急に立ち上がり、唸り声が混じった大声を上げる。
「もちろん、異能者達が魔物の王を倒してくれれば、ステラの力を借りることはないわ。これは最終手段ね。でも、覚えておいて欲しいの。」
魔力がない私に、そんな力があるの?
でも、もし、私にも力があるのなら、みんなと一緒に戦いたい。
「はい、姫様。」
私は、姫様にしっかりと頷いて返した。
すると、ヴェイル様が咎めるように私の膝に前足を置いた。
「どんな事があっても、俺はステラの命を最優先する。それだけは、絶対に譲れない。」
ヴェイル様は、不機嫌そうな声色で、そう告げると、私の首に口を寄せてペロリと舐めた。そして、いきなり私の頸に噛み付いてきた。
「痛っ!」
血は出ていないものの、凄く痛い。
私は涙目でヴェイル様を見つめると、彼は荒い鼻息を出して、ツンとそっぽを向いてしまった。
な、なぜ?
どうして私は噛まれたの?
それでも、ヴェイル様の尻尾は、私の腕に巻き付いたままだった。
「巫女殿…。」
ヴェイル様は、うんざりしたような視線を姫様に向けた後、腕の中の私に視線を落とした。
ヴェイル様と目が合った瞬間、彼の輪郭がぼやけ、曖昧になっていく。そして、気付いた時には、美しい黒豹の姿に変わっていた。
すると、姿を変えたヴェイル様は、その柔靭な体をしならせ、不満そうに床に尻尾を打ち付け始める。
そんなヴェイル様へ姫様が不敵な笑みを浮かべた。
「ペットってことは、自分はステラのものだって、堂々と主張しているようなものなのよ?それって、究極の愛じゃないかしら?」
「だから魔力封じが、悪趣味な首輪なのか…。クソッ!」
「フフ。ステラ、殿下の首輪は、魔力封じが付いているから、時が来るまで絶対に外しちゃ駄目よ。もちろん、貴女のもね。」
姫様が指差したヴェイル様の首元には、黒い魔石が付いていた。
私も、それと同じ物を首に掛けている。これは、今朝、神官に渡された物だった。
魔石をじっと見つめる私に、姫様が今後の事を話してくれた。
私から採取した血を使って、姫様が私の気配を放つダミーを作った。これから、そのダミーを持った異能者達が、各地に散らばり、魔物の王を撹乱していく。いずれここにやって来る魔物の王の力を、前もって削っておくために。
その間、私達は魔力封じで極力気配を消し、身を隠すことになる。
「止めは、最も攻撃力の高い異能を持つ殿下にお願いするわ。でもその時、ステラの力が必要になるかもしれないの。」
「え?」
「異能者の番が、異能者の魂を癒せるのは、その身に浄化の力が備わっているからなの。ステラの体は、汚染されたあらゆる力を取り込み浄化出来るのよ。だから、ステラの側は、いつも澄んでいるでしょう。それに惹かれて、良き者は集まり、悪き者は忌避するの。その力と魔力欠如症の特性があれば、魔物の王の中にある魔を、完全に浄化出来るかもしれないわ。魔力欠如症の貴女なら、どんな魔力でも制限なく取り込めるから。」
「待て!そんな話は聞いてないぞ!ステラに戦えというのか!?」
ヴェイル様が急に立ち上がり、唸り声が混じった大声を上げる。
「もちろん、異能者達が魔物の王を倒してくれれば、ステラの力を借りることはないわ。これは最終手段ね。でも、覚えておいて欲しいの。」
魔力がない私に、そんな力があるの?
でも、もし、私にも力があるのなら、みんなと一緒に戦いたい。
「はい、姫様。」
私は、姫様にしっかりと頷いて返した。
すると、ヴェイル様が咎めるように私の膝に前足を置いた。
「どんな事があっても、俺はステラの命を最優先する。それだけは、絶対に譲れない。」
ヴェイル様は、不機嫌そうな声色で、そう告げると、私の首に口を寄せてペロリと舐めた。そして、いきなり私の頸に噛み付いてきた。
「痛っ!」
血は出ていないものの、凄く痛い。
私は涙目でヴェイル様を見つめると、彼は荒い鼻息を出して、ツンとそっぽを向いてしまった。
な、なぜ?
どうして私は噛まれたの?
それでも、ヴェイル様の尻尾は、私の腕に巻き付いたままだった。
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