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*ヴェイル視点 37
ステラが触れた所から、エルフの魔力が吸い上げられていく。エルフは、苦悶の表情を浮かべ、地面に倒れ落ちた。
「やめなさい、ステラ!彼が死んでしまうわ!」
巫女が必死に叫んでも、ステラの手はエルフから離れようとしない。すると、その手に突然、木の根が巻き付いた。
「やめるんだ、ヴェイルの番。私の声が聞こえるのなら、魔に抵抗しなさい。このまま、闇に呑まれてはいけない。」
リアーナ殿の声は、不思議と精神を落ち着かせる効果があった。それが効いたのだろうか、ステラの体が、動きを止めた。
「ステラ!聞こえているのか、ステラ!」
ヴェ、イ、ル…。
ステラの唇が、確かに俺の名を形作った。
俺は、そんなステラに迷う事なく手を伸ばす。しかし、俺の手が、ステラの体に触れる瞬間、既の所で、影によって阻まれた。
俺は影を掻き分け、その隙間から何とか中の状況を確認する。闇の先、影の壁の内側で、ステラが胸を押さえて苦しんでいた。
「ステラ!」
俺は、ただ我武者羅に、ステラを囲う影の壁へ剣を突き立てた。けれど、青炎を使ってヒビを入れたものの、その先に剣が入らない。
そんな俺に、フェーイレーン殿を始めとした異能者が協力を買って出てくれた。
「ここは、我々が開く!」
「ヴェイル殿、先程はすまなかった。必ず、貴方の番を取り戻してくれ。」
「亜種の魔物は、俺達が引き受ける!先に行け!」
「皆、すまない!感謝する!」
異能者達が切り開いてくれた壁を抜けると、真っ暗な闇が広がっていた。
悪意がひしめく中で、まともに空気が肺に入ってこない。それでも、俺はステラを探して前に進んだ。
「ヴェイル…、さ、ま。」
弱々しいステラの声が聞こえ、振り返ると、真っ赤な髪を影まで伸ばした10歳ほどの少女が、深緑の大きな瞳に涙を溜めて佇んでいた。
「どうして、迎えに来てくれなかったの?フローラが醜いから、番にしたくなかったの?」
「っち…、違う、違うんだ。」
「じゃあ、やっぱりフローラが魔力無しの出来損ないだから?」
「違う!ステラ、すまない…、どうか、俺を許してくれ。」
幼いステラの悲痛な言葉が、俺に激しい動揺を与える。俺は、ステラの前に両膝を突いて、その幼い体を抱きしめた。
「ステラ、聞いてくれ。貴女は、俺にとって何よりも大切で、誰よりも可愛く、愛おしい存在だ。もちろん、出来損ないなんかじゃない。だから、もう俺と一緒に帰ろう。」
「帰る?お父さんとお母さんには、もう要らないって言われたのに?どこに帰るの?」
「これからは、ずっと俺が側にいる。不幸になんてしない。誰よりも幸せにする。だから、光の下へ戻ろう、ステラ。」
抱きしめていた体を離して、ステラの小さな手を握る。すると、ステラがにっこり笑った。可愛い笑顔のはずなのに、俺の背筋に悪寒が走る。
「駄目だよ。フローラは、今から世界を壊すんだもん。大っ嫌いな世界を、友達のミシャが消してくれるって約束したの。だから、フローラは、痛いのも、怖いのも、我慢したんだもん。」
「ステラ、駄目だ!」
俺の手をすり抜け、ステラが闇の中へ駆けていく。それを俺は必死で追いかけた。
「やめなさい、ステラ!彼が死んでしまうわ!」
巫女が必死に叫んでも、ステラの手はエルフから離れようとしない。すると、その手に突然、木の根が巻き付いた。
「やめるんだ、ヴェイルの番。私の声が聞こえるのなら、魔に抵抗しなさい。このまま、闇に呑まれてはいけない。」
リアーナ殿の声は、不思議と精神を落ち着かせる効果があった。それが効いたのだろうか、ステラの体が、動きを止めた。
「ステラ!聞こえているのか、ステラ!」
ヴェ、イ、ル…。
ステラの唇が、確かに俺の名を形作った。
俺は、そんなステラに迷う事なく手を伸ばす。しかし、俺の手が、ステラの体に触れる瞬間、既の所で、影によって阻まれた。
俺は影を掻き分け、その隙間から何とか中の状況を確認する。闇の先、影の壁の内側で、ステラが胸を押さえて苦しんでいた。
「ステラ!」
俺は、ただ我武者羅に、ステラを囲う影の壁へ剣を突き立てた。けれど、青炎を使ってヒビを入れたものの、その先に剣が入らない。
そんな俺に、フェーイレーン殿を始めとした異能者が協力を買って出てくれた。
「ここは、我々が開く!」
「ヴェイル殿、先程はすまなかった。必ず、貴方の番を取り戻してくれ。」
「亜種の魔物は、俺達が引き受ける!先に行け!」
「皆、すまない!感謝する!」
異能者達が切り開いてくれた壁を抜けると、真っ暗な闇が広がっていた。
悪意がひしめく中で、まともに空気が肺に入ってこない。それでも、俺はステラを探して前に進んだ。
「ヴェイル…、さ、ま。」
弱々しいステラの声が聞こえ、振り返ると、真っ赤な髪を影まで伸ばした10歳ほどの少女が、深緑の大きな瞳に涙を溜めて佇んでいた。
「どうして、迎えに来てくれなかったの?フローラが醜いから、番にしたくなかったの?」
「っち…、違う、違うんだ。」
「じゃあ、やっぱりフローラが魔力無しの出来損ないだから?」
「違う!ステラ、すまない…、どうか、俺を許してくれ。」
幼いステラの悲痛な言葉が、俺に激しい動揺を与える。俺は、ステラの前に両膝を突いて、その幼い体を抱きしめた。
「ステラ、聞いてくれ。貴女は、俺にとって何よりも大切で、誰よりも可愛く、愛おしい存在だ。もちろん、出来損ないなんかじゃない。だから、もう俺と一緒に帰ろう。」
「帰る?お父さんとお母さんには、もう要らないって言われたのに?どこに帰るの?」
「これからは、ずっと俺が側にいる。不幸になんてしない。誰よりも幸せにする。だから、光の下へ戻ろう、ステラ。」
抱きしめていた体を離して、ステラの小さな手を握る。すると、ステラがにっこり笑った。可愛い笑顔のはずなのに、俺の背筋に悪寒が走る。
「駄目だよ。フローラは、今から世界を壊すんだもん。大っ嫌いな世界を、友達のミシャが消してくれるって約束したの。だから、フローラは、痛いのも、怖いのも、我慢したんだもん。」
「ステラ、駄目だ!」
俺の手をすり抜け、ステラが闇の中へ駆けていく。それを俺は必死で追いかけた。
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