召喚魔法を授かりましたが、召喚獣は呼べないようです。

豪之伸

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11話 街にはたどり着けました

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 街までは何事もなくたどり着けそうだ。



 街道は街まで遮る物もなく、ほぼ一直線だった為、街は見えてるんだが……なんだろ……田舎の直線の道って近く見えてるんだけど……いがいと遠い……



 こうして街道を歩いていて思ったんだけど、街へ向かう人や荷馬車がけっこう多い。なかなか大きな街のようだ。

  すれ違う人の中には、馬に乗った鎧姿の兵士の様な人たちの姿も見受けられた。二人一組で巡回警備をしている様だ。だからこそあのゴブリン達が気になった。


あいつらゴブリン達街道を行き交う者には襲い掛かってないのか?街道の巡回パトロールにも見付かってないようだし……?』


 やな予感しかしないな……あの森から出ないことで、街の警備には引っ掛かっておらず、さらにもう相当数の上位種までいる……


 俺は街までの道を急いだ。



 街の門は開け放たれ、検問の様なものはなかった。門の両脇には門を守る衛兵とその詰め所はあったけど。
 俺はそのまま詰め所に向かい、詰め所にいる兵士に話しかけた。


「すみませんお話ししたいことがあります」

 兵士は怪訝そうにしながらも、「どうかしたか?」と話を聞いてくれた。


「話を聞いていただいてありがとうございます。実はこの街へ来る前に狩りをして小銭を稼ごうと思い、ここからも少し見えるあの森に入ったんですが……」


「あ~あの森か。あそこは街に近いところにあるが、けっこう獲物になる動物がいるからな。なにか獲物が捕れたかい?」


「いえ、獲物に会う前にゴブリンに襲われました」


「……ゴブリンかい?報告には上がったことが無いんたが……ちなみに何匹だった?」


「最初はゴブリン3匹でした。その次に……」


「ん!3匹?」


「はい3匹です。その次にホブゴブリンを含む3匹と遭遇して、その次はホブゴブリン3匹と遭遇して危険を感じて引き返しました。街に近かった為、兵士の方に報告した方がいいと思い来ました」


「……ホブゴブリンとも遭遇したと?すまないがこちらとしても何も報告が上がってない以上、すぐに信用する訳にはいかない」


「あっ、証拠もあります。ここは人目があるので、人目が遮れて少し広めの場所はないですか?証拠を出します」


 俺が話しかけた兵士は、仲間の兵士に目配せをして詰め所の奥に俺を招き入れた。



 詰め所の奥は簡易の拘置所なのか鉄格子の部屋が3つあり、その前に20畳程の空間に机と椅子が数脚置かれていた。ちなみにこの詰め所は城壁の中に在るんだが、この城壁、いったいどれだけの厚みがあるんだろう……そんな余計なことを考えていたら、ここに招き入れた兵士に話しかけられた。


「ここならどうだい?君の要望どうり人目は無いし、それなりに広いだろう?」


「はい。ここなら出せます」


 兵士達がさりげなく俺を取り囲んでいる。この話が嘘だった、もしくは何かバカなことをした場合、直ぐ様拘束出来るように陣取っているんだろう。
 俺はそのまま部屋の中央に今日狩ったゴブリン達を全部だした。


「なっ!どっからだした!?」


 うん、その反応が見たかった。隠しておこうと思っていたアイテムボックスを早々に見せてしまった。だが悔いはない。結構いい反応が見れたから。


「すみません。アイテムボックスもちなので~」


 いちおフォローも入れたし怒られはしまい
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