召喚魔法を授かりましたが、召喚獣は呼べないようです。

豪之伸

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13話 青の雲雀亭に行ってみました

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 ゴブリン関係を兵士の方々に丸投げした俺は、兵士のデリィースさんから教えて貰った『青の雲雀亭』へ向かっていた。
 とりあえず預り証がいつお金になるかわからないから、それまではこの街に居なければならない。だから宿を決めないとね。



 デリィースさんからはいちお場所を聞いたら、

『ここから冒険者ギルドに向かって行けば直ぐわかるから』

 って言われたんだけど……うん、あの大きな建物が冒険者ギルドだな。離れた所からでもわかるな。武装した老若男女が出たり入ったりしてる。老は言い過ぎか。オッサンに言い直しとこう。
 でも無いんだけどな……『青の雲雀亭』……………………ん!?あった。ギルドの真横。ギルドに隣接してた。……まぁギルドに向かうのなら見逃す事は無いな。
 でもあんないい立地で部屋空いてるかな……


 今はもう日も傾き、地面に長い影が延びている。回りも家路へと向かう人達が多いのか、慌ただしい感じだ。
 
『この時間だし泊まれるかな……』

 俺はダメ元で『青の雲雀亭』の扉を開ける


「いらっしゃーい、ごめんねーまだ準備中なのよーもうちょっと後で来てねー」


 威勢の良い声が響く。開店準備をしながら、この宿のおかみさんらしき人が俺の入店に応えてくれた。


「いえ、食事じゃなくて宿の方です。まだ部屋は空いてますか?」


 俺の言葉に改めて此方に向き直り、真面目な顔で、


「失礼だけど誰の紹介だい?ここに泊まった事はないよね?うちは一見さん御断りなんだけどね」


 普通の宿屋に見えたけどとても敷居が高かった!


「すみません、門に詰めておられたデリィースさんから泊まるならここが良いと教わったものですから無理なら他をさが……」


「なんだい、デリィからの紹介かい!なら問題ないよ!いらっしゃい一人部屋で良いよね?空いてるよ、ようこそ『青の雲雀亭』へ!」


「ありがとうございます。よろしくお願いします。ところで料金はいくらですか?」


「そうだね……食事を朝晩つけて銀貨4枚と言いたいとこだけど、デリィの紹介なら銀貨3枚でいいよ」


「銀貨1枚も引いてもらって、こちらとしても有りがたいんですけど、良いんですか?一見なんですが……」


「なぁに、デリィの紹介なら将来有望な冒険者なんだろ?なら少しでも手助け出来れば、その分早く一人前に成ろうってもんさ。そうすりゃ強い冒険者も増えてこの街も守ってもらえる、あっちもこっちも万々歳さ!アッハッハ」


 と、腰に手を当てて豪快に笑った。愛想笑いをしながら、金貨1枚渡して3泊したいことを告げ、お釣りで夜に部屋へ上がる時にお湯を貰いたい事を告げ、隣にある冒険者ギルドへ行くのだった。


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