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ティアナは鈍痛を覚えて目を覚ました。
見慣れない天井を、朧気な瞳でぼーっと眺める。
しばらく思考が停止していたが、だんだんと意識が覚醒してきた。
そして同時に言いようのない羞恥心に襲われる。
「わ、私・・・・・・」
昨夜の痴態を思い出してしまい、ティアナは顔を真っ赤にして布団に潜り込んだ。
思い出したくもない。はじめてなのにあんなに我を忘れて乱れてしまった。
「・・・・・・エイリス、様?」
ふと夫であるエイリスの姿が見えないことに、今更気づく。
窓の外は太陽の光がさんさんと降り注いでいる。もうエイリスは仕事に行ってしまったのだろうか。
どんな顔をして会えばいいのか分からないからほっとしたのと、一抹の寂しさも感じる。
最後の方はどうなったのか何も覚えていない。
まさかエイリスは呆れて出て行ってしまったのだろうか。
もともとこの結婚は王命によって与えられた義務だと割り切っていた人だ。
こんなにも淫らな姿をみせた妻に、失望したのかもしれない。
普通の人はあんな風にならなくて、ティアナはおかしかったのだろうか。
思い悩めば悩むほど、思考はどんどんと暗い方向に向かっていく。
ティアナは暖かい布団を思いっきり頭までかぶった。
何かに悩むと、昔からこうして隠れる癖がある。
どうしよう。どうしたらいいんだろう。
ぐるぐると頭の中で解決策を考えるが、疲労感のある身体では頭もまともに働かなかった。
「ティアナ。目が覚めたか?」
ふいに低い声が聞こえて、ティアナははっとして視線をあげる。
視線の先には正装に着替えたエイリスがいた。
「エ.エイリス様―」
びっくりして固まるティアナに、エイリスは心配そうな眼差しを向けた。
「身体の具合はどうだ? その、昨夜は無理させすぎた」
申し訳なさそうに口にして頭を掻く。
「あ、あの。出て行かれたのではないのですか?」
「は?」
ティアナの質問にエイリスは首を傾げる。
「いや。仕事の準備をしていただけだが」
「そうですか」
ほっとしたものも束の間、エイリスと顔を合わせた瞬間、昨夜のことが鮮明に思い出されティアナは顔を真っ赤に染める。
エイリスもどこかよそよそしくて、ティアナに視線を合わせようとしない。
「ティアナ」
「は、はい!?」
ふいに真剣な声音で名を呼ばれて、ティアナは何を言われるのかと怯え、緊張のあまり声を裏返して返事をした。
エイリスはベッドの側までゆっくりと歩み寄ってきて、じっとティアナを見据える。
「あ、あの・・・・・・?」
なんだろう。ものすごく熱い眼差しを向けられている。
エイリスの強い視線に見据えられると、恥ずかしくなる。
数秒の沈黙の後、エイリスは罰が悪そうに呟いた。
「その格好は・・・・・・、目の毒だ」
「えー、ん!?」
いきなりエイリスは深い口づけを交わしてきた。
「ん。ふっ」
何が起きたのか分からず、混乱して頭が真っ白になる。
エイリスの手がティアナの乳房に触れた。
「あ、んっ」
「―すまない、少し、だけ」
「あ、んっ」
いきなり濃厚なキスと乳房への愛撫がはじまり、ティアナは狼狽した。
「・・・・・・今から、仕事に行く。君はゆつくり休んでいるといい」
「あ、ふ、んっ」
「ああ、明るいところでみると、綺麗だー」
昨夜は真っ暗だったから恥ずかしさは半減したけれど、今は太陽の光が注ぐ明るい時間帯だ。
ティアナは急に恥ずかしくなり身をよじった。
「や、あんっ」
なんとか布団をかぶって身体を隠そうとしたけれど、エイリスは意図も簡単に布団を剥がしてしまう。
少しだけと言っていたのに、エイリスはそれからしばらくティアナの身体を堪能したのだった。
見慣れない天井を、朧気な瞳でぼーっと眺める。
しばらく思考が停止していたが、だんだんと意識が覚醒してきた。
そして同時に言いようのない羞恥心に襲われる。
「わ、私・・・・・・」
昨夜の痴態を思い出してしまい、ティアナは顔を真っ赤にして布団に潜り込んだ。
思い出したくもない。はじめてなのにあんなに我を忘れて乱れてしまった。
「・・・・・・エイリス、様?」
ふと夫であるエイリスの姿が見えないことに、今更気づく。
窓の外は太陽の光がさんさんと降り注いでいる。もうエイリスは仕事に行ってしまったのだろうか。
どんな顔をして会えばいいのか分からないからほっとしたのと、一抹の寂しさも感じる。
最後の方はどうなったのか何も覚えていない。
まさかエイリスは呆れて出て行ってしまったのだろうか。
もともとこの結婚は王命によって与えられた義務だと割り切っていた人だ。
こんなにも淫らな姿をみせた妻に、失望したのかもしれない。
普通の人はあんな風にならなくて、ティアナはおかしかったのだろうか。
思い悩めば悩むほど、思考はどんどんと暗い方向に向かっていく。
ティアナは暖かい布団を思いっきり頭までかぶった。
何かに悩むと、昔からこうして隠れる癖がある。
どうしよう。どうしたらいいんだろう。
ぐるぐると頭の中で解決策を考えるが、疲労感のある身体では頭もまともに働かなかった。
「ティアナ。目が覚めたか?」
ふいに低い声が聞こえて、ティアナははっとして視線をあげる。
視線の先には正装に着替えたエイリスがいた。
「エ.エイリス様―」
びっくりして固まるティアナに、エイリスは心配そうな眼差しを向けた。
「身体の具合はどうだ? その、昨夜は無理させすぎた」
申し訳なさそうに口にして頭を掻く。
「あ、あの。出て行かれたのではないのですか?」
「は?」
ティアナの質問にエイリスは首を傾げる。
「いや。仕事の準備をしていただけだが」
「そうですか」
ほっとしたものも束の間、エイリスと顔を合わせた瞬間、昨夜のことが鮮明に思い出されティアナは顔を真っ赤に染める。
エイリスもどこかよそよそしくて、ティアナに視線を合わせようとしない。
「ティアナ」
「は、はい!?」
ふいに真剣な声音で名を呼ばれて、ティアナは何を言われるのかと怯え、緊張のあまり声を裏返して返事をした。
エイリスはベッドの側までゆっくりと歩み寄ってきて、じっとティアナを見据える。
「あ、あの・・・・・・?」
なんだろう。ものすごく熱い眼差しを向けられている。
エイリスの強い視線に見据えられると、恥ずかしくなる。
数秒の沈黙の後、エイリスは罰が悪そうに呟いた。
「その格好は・・・・・・、目の毒だ」
「えー、ん!?」
いきなりエイリスは深い口づけを交わしてきた。
「ん。ふっ」
何が起きたのか分からず、混乱して頭が真っ白になる。
エイリスの手がティアナの乳房に触れた。
「あ、んっ」
「―すまない、少し、だけ」
「あ、んっ」
いきなり濃厚なキスと乳房への愛撫がはじまり、ティアナは狼狽した。
「・・・・・・今から、仕事に行く。君はゆつくり休んでいるといい」
「あ、ふ、んっ」
「ああ、明るいところでみると、綺麗だー」
昨夜は真っ暗だったから恥ずかしさは半減したけれど、今は太陽の光が注ぐ明るい時間帯だ。
ティアナは急に恥ずかしくなり身をよじった。
「や、あんっ」
なんとか布団をかぶって身体を隠そうとしたけれど、エイリスは意図も簡単に布団を剥がしてしまう。
少しだけと言っていたのに、エイリスはそれからしばらくティアナの身体を堪能したのだった。
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