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5-7(悠人視点)
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16時。
今、プールに来ている。夕方近くになったからか、家族連れがプールから出始めた。浮き輪を持った男の子が、父親と話しながら笑っている。俺の父親とは正反対だ。父親とは遊びに行ったことが数回しかないからだ。
(ああいうのに憧れていたな……)
二階ぐらいの高さのあるこの滑り台では、他にも3人が遊んでいる。広いから順番待ちしなくて済み、何回滑ったのか分からない程だ。プールサイドで休んでいる早瀬に声を掛けると、手を振ってくれた。
「一緒に滑ろうよー」
「ここで見ているよ」
「そうー?面白いのにー」
「休憩しておく」
「裕理さーん!こっちだよー!」
「はいはい」
「こっちを見ていてよー?」
「見ているよ」
「トリャー!」
勢いよく滑り下りた後、バシャンッと、温水が吹き上がった。そして、顔に掛かった水を手で払いのけて、早瀬へ手を振った。
「見てくれてた?さっきのは最高速度だった!?」
「マッハのスピードだったよ。瞬きをしている間に落ちていたから」
「見ていなかったんだー?」
「そうじゃないよ」
早瀬が手を振って苦笑している。さっきからこんな調子だ。疲れているのだろう。どこかの店に入って休憩しようと言っても、もっと遊んでいいと言われた。何だか心配になり、プールサイドへ上がった。
「疲れているなら、建物の中へ入ろうよ」
「エネルギーが有り余っているだろう?ここで使い切るといい」
「ビュッフェで食べる余力を残したいんだよ」
「けっこう気を遣うね。俺のことが好きなのか?」
「そんなわけないよ。手も足もフヤケたんだよ。2時間くらい遊んでいるし……」
ここに着いた後、コーヒー風呂、ワイン風呂、酒風呂、緑茶風呂を堪能した。最後に入ったチョコレート風呂では、早瀬は見ているだけだった。チョコの匂いが付くのを避けるためだと言っていた。甘い匂いは苦手なようだ。
「そうだね。もうこんな時間だ。ビュッフェには早いけど、出ようか」
「うん。俺の匂いは大丈夫?チョコが残っている気がするんだよ」
「そうかな?こっちへ来て」
早瀬が近づいて来て、手の匂いを嗅ごうとした。 自然と身を任せていると、耳元に熱い息がかかり体が震えた。
「うわーーっ」
「これはチョコレートかな?」
「げえええっ。手は握らなくていいから」
「また迷子になるよ」
「そんなに人は多くないよー」
「言うことを聞かないと噛みつくぞ」
「う……っ」
「ほら、行こう」
「ああ……」
また噛みつかれたくない。早瀬は冗談抜きでやるから、こっちは驚くことばかりだ。クールだったり、冗談ばかり言ったりするから、俺の中でのイメージが定着しない。一つしかないよりも面白いと思う。色んな人がいるから楽しい。常識のある人だから、それも魅力のうちだ。
今、プールに来ている。夕方近くになったからか、家族連れがプールから出始めた。浮き輪を持った男の子が、父親と話しながら笑っている。俺の父親とは正反対だ。父親とは遊びに行ったことが数回しかないからだ。
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二階ぐらいの高さのあるこの滑り台では、他にも3人が遊んでいる。広いから順番待ちしなくて済み、何回滑ったのか分からない程だ。プールサイドで休んでいる早瀬に声を掛けると、手を振ってくれた。
「一緒に滑ろうよー」
「ここで見ているよ」
「そうー?面白いのにー」
「休憩しておく」
「裕理さーん!こっちだよー!」
「はいはい」
「こっちを見ていてよー?」
「見ているよ」
「トリャー!」
勢いよく滑り下りた後、バシャンッと、温水が吹き上がった。そして、顔に掛かった水を手で払いのけて、早瀬へ手を振った。
「見てくれてた?さっきのは最高速度だった!?」
「マッハのスピードだったよ。瞬きをしている間に落ちていたから」
「見ていなかったんだー?」
「そうじゃないよ」
早瀬が手を振って苦笑している。さっきからこんな調子だ。疲れているのだろう。どこかの店に入って休憩しようと言っても、もっと遊んでいいと言われた。何だか心配になり、プールサイドへ上がった。
「疲れているなら、建物の中へ入ろうよ」
「エネルギーが有り余っているだろう?ここで使い切るといい」
「ビュッフェで食べる余力を残したいんだよ」
「けっこう気を遣うね。俺のことが好きなのか?」
「そんなわけないよ。手も足もフヤケたんだよ。2時間くらい遊んでいるし……」
ここに着いた後、コーヒー風呂、ワイン風呂、酒風呂、緑茶風呂を堪能した。最後に入ったチョコレート風呂では、早瀬は見ているだけだった。チョコの匂いが付くのを避けるためだと言っていた。甘い匂いは苦手なようだ。
「そうだね。もうこんな時間だ。ビュッフェには早いけど、出ようか」
「うん。俺の匂いは大丈夫?チョコが残っている気がするんだよ」
「そうかな?こっちへ来て」
早瀬が近づいて来て、手の匂いを嗅ごうとした。 自然と身を任せていると、耳元に熱い息がかかり体が震えた。
「うわーーっ」
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「また迷子になるよ」
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「言うことを聞かないと噛みつくぞ」
「う……っ」
「ほら、行こう」
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また噛みつかれたくない。早瀬は冗談抜きでやるから、こっちは驚くことばかりだ。クールだったり、冗談ばかり言ったりするから、俺の中でのイメージが定着しない。一つしかないよりも面白いと思う。色んな人がいるから楽しい。常識のある人だから、それも魅力のうちだ。
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