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18時30分。
京橋駅にやって来た。コンビニでアイス珈琲を飲んだ後、待ち合わせ場所のCDショップへ向かった。途中でトイレに行こうと思った。迷子にはならない自信がある。大きな表示板とポスターが貼られていて、目印になるからだ。早瀬からは、予定通りに出るとラインが入っていた。
(暑いなあ……)
駅の構内を歩いているうちに暑くなってきた。さっき珈琲を飲んだばかりなのに、もう喉が渇いてきた。ここからマリーズカフェは離れている。でも、テイクアウトして来ようかと思った。
すると、入ったことがない店を見つけた。入り口の看板には、本日のおススメ珈琲が載っていた。とても美味しそうだ。さっそく店の自動ドアをくぐろうとすると、ガラス張りの壁越しに、早瀬に似た人が立っているのが見えた。
(裕理さんかな?待ち合わせは向こうなのに……)
会社から歩いて来て、この店の辺りまで来るのは違和感がある。いつものように俺に飲み物を買ってきてくれるなら、途中でマリーズカフェがあるからだ。その人の方向へ歩いて行くと、やっぱり早瀬だった。
「裕理さ……」
呼びかけて口を閉じた。知らない女性と一緒にいたからだ。同じ会社の人だろうか?肩までの茶色の髪の毛で、毛先は丸くカールしている。この周辺で働いている人だと思った。
二人の話が終わってから声を掛けようと思っていると、彼女が早瀬の腕に触れた。早瀬が笑っているから、体温が下がるような感覚に襲われた。そして、もう一度彼女が近づいた。早瀬が首を振ると、どこかへ行こうとしている。彼女が角を曲がって見えなくなった後、早瀬がCDショップの方向へ歩き始めた。俺のことには気づかない。
(さっきのは誰?俺、ここにいるのに……)
ただ話していただけだ。彼女が腕に触れたのは、たまたまだ。それでも面白くない気分になった。
(距離を取って歩こう……)
待ち合わせ場所に近づいた頃に、素知らぬふりをして声をかけることにした。事情を聴きたいのに、その聞き方が分からない。モヤモヤした。
人波が押し寄せてくるのに、不思議と早瀬のことを見失わなかった。目的地が見えてきた後、早瀬が店内へ入った。そして最初の計画通り、素知らぬふりをして背後から声を掛けた。 早瀬が振り向くと、笑顔を向けられた。それを見て、胸がチクチクと痛んだ。さっきの彼女にも同じように笑っていたからだ。面白くないが、顔に出すわけにはいかない。
「悠人君、こっちから歩いて来たのか?」
「トイレに寄っていたんだよ」
「そうか。店内を見て行くか?予約時間までは、少し時間がある」
「もう行きたい。足が疲れてきたから。今日は歩き回ったんだ」
「じゃあ行こう」
俺が肩に掛けていた荷物を取り上げると、スタスタと歩き始めた。いつものことなのに、さっきの光景が頭から離れなくて、出遅れてしまった。ぼんやりと立っていると、早瀬が振り向いた。
「怖いオジサンに連れて行かれるぞ?」
「うん……」
「どうしたんだ?」
「何でないよ。コンタクトレンズが渇いていたんだ。もう治ったよ」
「そうか?」
「お腹が空いたから行こうよ。ええ?ここは駅だよー。手を繋がないからね」
「遅延料金分だよ。今夜は言うことを聞いてもらう」
「一個だけにしろよ」
「しゃぶしゃぶが逃げるぞ」
早瀬から強引に手を引かれて、ヨロけてしまい、ごめんと謝られた。そして、優しい力で手を握り直されて、今夜の店に向かった。
京橋駅にやって来た。コンビニでアイス珈琲を飲んだ後、待ち合わせ場所のCDショップへ向かった。途中でトイレに行こうと思った。迷子にはならない自信がある。大きな表示板とポスターが貼られていて、目印になるからだ。早瀬からは、予定通りに出るとラインが入っていた。
(暑いなあ……)
駅の構内を歩いているうちに暑くなってきた。さっき珈琲を飲んだばかりなのに、もう喉が渇いてきた。ここからマリーズカフェは離れている。でも、テイクアウトして来ようかと思った。
すると、入ったことがない店を見つけた。入り口の看板には、本日のおススメ珈琲が載っていた。とても美味しそうだ。さっそく店の自動ドアをくぐろうとすると、ガラス張りの壁越しに、早瀬に似た人が立っているのが見えた。
(裕理さんかな?待ち合わせは向こうなのに……)
会社から歩いて来て、この店の辺りまで来るのは違和感がある。いつものように俺に飲み物を買ってきてくれるなら、途中でマリーズカフェがあるからだ。その人の方向へ歩いて行くと、やっぱり早瀬だった。
「裕理さ……」
呼びかけて口を閉じた。知らない女性と一緒にいたからだ。同じ会社の人だろうか?肩までの茶色の髪の毛で、毛先は丸くカールしている。この周辺で働いている人だと思った。
二人の話が終わってから声を掛けようと思っていると、彼女が早瀬の腕に触れた。早瀬が笑っているから、体温が下がるような感覚に襲われた。そして、もう一度彼女が近づいた。早瀬が首を振ると、どこかへ行こうとしている。彼女が角を曲がって見えなくなった後、早瀬がCDショップの方向へ歩き始めた。俺のことには気づかない。
(さっきのは誰?俺、ここにいるのに……)
ただ話していただけだ。彼女が腕に触れたのは、たまたまだ。それでも面白くない気分になった。
(距離を取って歩こう……)
待ち合わせ場所に近づいた頃に、素知らぬふりをして声をかけることにした。事情を聴きたいのに、その聞き方が分からない。モヤモヤした。
人波が押し寄せてくるのに、不思議と早瀬のことを見失わなかった。目的地が見えてきた後、早瀬が店内へ入った。そして最初の計画通り、素知らぬふりをして背後から声を掛けた。 早瀬が振り向くと、笑顔を向けられた。それを見て、胸がチクチクと痛んだ。さっきの彼女にも同じように笑っていたからだ。面白くないが、顔に出すわけにはいかない。
「悠人君、こっちから歩いて来たのか?」
「トイレに寄っていたんだよ」
「そうか。店内を見て行くか?予約時間までは、少し時間がある」
「もう行きたい。足が疲れてきたから。今日は歩き回ったんだ」
「じゃあ行こう」
俺が肩に掛けていた荷物を取り上げると、スタスタと歩き始めた。いつものことなのに、さっきの光景が頭から離れなくて、出遅れてしまった。ぼんやりと立っていると、早瀬が振り向いた。
「怖いオジサンに連れて行かれるぞ?」
「うん……」
「どうしたんだ?」
「何でないよ。コンタクトレンズが渇いていたんだ。もう治ったよ」
「そうか?」
「お腹が空いたから行こうよ。ええ?ここは駅だよー。手を繋がないからね」
「遅延料金分だよ。今夜は言うことを聞いてもらう」
「一個だけにしろよ」
「しゃぶしゃぶが逃げるぞ」
早瀬から強引に手を引かれて、ヨロけてしまい、ごめんと謝られた。そして、優しい力で手を握り直されて、今夜の店に向かった。
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