青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 14時。

 今、副社長室にいる。午前中の騒動の件を枝川から聞いたところだ。この部屋に山下を呼んで、彼がオフィスに帰った頃、谷川が向かいの席にいる南波に声をかけたそうだった。食事の誘いだ。ただし二人きりではなく、チームのみんなで飲みに行こうというものだった。

 その話に隣の課の山本が入り、他のメンバーも増えて、結局は大勢で食事をすることになった。そこで、谷川と山本が日程調整をしていたとき、山本がこう言った。南波をどこかに連れ込むなと。資料室のカップルの件を言っているのだろう。谷川は山本が南波に恋愛感情を持っていることは知らなかった。谷川は山本に気持ちを知られているため、からかわれたと思い、こう切り替えした。

(僕は南波君とずっと同じチームなんです!か……)

 南波は期待を集めている。その南波と同じチームで配置されている自分もエリートだと自慢されたと思い、山本が苛立った。谷川はそういうつもりはなかった。仲良くやれているという自慢だった。これが誤解のタネの発言だったらしい。山本は悔しかった。後輩に負けた気がしたからだ。そこで、俺は南波が好きだと発言し、お前もそうだろうと、隠していた気持ちを暴露された。周りからは注目されてしまった。しかし、ふざけているのだろうという空気だったそうだ。そこで、谷川がこう言った。

(山本さん!ここはオフィスです。やめてください)
(何言っているんだよ。隠すなよ)
(南波君。ごめんね。何でもないから。今日の帰りに、二人でご飯を食べに行こうよ。今日がいいって、ずっと言っていたじゃないか)
(いいよ。え?)

 北添と山下のことが起きたばかりだ。谷川が機転を利かせてくれたのだろうと思った南波が食事の誘いに頷くと、山本が谷川の身体を突き飛ばした。そして、殴りかかられようとして、咄嗟によけて、怪我をせずに済んだ。この時には枝川がそばに来て、山本のことを他の社員達が押さえ込んでいたそうだ。

(俺は南波のことを、ずっと前から見ていたんだ。お前、後から来た奴のくせに!)
(山本さん!一つしか変わらないじゃないですか!)
(お前のせいだ!俺も南波と同じチームでやりたかった!)
(無理じゃないですか?)
(なんだと!?)
(さっき、俺は同じチームで飲みに行こうって言っていたのに、割って入るんだから。そういうところ、直した方がいいですよ)

 この発言で山本の怒りが増して、自分を取り押さえられている同僚を引き離そうとした。そして、谷川の身体を押した後、谷川がやり返そうとしたため、男性社員達で押さえ込んだ。そこへ、俺達が到着したというわけだ。

 早瀬が山本に付き添い、話を聞いている。谷川には小田チーフだ。それぞれに怪我はなく、落ち着きを取り戻したと報告を受けた。明日、橋本部長が出張から戻ってくる。今日のことも報告済みだ。山本と谷川には明日、橋本から話をさせる。

(いや、様子を見に行くか……)

 今日の会議は全部で5本だ。平田に予定を確認させると、今から30分、16時から45分の時間が空くようだ。対処は早い方がいい。山本達はオフィスに戻っている。営業企画部の様子を見に行くことにした。
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