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すると、それはいけないとローザーさんが言った。悠人には決していやらしく触っておらず、意識もしていない。そういうわけで、自分が触ってそう言う反応をする人なら、オバケがそばにいる証拠だと言い出したから、俺も悠人も声を上げた。
「げええええっ。そんな気がしていたんだーー」
「ゆうとーー。怖いことを言うなよ~。ただでさえ、マイクのトラブルが起きたんだ~。ほら、オバケと電子機械類は関連性があるって、怖い番組でやっていたんだ……」
「まあまあ、二人とも。ええいい!オバケ飛んでいけ!これでよし!もう大丈夫でしょう?」
「適当だよーーー。うひぇ?あれは、虫だーーー」
悠人が悲鳴を上げた。なんと、控え室に虫を発見したのだという。キッチンに出てくる虫ではない。俺が見て、コオロギだと分かったから、さっと取り、窓ガラスを開けた。ここは一階だし、植え込みがあるから放していいだろう。
「なつきーー。俺に見せないでよ!」
「そんなに怖がるなよ~。可愛いのに。はい、どうぞ……」
コオロギを外に逃がした。外から運んできた機材にくっついて来たのだろう。いや、誰かの背中にくっついてきたのかも知れない。それを言うと、悠人が倒れそうになったから、身体を支えた。
「なんでそんなに怖いわけ?」
「語り尽くせないよーー。だから、ぞわぞわしていたのかも。ローザーさん、もう平気になりました」
「そう、良かったわ。あなたたち、本当に仲が良いのね。喧嘩別れなんてあり得ないわね。きっと、おじいさんになった後でも、コオロギが出てきて大騒ぎするんでしょう。羨ましいわ」
「ローザーさん、親友がパリにいるんだっけ?」
「ええ。よく電話で話すから、寂しくないのよ。はいはい。悠人君のヘアスタイルは、今回はこれでーーす!」
ローザーさんの手により、悠人のヘアスタイルがかっこいいものになった。長い髪の毛をアップにして、ポニーテールのようになっている。毛束を横に流してヘアスプレーで固めて出来上がりだ。この早業に、いつも驚いている。
「ローザーさん、すごいね。メイクもヘアスタイルも、スタイリストも出来るなんて……」
「この道30年よ。だって、15歳からヘアメイクの仕事に就いたんだもの。最初の頃なんて、何度泣かされたことか……。今だって泣きそうよ。秒刻みのスケジュールで動いているんだもの。今日は取材は多かったわねーー。久弥さんとあなたたちの門出だもの。この後は、それぞれに取材が入って、アタシは聡太郎君と大和君のヘアスタイルを作るのよ。さあ、メイクをするわよ。上を見て……」
ローザーさんが悠人の下まぶたにラインを引いた。それを上に引き上げるようにすーーっと書き上げて、今だってはっきりしている目元が、さらにくっきりして、大きく見えた。ペン1本でこれほど変わるなんてと、毎回驚いている。いつか俺も自分でメイクが出来るようになるだろうか。
「俺にも出来るようになるかな?無理だよね?俺、字が下手だからさ。今みたいなラインを掛けそうにもないよ」
「大丈夫よ。あなたなら出来るわよ。はい。ここに光を入れまーーす」
「おおーーー」
「わーーー。また大きくなったね~」
ローザーさんが悠人の目元にキラキラ光るアイシャドウを塗った。それで立体感が出て、目が浮き上がって見えた。これで写真を撮ると、ちょうど良いのだという。やっぱり早業で、忙しい人なのだとよく分かった。
「げええええっ。そんな気がしていたんだーー」
「ゆうとーー。怖いことを言うなよ~。ただでさえ、マイクのトラブルが起きたんだ~。ほら、オバケと電子機械類は関連性があるって、怖い番組でやっていたんだ……」
「まあまあ、二人とも。ええいい!オバケ飛んでいけ!これでよし!もう大丈夫でしょう?」
「適当だよーーー。うひぇ?あれは、虫だーーー」
悠人が悲鳴を上げた。なんと、控え室に虫を発見したのだという。キッチンに出てくる虫ではない。俺が見て、コオロギだと分かったから、さっと取り、窓ガラスを開けた。ここは一階だし、植え込みがあるから放していいだろう。
「なつきーー。俺に見せないでよ!」
「そんなに怖がるなよ~。可愛いのに。はい、どうぞ……」
コオロギを外に逃がした。外から運んできた機材にくっついて来たのだろう。いや、誰かの背中にくっついてきたのかも知れない。それを言うと、悠人が倒れそうになったから、身体を支えた。
「なんでそんなに怖いわけ?」
「語り尽くせないよーー。だから、ぞわぞわしていたのかも。ローザーさん、もう平気になりました」
「そう、良かったわ。あなたたち、本当に仲が良いのね。喧嘩別れなんてあり得ないわね。きっと、おじいさんになった後でも、コオロギが出てきて大騒ぎするんでしょう。羨ましいわ」
「ローザーさん、親友がパリにいるんだっけ?」
「ええ。よく電話で話すから、寂しくないのよ。はいはい。悠人君のヘアスタイルは、今回はこれでーーす!」
ローザーさんの手により、悠人のヘアスタイルがかっこいいものになった。長い髪の毛をアップにして、ポニーテールのようになっている。毛束を横に流してヘアスプレーで固めて出来上がりだ。この早業に、いつも驚いている。
「ローザーさん、すごいね。メイクもヘアスタイルも、スタイリストも出来るなんて……」
「この道30年よ。だって、15歳からヘアメイクの仕事に就いたんだもの。最初の頃なんて、何度泣かされたことか……。今だって泣きそうよ。秒刻みのスケジュールで動いているんだもの。今日は取材は多かったわねーー。久弥さんとあなたたちの門出だもの。この後は、それぞれに取材が入って、アタシは聡太郎君と大和君のヘアスタイルを作るのよ。さあ、メイクをするわよ。上を見て……」
ローザーさんが悠人の下まぶたにラインを引いた。それを上に引き上げるようにすーーっと書き上げて、今だってはっきりしている目元が、さらにくっきりして、大きく見えた。ペン1本でこれほど変わるなんてと、毎回驚いている。いつか俺も自分でメイクが出来るようになるだろうか。
「俺にも出来るようになるかな?無理だよね?俺、字が下手だからさ。今みたいなラインを掛けそうにもないよ」
「大丈夫よ。あなたなら出来るわよ。はい。ここに光を入れまーーす」
「おおーーー」
「わーーー。また大きくなったね~」
ローザーさんが悠人の目元にキラキラ光るアイシャドウを塗った。それで立体感が出て、目が浮き上がって見えた。これで写真を撮ると、ちょうど良いのだという。やっぱり早業で、忙しい人なのだとよく分かった。
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