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ホテルに到着した。レストランの待合フロアで二葉と合流する約束だ。もう来ているだろうと辺りを見回すと、それらしい姿がなかった。緊張しているお義父さんのことが気になりつつも、二葉を探す方に気を向けた。
黒崎から聞いてあるのは、ホテルやレストランの雰囲気に慣れなくて、モジモジしているようだという話だ。その気持ちは分かる。ここの店は広くて開放的だから、ゆっくり話せるだろうと思って選んだ。
「二葉ちゃん。迷ったかな?」
「スタッフに声をかけるはずだ」
「そうだよね。丁寧な人ばかりだもん。聞きやすいよね。……今日は女の子っぽい服装だって聞いているんだ。……黒崎さんが服を買って持っていったんだ。店員さんに、自分と似ている子だって伝えて、選んでもらったそうだよ。……カッコいい系を選んでもいいか?って二葉ちゃんに電話で聞いたら、女の子っぽい方を頼まれたそうだよ。黒崎さんってば、可愛い系は似合わないからやめておけって言ったんだ。なんて人だよ~」
「店に連れて行こうとしなかったのか?」
「うん。一緒に行くのは恥ずかしいからだそうだよ」
「そうか……。彼女じゃないか?」
お義父さんが教えてくれた方向には、おとなしそうな女性がたたずんでいた。紺色のカーディガンに長めのスカート姿だ。長い髪の毛をシュシュでまとめている。大人の女性になっているから驚いた。出会ったばかりの頃とはまるでイメージが違う。今回のことが原因だろうか?活発なイメージが静かになっている。全くメイクをしていなかったのに、沙耶さんのような薄い色のリップをつけている。
「二葉ちゃーん」
「あ、夏樹君……」
「ごめんね。うちのお義父さんがついて来たんだよ。ここのビュッフェが食べたいよって」
「お兄ちゃんから連絡があったわ。……初めまして。倉口二葉です。今回のことではお世話になりました」
「いや、気を遣わないでくれ。我が家としても、できる限り協力をさせてもらう。……黒崎隆です」
「宜しくお願い致します」
「こちらこそ」
二人が向かい合っている。ただ静かに微笑みながら。何か文句を言われるかも知れない。その覚悟でお義父さんは来ているそうだ。でも、二葉は微笑んでいる。そろそろ食べに行こう。お義父さんから声をかけられた。そして、スタッフさんから案内されて、店内へ入った。
黒崎から聞いてあるのは、ホテルやレストランの雰囲気に慣れなくて、モジモジしているようだという話だ。その気持ちは分かる。ここの店は広くて開放的だから、ゆっくり話せるだろうと思って選んだ。
「二葉ちゃん。迷ったかな?」
「スタッフに声をかけるはずだ」
「そうだよね。丁寧な人ばかりだもん。聞きやすいよね。……今日は女の子っぽい服装だって聞いているんだ。……黒崎さんが服を買って持っていったんだ。店員さんに、自分と似ている子だって伝えて、選んでもらったそうだよ。……カッコいい系を選んでもいいか?って二葉ちゃんに電話で聞いたら、女の子っぽい方を頼まれたそうだよ。黒崎さんってば、可愛い系は似合わないからやめておけって言ったんだ。なんて人だよ~」
「店に連れて行こうとしなかったのか?」
「うん。一緒に行くのは恥ずかしいからだそうだよ」
「そうか……。彼女じゃないか?」
お義父さんが教えてくれた方向には、おとなしそうな女性がたたずんでいた。紺色のカーディガンに長めのスカート姿だ。長い髪の毛をシュシュでまとめている。大人の女性になっているから驚いた。出会ったばかりの頃とはまるでイメージが違う。今回のことが原因だろうか?活発なイメージが静かになっている。全くメイクをしていなかったのに、沙耶さんのような薄い色のリップをつけている。
「二葉ちゃーん」
「あ、夏樹君……」
「ごめんね。うちのお義父さんがついて来たんだよ。ここのビュッフェが食べたいよって」
「お兄ちゃんから連絡があったわ。……初めまして。倉口二葉です。今回のことではお世話になりました」
「いや、気を遣わないでくれ。我が家としても、できる限り協力をさせてもらう。……黒崎隆です」
「宜しくお願い致します」
「こちらこそ」
二人が向かい合っている。ただ静かに微笑みながら。何か文句を言われるかも知れない。その覚悟でお義父さんは来ているそうだ。でも、二葉は微笑んでいる。そろそろ食べに行こう。お義父さんから声をかけられた。そして、スタッフさんから案内されて、店内へ入った。
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