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18-10(黒崎視点)
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21時。
レストランでの食事を終えて、ホテルの部屋に戻ってきた。スーツを脱いでクローゼットに掛けた後、はしゃいでいる夏樹の元へ急いだ。フルーツのルームサービスが届き、やっと機嫌を直してくれた。
「夏樹。着替えを手伝ってやる」
「脱がせてどうするつもりだよ?うひゃひゃ~」
「くつろがせるためだ。ほら、ジャケットを脱げ」
「黒崎さーん、パクーー」
「こら。子供か……」
あの2口のワインで酔っぱらったようだ。気分が悪くなるどころか笑い上戸になり、早々に店を出てきた。夏樹の体が心配になったからだ。これからは酒を勧められる機会がある。どんな酒ぐせをしているのか確認したかった。実家の両親は酒が飲めるし、酒ぐせも悪くない。大丈夫だろうとは予想していた。
着替えさせて寝かせよう。夏樹のことを抱き起して、ジャケットを脱がせた。シャツのボタンに手をかけたところで、自分で脱ぎ始めた。やっと言うことを聞いてくれたか。
「これに着替えろ。着ぐるみパジャマだ」
「それは暑いよ~。ウサギの耳つきだろ?」
「そうでもない。寝ている時は冷えているぞ」
「だって。今夜は暑くなるんだよね?」
「何もしない。朝までゆっくり寝かせる」
「なんでだよ~っ」
夏樹が抱きついてきた。半分だけ脱げかけているシャツの隙間からは、白い肌が見えている。中途半端な色気を出している。さらに潤んだ両目で見上げてきて、下唇がマスカットの汁で濡れている。何度もキスをした後のようだ。
「黒崎さん……」
「その目をやめてくれ」
「どんな目だよ?」
「閉じて寝てくれ」
「やだよ……」
「こら……」
「ふふん~」
心の内を知ってか知らずなのか、夏樹が蕩けそうな微笑みを向けて来た。この天使には、黒い羽根が見え隠れしている。今夜は控えてもらいたい。
「もう寝ておけ。シャワーは起きてからでいい」
「こういうことだよね?黒崎さんが頼んできたのは……」
「なんだ?」
「やってあげるよ」
夏樹が後ろに下がった。そして、勢いよく着ている物を脱ぎ捨てて、俺のシャツを羽織った。腰の下までの丈になっている。ほんの出来心でリクエストしていた姿だ。何ということを持ちかけてしまったのか。そして、囁くように呼ばれて手を引かれた。向かった先はベッドだ。こうして、15歳年下の子の尻に敷かれて振り回されている。今は俺のこと誘惑している。
「こっちに来てよ」
「ん?」
「黒崎さん……。来ないの?」
「苛めないでくれ」
「どっちがだよ?黒崎さーん」
「はあ……」
欲望に負けるわけにはいかない。逸る心を抑え込むようにして、夏樹の体をベッドに倒した。そして、ショップで購入したウサギーの人形を抱かせて、シーツを肩までかけてやった。
「ウサギーにすがりついておけ」
「黒崎さんがいい~っ」
「はいはい。すぐに来るから寝ておけ」
ベッド下の灯りだけを残して照明を消した。寝つくまで見守るつもりだ。すると、夏樹の唇が動いた。何か伝えようとしてきた。口元へ耳を寄せると、掠れた声が届いた。
「スマホを取って……」
「ああ。ここにあるぞ」
「お母さんからのメッセージが入っているかな……」
「ああ届いている。花火に興奮して気づかなかったか?」
「ううん。ドキドキしたから。怖さが半分……」
「どういうことだ?何もしてないだろう。読んでやろうか?」
「うん……」
もう一度アイコンをタップして、中山の義母からのメッセージを読み上げた。夏樹は静かに目を閉じた。寝たのかもしれない。
「……20歳おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。……以上だ」
「シンプルだね。お母さんらしいよ。返信して……」
「どういうメッセージにする?」
「……生まれきてよかった。手術を頑張ってよかった。あの時は駄々をこねてごめんね。おかげで大人になれたよって……」
「ああ。ちゃんと返信しておく。寝ておけ」
「ありがとう……。愛して……」
「明日の朝、聞かせてくれ」
「うん……」
夏樹が目を閉じた。今回のメッセージを電話で伝えることにした。明日の朝、彼の方から送った方法いい。起こさないようにベッドから離れた後、義母へ電話をかけた。すぐにつながった。待ってくれていたのか。
「……圭一です。夜分にすみません。本人が寝たので、僕の方から連絡をしました」
「いえ、とんでもない。お酒の方はどうでしたか?喜んでいましたか?」
「それはもう。酒に弱い方でした。白ワインを2口飲んだだけで酔っています。笑い上戸ですよ。いい酒癖だ」
「ご迷惑をおかけしました。これで本人が納得できます」
「約束だったそうですね。20歳の誕生日にお酒を飲ませてやるから、手術を頑張れと。夏樹から伝言を頼まれました。明日の朝、本人からも連絡させます」
電話口でメッセージを伝えた。生まれきてよかった。手術を頑張ってよかった。あの時は駄々をこねてごめんね。おかげで大人になれたよと。
電話の向こうの音声が途切れたように感じたが、聞き返すことはしない。このメッセージを伝えられたことが嬉しい。これでゆっくり寝られます。義母が笑った後、電話を終えた。俺の方は眠れそうにない。夏樹が寝ながら微笑んでいる。もう少し見つめることにした。
レストランでの食事を終えて、ホテルの部屋に戻ってきた。スーツを脱いでクローゼットに掛けた後、はしゃいでいる夏樹の元へ急いだ。フルーツのルームサービスが届き、やっと機嫌を直してくれた。
「夏樹。着替えを手伝ってやる」
「脱がせてどうするつもりだよ?うひゃひゃ~」
「くつろがせるためだ。ほら、ジャケットを脱げ」
「黒崎さーん、パクーー」
「こら。子供か……」
あの2口のワインで酔っぱらったようだ。気分が悪くなるどころか笑い上戸になり、早々に店を出てきた。夏樹の体が心配になったからだ。これからは酒を勧められる機会がある。どんな酒ぐせをしているのか確認したかった。実家の両親は酒が飲めるし、酒ぐせも悪くない。大丈夫だろうとは予想していた。
着替えさせて寝かせよう。夏樹のことを抱き起して、ジャケットを脱がせた。シャツのボタンに手をかけたところで、自分で脱ぎ始めた。やっと言うことを聞いてくれたか。
「これに着替えろ。着ぐるみパジャマだ」
「それは暑いよ~。ウサギの耳つきだろ?」
「そうでもない。寝ている時は冷えているぞ」
「だって。今夜は暑くなるんだよね?」
「何もしない。朝までゆっくり寝かせる」
「なんでだよ~っ」
夏樹が抱きついてきた。半分だけ脱げかけているシャツの隙間からは、白い肌が見えている。中途半端な色気を出している。さらに潤んだ両目で見上げてきて、下唇がマスカットの汁で濡れている。何度もキスをした後のようだ。
「黒崎さん……」
「その目をやめてくれ」
「どんな目だよ?」
「閉じて寝てくれ」
「やだよ……」
「こら……」
「ふふん~」
心の内を知ってか知らずなのか、夏樹が蕩けそうな微笑みを向けて来た。この天使には、黒い羽根が見え隠れしている。今夜は控えてもらいたい。
「もう寝ておけ。シャワーは起きてからでいい」
「こういうことだよね?黒崎さんが頼んできたのは……」
「なんだ?」
「やってあげるよ」
夏樹が後ろに下がった。そして、勢いよく着ている物を脱ぎ捨てて、俺のシャツを羽織った。腰の下までの丈になっている。ほんの出来心でリクエストしていた姿だ。何ということを持ちかけてしまったのか。そして、囁くように呼ばれて手を引かれた。向かった先はベッドだ。こうして、15歳年下の子の尻に敷かれて振り回されている。今は俺のこと誘惑している。
「こっちに来てよ」
「ん?」
「黒崎さん……。来ないの?」
「苛めないでくれ」
「どっちがだよ?黒崎さーん」
「はあ……」
欲望に負けるわけにはいかない。逸る心を抑え込むようにして、夏樹の体をベッドに倒した。そして、ショップで購入したウサギーの人形を抱かせて、シーツを肩までかけてやった。
「ウサギーにすがりついておけ」
「黒崎さんがいい~っ」
「はいはい。すぐに来るから寝ておけ」
ベッド下の灯りだけを残して照明を消した。寝つくまで見守るつもりだ。すると、夏樹の唇が動いた。何か伝えようとしてきた。口元へ耳を寄せると、掠れた声が届いた。
「スマホを取って……」
「ああ。ここにあるぞ」
「お母さんからのメッセージが入っているかな……」
「ああ届いている。花火に興奮して気づかなかったか?」
「ううん。ドキドキしたから。怖さが半分……」
「どういうことだ?何もしてないだろう。読んでやろうか?」
「うん……」
もう一度アイコンをタップして、中山の義母からのメッセージを読み上げた。夏樹は静かに目を閉じた。寝たのかもしれない。
「……20歳おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。……以上だ」
「シンプルだね。お母さんらしいよ。返信して……」
「どういうメッセージにする?」
「……生まれきてよかった。手術を頑張ってよかった。あの時は駄々をこねてごめんね。おかげで大人になれたよって……」
「ああ。ちゃんと返信しておく。寝ておけ」
「ありがとう……。愛して……」
「明日の朝、聞かせてくれ」
「うん……」
夏樹が目を閉じた。今回のメッセージを電話で伝えることにした。明日の朝、彼の方から送った方法いい。起こさないようにベッドから離れた後、義母へ電話をかけた。すぐにつながった。待ってくれていたのか。
「……圭一です。夜分にすみません。本人が寝たので、僕の方から連絡をしました」
「いえ、とんでもない。お酒の方はどうでしたか?喜んでいましたか?」
「それはもう。酒に弱い方でした。白ワインを2口飲んだだけで酔っています。笑い上戸ですよ。いい酒癖だ」
「ご迷惑をおかけしました。これで本人が納得できます」
「約束だったそうですね。20歳の誕生日にお酒を飲ませてやるから、手術を頑張れと。夏樹から伝言を頼まれました。明日の朝、本人からも連絡させます」
電話口でメッセージを伝えた。生まれきてよかった。手術を頑張ってよかった。あの時は駄々をこねてごめんね。おかげで大人になれたよと。
電話の向こうの音声が途切れたように感じたが、聞き返すことはしない。このメッセージを伝えられたことが嬉しい。これでゆっくり寝られます。義母が笑った後、電話を終えた。俺の方は眠れそうにない。夏樹が寝ながら微笑んでいる。もう少し見つめることにした。
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