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夏樹が早瀬と久弥の記念指輪という愛の絆を形にしたものを、それはそれは大事にしているはずだ。それを否定する己の心を恥じても、溢れ出して来た。
「だめだだめだーー!十悪になるーー!」
「悠人、誤解するな。……久弥、別の指輪をプレゼントしたんだろう?」
「ああ。俺達の……ごほっ、ごほっ。クラー」
どうしよう?久弥が抱きつくことで気持ちを伝えているなら、ごめんねという意味だろう。いくら誤解だと説明されたところで、はいそうですね。ふむふむ。気づかなかったふりが出来ない。
「優しい嘘をつかなくてもいいよ。あの子を励ます力になるなら、とっても良いことだよ」
「違うよ。デザインを覚えていたから話していた。悠人が見たものとは別だと分かった。それで話が済んだ。ゆうとー、おいで……」
どうしよう?気持ちを抑えられなくなった。ここは素直にすがりついて泣いておこう。蔵之介さんが溜息をつき、本当の事を話してやれと、久弥に声をかけた。他に真相候補があるのか?ぱっと顔を上げて、振り返った。
「あのなー。こっちの事実の方が嫌だろう。ゆうちゃんは平気でも。クラも平気だなー?今更だからな……」
「悠人のことはフォローする。夏樹君に真相を話すことが、一番引っかかっているはずだ。……そうだろう?気にするからだよね?」
「あああ……。面白くない気分もあるんだ。真相を知ったらスッキリするよ」
「そうか……」
「ひいいいいっ。ひぇー、ふううー」
深呼吸をして答えを待っていると、久弥が左手を差し出して来たから、とっても嫌な予感がした。そして、その勘は的中した。
久弥が今着けている指輪こそ、大人になった後、早瀬から贈られた指輪だと知った。しかも、装着している事実を前にして、開いた口が塞がらない。おまけにコンタクトレンズまで渇いてきた。そして、夏樹に渡したのは、早瀬が気に入って、久弥が買った思い出の指輪だと知った。
「この指輪、かっこいいと言ってくれたな。お前とは趣味が合うなー。さすがは”久々コンビ”だと思った。最初から言っていたもんな。あげようかと思ったんだぞ?でもなー。ゆうちゃんが嫌がるに決まっているからな。OKが出れば……、渡そうかと」
「あああ……」
どうしよう?耳と鼻がいいだけでなく、直観力も備わっていたのか。それを、あっさりと肯定された。こんなことを乗り越えた3人は、これからも仲良しだろう。こうして当時の思い出を語り合い、懐かしんでいる。誓いの指輪を眺めて談笑しているのは、恋愛上級者といえよう。
「だめだだめだーー!十悪になるーー!」
「悠人、誤解するな。……久弥、別の指輪をプレゼントしたんだろう?」
「ああ。俺達の……ごほっ、ごほっ。クラー」
どうしよう?久弥が抱きつくことで気持ちを伝えているなら、ごめんねという意味だろう。いくら誤解だと説明されたところで、はいそうですね。ふむふむ。気づかなかったふりが出来ない。
「優しい嘘をつかなくてもいいよ。あの子を励ます力になるなら、とっても良いことだよ」
「違うよ。デザインを覚えていたから話していた。悠人が見たものとは別だと分かった。それで話が済んだ。ゆうとー、おいで……」
どうしよう?気持ちを抑えられなくなった。ここは素直にすがりついて泣いておこう。蔵之介さんが溜息をつき、本当の事を話してやれと、久弥に声をかけた。他に真相候補があるのか?ぱっと顔を上げて、振り返った。
「あのなー。こっちの事実の方が嫌だろう。ゆうちゃんは平気でも。クラも平気だなー?今更だからな……」
「悠人のことはフォローする。夏樹君に真相を話すことが、一番引っかかっているはずだ。……そうだろう?気にするからだよね?」
「あああ……。面白くない気分もあるんだ。真相を知ったらスッキリするよ」
「そうか……」
「ひいいいいっ。ひぇー、ふううー」
深呼吸をして答えを待っていると、久弥が左手を差し出して来たから、とっても嫌な予感がした。そして、その勘は的中した。
久弥が今着けている指輪こそ、大人になった後、早瀬から贈られた指輪だと知った。しかも、装着している事実を前にして、開いた口が塞がらない。おまけにコンタクトレンズまで渇いてきた。そして、夏樹に渡したのは、早瀬が気に入って、久弥が買った思い出の指輪だと知った。
「この指輪、かっこいいと言ってくれたな。お前とは趣味が合うなー。さすがは”久々コンビ”だと思った。最初から言っていたもんな。あげようかと思ったんだぞ?でもなー。ゆうちゃんが嫌がるに決まっているからな。OKが出れば……、渡そうかと」
「あああ……」
どうしよう?耳と鼻がいいだけでなく、直観力も備わっていたのか。それを、あっさりと肯定された。こんなことを乗り越えた3人は、これからも仲良しだろう。こうして当時の思い出を語り合い、懐かしんでいる。誓いの指輪を眺めて談笑しているのは、恋愛上級者といえよう。
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