森林の星空少年~あの日のメエメエ

夏目奈緖

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 翌朝。午前10時。

 朝起きると、もう早瀬は起きた後だった。俺は寝坊をして、9時頃に起きた。俺にしては珍しく食欲がなく、お腹が空いていなくて、まだ朝ご飯を食べていない。この分だと、朝と昼が一緒になりそうだ。しかし、一食分で足りそうな腹具合だ。

「裕理さーん。まだお腹が空いていないんだーー。どうしてだろうね?」
「そうだなあ。昨日はいつもと同じぐらいの食べ方だったから、特に変わったことはない。大黒様がリビングに来たからじゃないか?」
「ふむふむ。裕理さんもそう思う?貴方の性欲と俺の食欲が落ち着いた気がするよ」

 どうしよう?さっそく座布団の効果があったようだ。もしかしたら、仕事の方でも効果があるかも知れない。何か良いことがあるだろうか。いや、欲張ってはいけない。

「裕理さん。かくかくしかじかだと思うんだーー」
「そうだね。何事もコツコツとだ。……ああ、久弥から電話だぞ」
「うん。出るよーー。もしもしーー」

 早速電話に出ると、久弥から、新米のおすそ分けを貰えることになった。サエキ酒造の取引先から沢山送って貰ったそうだ。そこで、俺達に半分受け取ってくれという。つい最近、お米を買ったばかりだということで、美味しいうちに食べたいということだ。俺達は大食いだから助かる。

「もちろん頂くよ!取りに行くからね!え?いいの?運んでくれるの?重い物を持ったらいけないよーー。裕理さんと行くからさ」
「……そうか?お母さーん。悠人達が取りに来てくれるってさーー」

 電話の向こうで、久弥がお母さんに俺達の来訪を伝えている。お昼前がいいということで、早速向かうことにした。徒歩で5分の距離である。もちろん早瀬の返事もオッケーだ。

「そういうことだから、今から行くよ」
「ああ、待っている。饅頭もあるぞ。そうだ、座布団作りはどうなった?」
「出来上がったよ!持って行こうか?」
「いや、写真で構わない。また今度、そっちに行く」
「オッケー。じゃあね!」

 プツ。電話が終わった後、出かける支度を始めた。田中屋のロールパンを土産にする。ハロウィン限定のかぼちゃ食パンもセットにした。それと、買ってきたばかりの紅茶も袋に入れた。

「ふむふむ。これだけあったらいいかな?」
「20キロの米か。久弥なら持てるだろうけど、持たせたくないなあ」
「そうだよねーー。まさか、お母さんが持ってこようとしたとか……。あれ?今度はラインだ。夏樹からだよーー。ふむふむ。またお米だよ!黒崎家のお父さんに、沢山届いたんだって。今年は豊作だったっけ?」
「いや、ニュースではそう言っていなかった。例年通りだそうだ。ふむふむ、20キロの米か……。黒崎家でも買ったばかりだから、美味しいうちに食べたいからってことか。うちに集まってきたね」
「うん。大黒様のおかげかなーー?」

 どうしよう?俺達としては大助かりだ。いつもと違う米も食べてみたい。そこで、佐伯家に取りに行った後で、夏樹の元に行くことにした。それなら土産がいるだろう。そこで、同じく、ロールパンと食パンと紅茶をセットにして袋に詰めた。夏樹達も田中屋が好きだから。喜んで貰えるだろう。

 そして、俺達は出発した。佐伯家と黒崎家にお米を受け取りに。スマホには今朝もう一度写した大黒様を保存してある。これを見た夏樹と久弥にも良いことがあるようにと願いながら。以上、大黒様の座布団作りの思い出である。

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