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今、真羽と二人で正門に向かっているところだ。キッチンメイカーズの話をしている。コーンスープが美味しかったから、他のスープもテイクアウトしよう思っている。しかし、昼に売り切れるなら、行っても無いかも知れない。それなら日曜日の午前中に店に行けばいいかと思った。そこで、俺と早瀬は一緒に暮らしているのだと実感した。
「しんばー。キッチンメイカーズって、日曜日は休みだったっけ?」
「午前中は開いているよ。でも、すぐにおかずが売り切れるんだ。コーンスープ、気に入ってくれたんだね」
「うん。すごく美味しかったよ。おかわりしたんだ。カボチャのスープもあったよね?」
「あるよ。コンソメとカボチャとコーンスープの3種類だよ。予約も出来るよ」
「そうなのかーー。予約しようっと」
コンソメスープも飲んでみたい。そして、自分も作ってみたいと思った。真羽は料理をするのだろうか。
「真羽って料理する?」
「たまにするよ。あ、電話が鳴っているよ」
「あ、裕理さんからだ!げえええっ。ラインを返さなかったからだ!」
すっかり忘れていた。早瀬からのラインに返事をすることを。今日の帰りのことが書いてあったはずだ。
「もしもし。ごめん。ラインを返さなくて」
「何かあったのか?」
「うん。夏樹が来ていたんだ。黒崎さんが一階の店で待ってくれていたから、長い時間は話していないけど。予定通り、月曜日から来られるって」
「よかった。今日の帰りにキッチンメイカーズに寄っていく。カボチャのスープとコンソメスープを予約しておいた。他に食べたい料理は無いか聞きたかったんだ」
「そうなんだね。今、真羽から、予約できるって聞いたところだったんだ。大根の煮物がおすすめだって聞いたよ」
「そうか。それを買う。そうだ。薄味の料理も食べたい。大根の煮物が美味しいって言っていただろう」
「うん。それじゃあ、今日、買って帰るよ。両方食べようよ」
「荷物が大変じゃ無いのか?」
「食べたくなったんだ。保冷バッグも売っているからさ。小さめのやつ。欲しいって言っていただろ。買っていくよ。保冷剤もあるよ」
「そうか。じゃあ、頼む。春菊のおひたしも」
「今日あったよ。じゃあねーー」
電話を切った。引き返して薄味に行き、料理を買っていくことにした。すると、真羽が自分も恋人が欲しいと言い出した。そこで、山崎のことが思い浮かんだ。山崎は真羽への気持ちを隠さず、最近よくデートに誘っている。真羽に恋心を寄せているのだと言っていた。
「しんばーー。山崎とはどうなったんだよ?山崎の冗談だったの?好きってやつ」
「山崎は本気だよ。でも、冗談みたいに聞こえるよね。友達だよ」
「そっか、相談に乗るよ」
「ありがとう。あ、飛行機雲だよ!」
「ほんとだ。長いなあ」
空には飛行機雲が出ていた。それを眺めながら、薄味へと戻っていった。真羽も付き合ってくれた。保冷バッグは最初に決めたとおり、ストライプ柄を選んだ。今日はキッチンメイカーズの料理もあるから、少なめにおかずを買うことにした。そして、二人で食べる料理を買った後、大学を出た。夏の楽しい予定を思い浮かべながら。
「しんばー。キッチンメイカーズって、日曜日は休みだったっけ?」
「午前中は開いているよ。でも、すぐにおかずが売り切れるんだ。コーンスープ、気に入ってくれたんだね」
「うん。すごく美味しかったよ。おかわりしたんだ。カボチャのスープもあったよね?」
「あるよ。コンソメとカボチャとコーンスープの3種類だよ。予約も出来るよ」
「そうなのかーー。予約しようっと」
コンソメスープも飲んでみたい。そして、自分も作ってみたいと思った。真羽は料理をするのだろうか。
「真羽って料理する?」
「たまにするよ。あ、電話が鳴っているよ」
「あ、裕理さんからだ!げえええっ。ラインを返さなかったからだ!」
すっかり忘れていた。早瀬からのラインに返事をすることを。今日の帰りのことが書いてあったはずだ。
「もしもし。ごめん。ラインを返さなくて」
「何かあったのか?」
「うん。夏樹が来ていたんだ。黒崎さんが一階の店で待ってくれていたから、長い時間は話していないけど。予定通り、月曜日から来られるって」
「よかった。今日の帰りにキッチンメイカーズに寄っていく。カボチャのスープとコンソメスープを予約しておいた。他に食べたい料理は無いか聞きたかったんだ」
「そうなんだね。今、真羽から、予約できるって聞いたところだったんだ。大根の煮物がおすすめだって聞いたよ」
「そうか。それを買う。そうだ。薄味の料理も食べたい。大根の煮物が美味しいって言っていただろう」
「うん。それじゃあ、今日、買って帰るよ。両方食べようよ」
「荷物が大変じゃ無いのか?」
「食べたくなったんだ。保冷バッグも売っているからさ。小さめのやつ。欲しいって言っていただろ。買っていくよ。保冷剤もあるよ」
「そうか。じゃあ、頼む。春菊のおひたしも」
「今日あったよ。じゃあねーー」
電話を切った。引き返して薄味に行き、料理を買っていくことにした。すると、真羽が自分も恋人が欲しいと言い出した。そこで、山崎のことが思い浮かんだ。山崎は真羽への気持ちを隠さず、最近よくデートに誘っている。真羽に恋心を寄せているのだと言っていた。
「しんばーー。山崎とはどうなったんだよ?山崎の冗談だったの?好きってやつ」
「山崎は本気だよ。でも、冗談みたいに聞こえるよね。友達だよ」
「そっか、相談に乗るよ」
「ありがとう。あ、飛行機雲だよ!」
「ほんとだ。長いなあ」
空には飛行機雲が出ていた。それを眺めながら、薄味へと戻っていった。真羽も付き合ってくれた。保冷バッグは最初に決めたとおり、ストライプ柄を選んだ。今日はキッチンメイカーズの料理もあるから、少なめにおかずを買うことにした。そして、二人で食べる料理を買った後、大学を出た。夏の楽しい予定を思い浮かべながら。
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