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野外ステージの端に立っている。打ち合わせを済ませたところだ。せっかくだからと、ステージからの眺めを見て行こうという話になった。休憩中ということもあり、観客席は人が少なくなっていた。
夏樹と2人で、ステージからの眺めを見て、呆気に取られている。ここまで大きいと思わなかった。まばらになった観客席なのに、とにかく人が多い。嬉しいはずが、怖さも出てきた。
「午後は……、もっといっぱい来るよ」
「そうなんだ。お父さん、お母さん……、お義父さんも……」
夏樹が見つけたのは、夏樹の両親と黒崎さんのお父さんの姿だ。伊吹さんが飲み物を抱えて歩いて来た。それぞれに手渡している。すると、夏樹から肩を叩かれた。
「悠人、お父さんが来てくれているよ!」
「え……?どこどこ?」
「すぐそこ……。かき氷を……」
「どこーー?」
どこにいるのだろう?それらしい人はいない。さすがに自分の父親は分かるのに。夏樹から教えられても、全く見当が付かない。
「そこ、すぐ前だよー」
「ひいいいいいっ」
父が夏樹の両親と一緒にいた。Tシャツとジーンズ姿をしている。俺の記憶の中の父は、いつもスーツ姿をしていた。ラフな格好を見たことがない。しかも、夏樹の父と笑いながら話している。ざっくばらんな雰囲気だ。
「そんなに驚かなくても……」
「ラフな格好をしているからだよーー」
さらに信じられない光景を目にした。父がかき氷を食べていた。これも信じられない。家ではワインを飲みながら、チーズを食べている人だった。買い食いなどしたことがないはずだ。今回が初めてのことではないかと思った。
「げええええっ。似合わないーー」
「そんなに言わなくても……」
「何で……、あんなにヤル気なんだよーー?」
父は友達の家のお父さんのように、野球を見ながらビールを飲んでいるような人ではない。ましてや、かき氷を食べているところは見たことがない。お祭りへ連れて行ってもらった記憶すらない。アルバムの写真に存在しないからだ。楽しそうに笑っている姿も初めて見た。俺と母では父に安らぎを与えられなかったことを痛感した。別の場所で手に入れたということだ。それを責める気はない。
(お父さん。やり直すんだね。分かったよ!)
父の姿を見て、腹をくくった。中途半端なことをした男だし、今さらだと思う。また投げ出す可能性だってある。それでも父だ。勝手に涙が出てきた。それを、夏樹が気がつかないふりをしてくれた。
「ゆうとー……」
「あ、ごめん!ぼーっとしてた!」
「人が多いね?」
「なつきーー」
「うん?」
「失敗しても大丈夫だよ!俺だって失敗するかもしれない。だから、一緒に笑おうね!」
「うん!」
何かが吹っ切れたように感じた。この意気込みのまま、控え室へ戻って行った。
夏樹と2人で、ステージからの眺めを見て、呆気に取られている。ここまで大きいと思わなかった。まばらになった観客席なのに、とにかく人が多い。嬉しいはずが、怖さも出てきた。
「午後は……、もっといっぱい来るよ」
「そうなんだ。お父さん、お母さん……、お義父さんも……」
夏樹が見つけたのは、夏樹の両親と黒崎さんのお父さんの姿だ。伊吹さんが飲み物を抱えて歩いて来た。それぞれに手渡している。すると、夏樹から肩を叩かれた。
「悠人、お父さんが来てくれているよ!」
「え……?どこどこ?」
「すぐそこ……。かき氷を……」
「どこーー?」
どこにいるのだろう?それらしい人はいない。さすがに自分の父親は分かるのに。夏樹から教えられても、全く見当が付かない。
「そこ、すぐ前だよー」
「ひいいいいいっ」
父が夏樹の両親と一緒にいた。Tシャツとジーンズ姿をしている。俺の記憶の中の父は、いつもスーツ姿をしていた。ラフな格好を見たことがない。しかも、夏樹の父と笑いながら話している。ざっくばらんな雰囲気だ。
「そんなに驚かなくても……」
「ラフな格好をしているからだよーー」
さらに信じられない光景を目にした。父がかき氷を食べていた。これも信じられない。家ではワインを飲みながら、チーズを食べている人だった。買い食いなどしたことがないはずだ。今回が初めてのことではないかと思った。
「げええええっ。似合わないーー」
「そんなに言わなくても……」
「何で……、あんなにヤル気なんだよーー?」
父は友達の家のお父さんのように、野球を見ながらビールを飲んでいるような人ではない。ましてや、かき氷を食べているところは見たことがない。お祭りへ連れて行ってもらった記憶すらない。アルバムの写真に存在しないからだ。楽しそうに笑っている姿も初めて見た。俺と母では父に安らぎを与えられなかったことを痛感した。別の場所で手に入れたということだ。それを責める気はない。
(お父さん。やり直すんだね。分かったよ!)
父の姿を見て、腹をくくった。中途半端なことをした男だし、今さらだと思う。また投げ出す可能性だってある。それでも父だ。勝手に涙が出てきた。それを、夏樹が気がつかないふりをしてくれた。
「ゆうとー……」
「あ、ごめん!ぼーっとしてた!」
「人が多いね?」
「なつきーー」
「うん?」
「失敗しても大丈夫だよ!俺だって失敗するかもしれない。だから、一緒に笑おうね!」
「うん!」
何かが吹っ切れたように感じた。この意気込みのまま、控え室へ戻って行った。
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