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13時。
3時限目の授業に出るところだ。15時前に終わるから、その頃には黒崎さんの迎えがあるかもしれない。早瀬の病状を聞くことができる。頭の中は早瀬のことでいっぱいだ。夏樹達から話しかけられても、表面上だけで返事をした。授業開始までの時間、夏樹が見つめてきた。視線の先には俺の首筋がある。
「このタオル?汗をかくようになったから、巻いているんだ。体質が変わったかも」
「そうなんだ?」
「うん……」
キスマークを隠すためのタオルだ。恥ずかしいから見られたくない。お互いのパートナーがドン引きするほどのエロさだと知ってもだ。しかし、夏樹の眼鏡の奥が光っている気がしている。ドキマギしている気持ちを誤魔化す様にして、ペットボトルの紅茶を飲んだ。すると、強引にタオルをズラされてしまった。
「ごほっ、ごほっ」
「ごめんね。赤いものがいっぱい出ているよ?」
「うほっ、ごほっ」
やばい。見つかってしまったか。観念して打ち明けようとすると、タオルを取られてしまった。
「ああー。アセモが出来ているから、タオルを取った方がいいよ。ちょうど塗り薬を持っているんだ。使うといいよ」
「ううん。平気」
「かゆいだろー?あれ?充血しているよ。かいたらだめだよ~」
「かかないから!」
せっかく勘違いしてくれたから、最後まで乗り切りたい。キスマークが丸見えだ。また巻こうとすると、夏樹が首筋に指先で触れて覗き込んできた。
「なるほど。深くは追及しないよ。巻いておこうね」
「うん、そうだよね!?」
「うん。禁欲命令は逆効果の可能性が出てきたよ。我慢させると、大変なことになると思う。営むのは毎晩がいいと思う」
「夏樹。それ以上言わないでよ」
「エロい早瀨さんの発言に慣れたらさーー」
「なつきーー。口を閉じてよ……」
「うん?こうひゅ?」
夏樹が唇を吸い込んでしまいこんだ。梅干を食べて酸っぱい時のような顔になった後、教科書を開き始めた。
「なつきー。普通の表情に戻してよ。……ん?お父さんからラインが入った」
ラインの内容は、実家を人に貸すというものだった。当面は処分しないようにしてもらったからだ。タイムリミットは卒業までとした。父の恋人の宮田さんが会いたいと言っていることも書かれていた。
(裕理さんの件を話した方がいいよね。後になって、知らなくてすみませんでしたって、謝ることになったらなあ……。普通の親子って感じだ……)
先月のコンテストでは母を庇い、かつ、父に反抗したことで、親子関係に変化が起きた。早瀬からは、支配からの解放だと教えられた。
親のものだと思わせていた自分との別れだ。親からすると、子供が自分のものではないと思い知り、一人の人間として認識する瞬間だとも言っていた。本当にその通りだと思っている。実際に行動に出していない以上、解放されないのだと分かった。
「『裕理さんが会社で怪我をしたよ。後で連絡するからね』……送信」
すぐに既読になった後、父が容体を聞いてきた。まだ分からないものの、入院はせずに済むだろうと答えた。ついでに母からのラインを開いた。用件だけのシンプルなものかと思えば、最近では日常会話を送って来るようになった。
(あの店のパスタが美味しかったわよ。2人で食べに行ってみて)
(スイーツがおいしい)
(成績がいいのは分かっているけど、教えてほしい)
こういう内容だ。今、俺は友達がよく言っていた『親が煩わしい』という体験している。嬉しいような嬉しくないような、半々の気分だ。すると、夏樹が言った。
「黒崎さんから連絡が来たよ。この授業が終わった頃に迎えに来るよ。学食のそばのカフェで待っていようね」
「そっか……」
「大丈夫だよ。もっと大変なことになっていたら、病院に呼ぶと思うんだ……」
「ありがとう」
3時限目の授業が終わると、気持ちが落ち着いていた。さっそく待ち合わせ場所のカフェへ向かった。
3時限目の授業に出るところだ。15時前に終わるから、その頃には黒崎さんの迎えがあるかもしれない。早瀬の病状を聞くことができる。頭の中は早瀬のことでいっぱいだ。夏樹達から話しかけられても、表面上だけで返事をした。授業開始までの時間、夏樹が見つめてきた。視線の先には俺の首筋がある。
「このタオル?汗をかくようになったから、巻いているんだ。体質が変わったかも」
「そうなんだ?」
「うん……」
キスマークを隠すためのタオルだ。恥ずかしいから見られたくない。お互いのパートナーがドン引きするほどのエロさだと知ってもだ。しかし、夏樹の眼鏡の奥が光っている気がしている。ドキマギしている気持ちを誤魔化す様にして、ペットボトルの紅茶を飲んだ。すると、強引にタオルをズラされてしまった。
「ごほっ、ごほっ」
「ごめんね。赤いものがいっぱい出ているよ?」
「うほっ、ごほっ」
やばい。見つかってしまったか。観念して打ち明けようとすると、タオルを取られてしまった。
「ああー。アセモが出来ているから、タオルを取った方がいいよ。ちょうど塗り薬を持っているんだ。使うといいよ」
「ううん。平気」
「かゆいだろー?あれ?充血しているよ。かいたらだめだよ~」
「かかないから!」
せっかく勘違いしてくれたから、最後まで乗り切りたい。キスマークが丸見えだ。また巻こうとすると、夏樹が首筋に指先で触れて覗き込んできた。
「なるほど。深くは追及しないよ。巻いておこうね」
「うん、そうだよね!?」
「うん。禁欲命令は逆効果の可能性が出てきたよ。我慢させると、大変なことになると思う。営むのは毎晩がいいと思う」
「夏樹。それ以上言わないでよ」
「エロい早瀨さんの発言に慣れたらさーー」
「なつきーー。口を閉じてよ……」
「うん?こうひゅ?」
夏樹が唇を吸い込んでしまいこんだ。梅干を食べて酸っぱい時のような顔になった後、教科書を開き始めた。
「なつきー。普通の表情に戻してよ。……ん?お父さんからラインが入った」
ラインの内容は、実家を人に貸すというものだった。当面は処分しないようにしてもらったからだ。タイムリミットは卒業までとした。父の恋人の宮田さんが会いたいと言っていることも書かれていた。
(裕理さんの件を話した方がいいよね。後になって、知らなくてすみませんでしたって、謝ることになったらなあ……。普通の親子って感じだ……)
先月のコンテストでは母を庇い、かつ、父に反抗したことで、親子関係に変化が起きた。早瀬からは、支配からの解放だと教えられた。
親のものだと思わせていた自分との別れだ。親からすると、子供が自分のものではないと思い知り、一人の人間として認識する瞬間だとも言っていた。本当にその通りだと思っている。実際に行動に出していない以上、解放されないのだと分かった。
「『裕理さんが会社で怪我をしたよ。後で連絡するからね』……送信」
すぐに既読になった後、父が容体を聞いてきた。まだ分からないものの、入院はせずに済むだろうと答えた。ついでに母からのラインを開いた。用件だけのシンプルなものかと思えば、最近では日常会話を送って来るようになった。
(あの店のパスタが美味しかったわよ。2人で食べに行ってみて)
(スイーツがおいしい)
(成績がいいのは分かっているけど、教えてほしい)
こういう内容だ。今、俺は友達がよく言っていた『親が煩わしい』という体験している。嬉しいような嬉しくないような、半々の気分だ。すると、夏樹が言った。
「黒崎さんから連絡が来たよ。この授業が終わった頃に迎えに来るよ。学食のそばのカフェで待っていようね」
「そっか……」
「大丈夫だよ。もっと大変なことになっていたら、病院に呼ぶと思うんだ……」
「ありがとう」
3時限目の授業が終わると、気持ちが落ち着いていた。さっそく待ち合わせ場所のカフェへ向かった。
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