99 / 259
9-2
しおりを挟む
ガタン、カタカタ……。
早瀬と一緒にお風呂に入っている。夏樹からのアドバイス通り、髪の毛を洗う手伝いをしている。後で背中も洗う予定だ。早瀬が座っている椅子の後ろに立ち、カシャカシャと頭を洗っている。
「裕理さん、かゆいところはない?」
「もうないよ」
「流すよー」
ザーー、ザーー。キュ。
シャワーをぶっかけて泡を洗い流すと、豪快だなと言って笑われてしまった。それはそうだ。さっさと終わらせたい。さっきから体に触られているからだ。
「背中を洗うから……、じっとしていてよ」
「していられない」
「エロいことしか言わないよね?」
「男だからね」
「もう……」
背中を洗ってあげると、もっと手伝えと言われた。仕方がないから洗ってあげた。さあ、シャワーで洗い流そう。お湯を出そうとすると、右手で抱き寄せられた。
「ちょっと……」
「色気がありすぎる」
「何のことだよ?何をやっているんだよーー」
「エロいこと」
「……っ」
早瀬の唇がわき腹に触れた。そのまま吸い付かれて、体が震えた。怪我をしている人だ。無理なことはさせたくない。
「だめだよ。こんなことしていたら治らないから」
「こんなことをするから治りが早くなるんだよ」
「もう……」
「はいはい。俺が悪かった」
そう言いつつもキスをしてきた。押しのけようとすると、怪我をしている左手を見て、留まった。なるべく優しく押しのけて、バスルームから連れ出した。早瀬は残念そうにしながら微笑んでいた。俺の気も知らないでと言うと、頭を撫でられた。
早瀬と一緒にお風呂に入っている。夏樹からのアドバイス通り、髪の毛を洗う手伝いをしている。後で背中も洗う予定だ。早瀬が座っている椅子の後ろに立ち、カシャカシャと頭を洗っている。
「裕理さん、かゆいところはない?」
「もうないよ」
「流すよー」
ザーー、ザーー。キュ。
シャワーをぶっかけて泡を洗い流すと、豪快だなと言って笑われてしまった。それはそうだ。さっさと終わらせたい。さっきから体に触られているからだ。
「背中を洗うから……、じっとしていてよ」
「していられない」
「エロいことしか言わないよね?」
「男だからね」
「もう……」
背中を洗ってあげると、もっと手伝えと言われた。仕方がないから洗ってあげた。さあ、シャワーで洗い流そう。お湯を出そうとすると、右手で抱き寄せられた。
「ちょっと……」
「色気がありすぎる」
「何のことだよ?何をやっているんだよーー」
「エロいこと」
「……っ」
早瀬の唇がわき腹に触れた。そのまま吸い付かれて、体が震えた。怪我をしている人だ。無理なことはさせたくない。
「だめだよ。こんなことしていたら治らないから」
「こんなことをするから治りが早くなるんだよ」
「もう……」
「はいはい。俺が悪かった」
そう言いつつもキスをしてきた。押しのけようとすると、怪我をしている左手を見て、留まった。なるべく優しく押しのけて、バスルームから連れ出した。早瀬は残念そうにしながら微笑んでいた。俺の気も知らないでと言うと、頭を撫でられた。
0
あなたにおすすめの小説
恋人はメリーゴーランド少年だった~永遠の誓い編
夏目奈緖
BL
「恋人はメリーゴーランド少年だった」続編です。溺愛ドS社長×高校生。恋人同士になった二人の同棲物語。束縛と独占欲。。夏樹と黒崎は恋人同士。夏樹は友人からストーカー行為を受け、車へ押し込まれようとした際に怪我を負った。夏樹のことを守れずに悔やんだ黒崎は、二度と傷つけさせないと決心し、夏樹と同棲を始める。その結果、束縛と独占欲を向けるようになった。黒崎家という古い体質の家に生まれ、愛情を感じずに育った黒崎。結びつきの強い家庭環境で育った夏樹。お互いの価値観のすれ違いを経験し、お互いのトラウマを解消するストーリー。
今日は少し、遠回りして帰ろう【完】
新羽梅衣
BL
「どうしようもない」
そんな言葉がお似合いの、この感情。
捨ててしまいたいと何度も思って、
結局それができずに、
大事にだいじにしまいこんでいる。
だからどうかせめて、バレないで。
君さえも、気づかないでいてほしい。
・
・
真面目で先生からも頼りにされている枢木一織は、学校一の問題児・三枝頼と同じクラスになる。正反対すぎて関わることなんてないと思っていた一織だったが、何かにつけて頼は一織のことを構ってきて……。
愛が重たい美形×少しひねくれ者のクラス委員長、青春ラブストーリー。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
新緑の少年
東城
BL
大雨の中、車で帰宅中の主人公は道に倒れている少年を発見する。
家に連れて帰り事情を聞くと、少年は母親を刺したと言う。
警察に連絡し同伴で県警に行くが、少年の身の上話に同情し主人公は少年を一時的に引き取ることに。
悪い子ではなく複雑な家庭環境で追い詰められての犯行だった。
日々の生活の中で交流を深める二人だが、ちょっとしたトラブルに見舞われてしまう。
少年と関わるうちに恋心のような慈愛のような不思議な感情に戸惑う主人公。
少年は主人公に対して、保護者のような気持ちを抱いていた。
ハッピーエンドの物語。
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる