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早瀬の背中のTシャツを掴んだ。そうせざるを得ないぐらい、覆いかぶさるようにされたからだ。何とか両足で踏ん張って支えた。それでもヨロけてしまい、ソファーの背に倒れ込むと、早瀬が慌てて起き上がった。
「ごめん。大丈夫か?」
「うん、平気だよ。立っていないで座ろうよ」
「じゃあ、ベッドへ行こう」
「仕事があるだろ、こっちにしよう」
早瀬の手を引っ張って、ソファーへ座らせた。そして、彼の肩に触れるようにして自分も座ると、覆いかぶさって押し倒れされた。余裕が無い感じがする。付き合ってきた人のことで後悔しているのだろうか。俺とも同じにならないようにと考えているのだろうか。だから、思い切って聞くことにした。
「裕理さん。付き合ってきた人にフラれてきたんだよね?良い思い出じゃないよね。何人、そんなことがあったんだよ?」
「今まで付き合ってきた相手は、10人以上いる」
「寂しかっただろ?好きだったんだろ?」
自分に置き換えると胸が痛い。すれ違いそうになって、さっきのように踏ん張れなかったのかもしれない。自分たちはクリアしたと思った。
「もちろん好きだった。でも悠人君に対してとは違っているよ。居なくなったらどうしようとまでとは思っていなかった。そういう気持ちが伝わったんだろう。もっと自分を見てくれる人を選ぶのは仕方がない」
「うん……」
佐久弥が言っていた。俺ならどこにでも連れて行く。寂しくさせないとも言っていた。
「裕理さん。俺は裕理さんのこと、初恋みたいなものなんだよ。だからよく分からなくて、どうしていいのかモヤモヤしてたんだ。もしかしたら、裕理さんも同じなんじゃないの?さっきから聞いていると、似たようなことを言っているよ」
「俺も気がついたよ。俺の方だけ見てほしい。他の奴と楽しそうにしないでほしい。了見の狭い男だ」
その話を聞いて、あることが思い浮かんだ。保育園に通っていた時に見聞きした覚えがあるから、吹き出してしまった。
「ぷぷぷっ。それって保育園児みたいだね?好きな子に、自分以外の子と遊ぶなって言うんだよ。仲良くするな。こっち向けって気を引くんだよ。まさにそれだよ。そう思わない?」
「う……っ」
「へへへー。大きな子供だよ!30過ぎた人が園児だってさ。今どきの子なら、もっと大人びているかもね?」
「そう苛めるな。どうしていいのか分からない」
「『結婚しよう』っていうのも、両想いの園児同士が言っていたよ。大人になったら結婚するの!ってさ。ますます園児だよ」
「ああ……、もう」
早瀬が抱きついて来た。俺の首筋に顔を埋めて、恥ずかしがっているようだ。ますます可愛いと思った。
「おまけさー、ご飯を食べに行って、2回目で告白されたよ。それも小さい子が言いそうじゃない?好きになったから、恥ずかしがらずに言うんだ」
バシバシ!背中を叩いて笑っていると、両方の手首を掴まれた。
「ええ?なに?」
「大人をイジメた罰だ」
「ちょっと……わわっ」
クッションに手首を押し付けられて、深いキスをされた。今まで我慢してきたような思いが詰め込まれたかのようだった。それは自分も同じで、呼吸ごと奪うようにキスを返した。
「ん……、はあ……」
「悠人、もっとこっちにおいで」
熱量に押されて体が逃げていたようだ。ソファーから落ちそうになった体を元の位置に戻された。すっかり息が上がってしまうと、早瀬がキスをやめて微笑んできた。
「ごめんね。唇が赤くなっているよ」
「平気……」
「どんなに色っぽくなっているか、自覚していないだろう?普段とこういう時の君は別人だよ。翻弄されるこっちの身になれ」
「なんだよー?裕理さんだって、仕事モードの時は別人だよ。怖かったんだよ?」
「そうか?大して変わらないはずだ」
「あんな大きな会社で出世するんだよ?怖いんじゃないの?」
「そうでもない。ただの管理職だよ。下と上に挟まれて胃が痛くなる、ただの男だ」
「ぷぷぷっ。今、笑っているのに?本当は違うんだよね?」
「いや?」
しばらく、そのまま寝転がった。キスをしながら、今までにどんなことを考えてきたのかを話し合った。
「今日までのお詫びで埋め合わせをしたい。だいぶ前に、君が欲しいものを聞いたことがあっただろう。思いついたのか?」
「ううん。思いついていないよ」
「何かやってほしいことは?」
「ううん。今のままで大丈夫」
「俺のことを困らせてほしい。駄々をこねろ。『もっと抱け。足りない』でもいい」
「それは裕理さんの希望じゃん!」
バシバシ!背中を叩いてやると笑っていた。その息が首筋にかかり、くすぐったく感じた。
「ゆうとくーん?どうしたんですか?」
「何でもないってば。仕事に戻ったら?……そうだ。仕事をしているところが見たい。書斎で見ていてもいい?今夜だけでいいから」
「もちろんいいよ。一緒にいてほしいと思っていた」
「えー?そうだったんだ?言ってよ」
「ギターの練習をしているだろう?」
「そっちだって、遠慮しているだろー」
「そうだね……」
「ぷぷぷっ、お互い様だね」
早瀬の頬にキスをすると、額にお返しをされた。これで仲直りかな?と、早瀬が聞いてきた。もちろんだと、俺は答えた。
「ごめん。大丈夫か?」
「うん、平気だよ。立っていないで座ろうよ」
「じゃあ、ベッドへ行こう」
「仕事があるだろ、こっちにしよう」
早瀬の手を引っ張って、ソファーへ座らせた。そして、彼の肩に触れるようにして自分も座ると、覆いかぶさって押し倒れされた。余裕が無い感じがする。付き合ってきた人のことで後悔しているのだろうか。俺とも同じにならないようにと考えているのだろうか。だから、思い切って聞くことにした。
「裕理さん。付き合ってきた人にフラれてきたんだよね?良い思い出じゃないよね。何人、そんなことがあったんだよ?」
「今まで付き合ってきた相手は、10人以上いる」
「寂しかっただろ?好きだったんだろ?」
自分に置き換えると胸が痛い。すれ違いそうになって、さっきのように踏ん張れなかったのかもしれない。自分たちはクリアしたと思った。
「もちろん好きだった。でも悠人君に対してとは違っているよ。居なくなったらどうしようとまでとは思っていなかった。そういう気持ちが伝わったんだろう。もっと自分を見てくれる人を選ぶのは仕方がない」
「うん……」
佐久弥が言っていた。俺ならどこにでも連れて行く。寂しくさせないとも言っていた。
「裕理さん。俺は裕理さんのこと、初恋みたいなものなんだよ。だからよく分からなくて、どうしていいのかモヤモヤしてたんだ。もしかしたら、裕理さんも同じなんじゃないの?さっきから聞いていると、似たようなことを言っているよ」
「俺も気がついたよ。俺の方だけ見てほしい。他の奴と楽しそうにしないでほしい。了見の狭い男だ」
その話を聞いて、あることが思い浮かんだ。保育園に通っていた時に見聞きした覚えがあるから、吹き出してしまった。
「ぷぷぷっ。それって保育園児みたいだね?好きな子に、自分以外の子と遊ぶなって言うんだよ。仲良くするな。こっち向けって気を引くんだよ。まさにそれだよ。そう思わない?」
「う……っ」
「へへへー。大きな子供だよ!30過ぎた人が園児だってさ。今どきの子なら、もっと大人びているかもね?」
「そう苛めるな。どうしていいのか分からない」
「『結婚しよう』っていうのも、両想いの園児同士が言っていたよ。大人になったら結婚するの!ってさ。ますます園児だよ」
「ああ……、もう」
早瀬が抱きついて来た。俺の首筋に顔を埋めて、恥ずかしがっているようだ。ますます可愛いと思った。
「おまけさー、ご飯を食べに行って、2回目で告白されたよ。それも小さい子が言いそうじゃない?好きになったから、恥ずかしがらずに言うんだ」
バシバシ!背中を叩いて笑っていると、両方の手首を掴まれた。
「ええ?なに?」
「大人をイジメた罰だ」
「ちょっと……わわっ」
クッションに手首を押し付けられて、深いキスをされた。今まで我慢してきたような思いが詰め込まれたかのようだった。それは自分も同じで、呼吸ごと奪うようにキスを返した。
「ん……、はあ……」
「悠人、もっとこっちにおいで」
熱量に押されて体が逃げていたようだ。ソファーから落ちそうになった体を元の位置に戻された。すっかり息が上がってしまうと、早瀬がキスをやめて微笑んできた。
「ごめんね。唇が赤くなっているよ」
「平気……」
「どんなに色っぽくなっているか、自覚していないだろう?普段とこういう時の君は別人だよ。翻弄されるこっちの身になれ」
「なんだよー?裕理さんだって、仕事モードの時は別人だよ。怖かったんだよ?」
「そうか?大して変わらないはずだ」
「あんな大きな会社で出世するんだよ?怖いんじゃないの?」
「そうでもない。ただの管理職だよ。下と上に挟まれて胃が痛くなる、ただの男だ」
「ぷぷぷっ。今、笑っているのに?本当は違うんだよね?」
「いや?」
しばらく、そのまま寝転がった。キスをしながら、今までにどんなことを考えてきたのかを話し合った。
「今日までのお詫びで埋め合わせをしたい。だいぶ前に、君が欲しいものを聞いたことがあっただろう。思いついたのか?」
「ううん。思いついていないよ」
「何かやってほしいことは?」
「ううん。今のままで大丈夫」
「俺のことを困らせてほしい。駄々をこねろ。『もっと抱け。足りない』でもいい」
「それは裕理さんの希望じゃん!」
バシバシ!背中を叩いてやると笑っていた。その息が首筋にかかり、くすぐったく感じた。
「ゆうとくーん?どうしたんですか?」
「何でもないってば。仕事に戻ったら?……そうだ。仕事をしているところが見たい。書斎で見ていてもいい?今夜だけでいいから」
「もちろんいいよ。一緒にいてほしいと思っていた」
「えー?そうだったんだ?言ってよ」
「ギターの練習をしているだろう?」
「そっちだって、遠慮しているだろー」
「そうだね……」
「ぷぷぷっ、お互い様だね」
早瀬の頬にキスをすると、額にお返しをされた。これで仲直りかな?と、早瀬が聞いてきた。もちろんだと、俺は答えた。
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