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午前11時。
黒崎家の庭では、畑作りをする大勢の話し声が聞こえている。ここに引っ越してきたときには寂しい雰囲気だった庭が賑やかになっている。今日の天気は晴れだ。一昨日降った雨で土が濡れているかと思ったけれど、水はけが良くて、すっかり乾いている。湿気も少ない。風も気持ちいい。作業を今日にして良かったと思った。
森本と山崎、真羽が畑全体の土を掘り起こし、粒を細かくしてくれた。遠藤さんと黒崎と早瀨さんが新しい土を運び入れて、俺と悠人で畑全体を平らにした。そして、堆肥を入れる作業を終えた。その光景を眺めているのが伊吹だ。隣に居る聡太郎が伊吹の腰を叩いて、お前も手伝えと言って、怒りだした。それを止めているのが俺だ。
「聡太郎君。お兄ちゃんに何を言っても無駄だよ。手伝わないって決めたら、絶対に動かないんだからさ~」
「それは知っているけどね。いぶきーー、いくら黒崎さんから嫌みを言われたからって、拗ねるなよ!」
伊吹がテラスの椅子に座り、動こうとしない。こうなった原因は黒崎との言い争いだ。伊吹の仕事の業績が上がっていることを黒崎が話題に出したのは良かったけれど、嫌みに聞こえたらしく、伊吹が拗ねてしまった。そういうわけで、伊吹は眺めるだけになっている。黒崎に喧嘩をふっかけようとするから、俺が引き離したのがきっかけだった。
「聡太郎君~。黒崎さんは嫌みを言っていないはずだよ~」
「そうだよねー」
聡太郎が頷いた。黒崎製菓のインターンシップに参加するようになり、黒崎との接点ができたから、だんだんと彼の性格が分かってきているようだ。少しばかり嫌みに聞こえる言い方をするのが、黒崎の親しみがこもった言い方だ。
すると、聡太郎があることを話題に出した。最近、黒崎製菓の営業企画部では、大学生達が、自分が考えた商品の持ち込みをするようになったそうだ。ビジネスコンクールやインターンシップ制度の影響があるそうだ。それで、営業企画部内は活気がでたということだった。俺としては焦る話だ。前に進んでいる子達の話を聞いたからだ。それを知っている聡太郎が笑った。
「夏樹君もインターンシップに参加すると良いよ。黒崎社長から、3日間のコースを教えて貰ったんだろう?」
「うん。セミナーの開催日も聞いたんだ。それにも参加するよ。黒崎さんも講師で出るんだって聞いたよ」
「そうだよ。3日間のコースに出るよ。かっこいいと思うよ」
「うへへ」
黒崎が目当てだなんて、不真面目だろうか。春に黒崎製菓にお使いに行ったとき、黒崎の仕事姿を見ることができた。社長時代とはイメージが変わっていた。社長室に遊びに行った時、黒崎は社長室にこもって仕事をしていた。今は大勢が通りかかるオフィスにいる。以前よりも元気に見えた。どちらの黒崎もかっこいいと思った。
「夏樹君。それにね。黒崎さんに声をかけている女性達のことも分かるようになるよ」
「ええ?社内に居るのかよ?」
「ううん。社外の人だよ。夏樹君の存在を知らない人が居るからね。モテまくっているけど、声をかけられたら、相手がいるって言っているよ。営業企画部の先輩から聞いたよ」
「そうだったんだ~。昨日も怪しいメッセージカードを持って帰ってきたんだよ~。指輪をしているのにな~」
黒崎は会社でもきちんと指輪をしているそうだ。聡太郎から聞いて知ったことだ。こうしてやきもちを焼くのはいけないと思いつつも、つい焼いてしまう。するとその時だ。黒崎がこっちに歩いてきていた。伊吹の機嫌が悪いままだからだと思った。
黒崎家の庭では、畑作りをする大勢の話し声が聞こえている。ここに引っ越してきたときには寂しい雰囲気だった庭が賑やかになっている。今日の天気は晴れだ。一昨日降った雨で土が濡れているかと思ったけれど、水はけが良くて、すっかり乾いている。湿気も少ない。風も気持ちいい。作業を今日にして良かったと思った。
森本と山崎、真羽が畑全体の土を掘り起こし、粒を細かくしてくれた。遠藤さんと黒崎と早瀨さんが新しい土を運び入れて、俺と悠人で畑全体を平らにした。そして、堆肥を入れる作業を終えた。その光景を眺めているのが伊吹だ。隣に居る聡太郎が伊吹の腰を叩いて、お前も手伝えと言って、怒りだした。それを止めているのが俺だ。
「聡太郎君。お兄ちゃんに何を言っても無駄だよ。手伝わないって決めたら、絶対に動かないんだからさ~」
「それは知っているけどね。いぶきーー、いくら黒崎さんから嫌みを言われたからって、拗ねるなよ!」
伊吹がテラスの椅子に座り、動こうとしない。こうなった原因は黒崎との言い争いだ。伊吹の仕事の業績が上がっていることを黒崎が話題に出したのは良かったけれど、嫌みに聞こえたらしく、伊吹が拗ねてしまった。そういうわけで、伊吹は眺めるだけになっている。黒崎に喧嘩をふっかけようとするから、俺が引き離したのがきっかけだった。
「聡太郎君~。黒崎さんは嫌みを言っていないはずだよ~」
「そうだよねー」
聡太郎が頷いた。黒崎製菓のインターンシップに参加するようになり、黒崎との接点ができたから、だんだんと彼の性格が分かってきているようだ。少しばかり嫌みに聞こえる言い方をするのが、黒崎の親しみがこもった言い方だ。
すると、聡太郎があることを話題に出した。最近、黒崎製菓の営業企画部では、大学生達が、自分が考えた商品の持ち込みをするようになったそうだ。ビジネスコンクールやインターンシップ制度の影響があるそうだ。それで、営業企画部内は活気がでたということだった。俺としては焦る話だ。前に進んでいる子達の話を聞いたからだ。それを知っている聡太郎が笑った。
「夏樹君もインターンシップに参加すると良いよ。黒崎社長から、3日間のコースを教えて貰ったんだろう?」
「うん。セミナーの開催日も聞いたんだ。それにも参加するよ。黒崎さんも講師で出るんだって聞いたよ」
「そうだよ。3日間のコースに出るよ。かっこいいと思うよ」
「うへへ」
黒崎が目当てだなんて、不真面目だろうか。春に黒崎製菓にお使いに行ったとき、黒崎の仕事姿を見ることができた。社長時代とはイメージが変わっていた。社長室に遊びに行った時、黒崎は社長室にこもって仕事をしていた。今は大勢が通りかかるオフィスにいる。以前よりも元気に見えた。どちらの黒崎もかっこいいと思った。
「夏樹君。それにね。黒崎さんに声をかけている女性達のことも分かるようになるよ」
「ええ?社内に居るのかよ?」
「ううん。社外の人だよ。夏樹君の存在を知らない人が居るからね。モテまくっているけど、声をかけられたら、相手がいるって言っているよ。営業企画部の先輩から聞いたよ」
「そうだったんだ~。昨日も怪しいメッセージカードを持って帰ってきたんだよ~。指輪をしているのにな~」
黒崎は会社でもきちんと指輪をしているそうだ。聡太郎から聞いて知ったことだ。こうしてやきもちを焼くのはいけないと思いつつも、つい焼いてしまう。するとその時だ。黒崎がこっちに歩いてきていた。伊吹の機嫌が悪いままだからだと思った。
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