207 / 283
27-2
しおりを挟む
午前7時。
朝ご飯を食べ終えて、お互いの朝の日課をしようとリビングへ移動した。でも、何となくイチャついている。黒崎の胸へ背中を預けると、抱き寄せられて、こめかみにキスをされた。テレビでは占いコーナーが始まったところだ。12匹のウサギが、スタートダッシュをした。
「今日の1位はおひつじ座だ!」
「俺は3位か。まあまあだ」
「おひつじ座……、今日は買い物に行きましょう。素敵なものが見つかりそう……。だってさ」
「ちょうどいい。大学の帰りに浅草へ寄るだろう?」
「うん。藤沢も合流できるかも。試験前の息抜きだよ」
「ゆっくりしてきていいぞ」
「夕方には帰って来るよ。今日は……」
「……冷蔵庫記念日だったな」
「もっと素敵な言い方にしろよ。恋人記念日だよ」
「大事な日だ」
「黒崎さん……」
そろそろ黒崎が出勤の支度をするから、これ以上はイチャつけない。ソファーに寝転がって寝返りを打って向かい合うと、黒崎からキスをされた。そして、頼み事があると言われた。一体何だろう。
「夏樹、あのうちわを使うのをやめてくれ」
「うちわって?」
「そこに置いてあるやつだ」
「ダメだよ~」
それは手づくりうちわのことだ。作成キットを買ってきて、好きなデザインの紙を貼りつけるものだ。黒崎宛のメッセージカードを台紙に張り付けて作って、大学でも使っている。
「最初はあんたへの嫌みのつもりだったけど、使い勝手がいいから、気に入っているんだよ。ちゃんと電話番号とラインIDは塗りつぶしているよ。名前もね」
「どうして作ったんだ?嫌みなら言っているだろう」
「誰から送られたものか、覚えておきたいからだよ」
「……」
「2回目以降の人がいないか、チェックするためだよ」
「……」
「もう一枚、作れそうだよ」
「……」
「どう?聞いている?」
「名刺は断れない。裏にプライベートの番号が書いてあってもだ」
「いいよ、仕事だもん。俺はあんたの門番だから」
「我儘を聞いてやるから、使うのをやめてくれ」
「ふうん。……そろそろ支度する時間だよ。間に合わなくなるよ」
壁の時計を見て慌てて起き上がった。黒崎の方は急いだ様子がなく、ちゃんと時間を見ていたそうだ。俺の機嫌が直る時間も計っているそうだ。だったら日頃から怒らせることを言うなと言って唇を尖らせると、思いきり優しく見つめられたから、何も言えなくなってしまった。
朝ご飯を食べ終えて、お互いの朝の日課をしようとリビングへ移動した。でも、何となくイチャついている。黒崎の胸へ背中を預けると、抱き寄せられて、こめかみにキスをされた。テレビでは占いコーナーが始まったところだ。12匹のウサギが、スタートダッシュをした。
「今日の1位はおひつじ座だ!」
「俺は3位か。まあまあだ」
「おひつじ座……、今日は買い物に行きましょう。素敵なものが見つかりそう……。だってさ」
「ちょうどいい。大学の帰りに浅草へ寄るだろう?」
「うん。藤沢も合流できるかも。試験前の息抜きだよ」
「ゆっくりしてきていいぞ」
「夕方には帰って来るよ。今日は……」
「……冷蔵庫記念日だったな」
「もっと素敵な言い方にしろよ。恋人記念日だよ」
「大事な日だ」
「黒崎さん……」
そろそろ黒崎が出勤の支度をするから、これ以上はイチャつけない。ソファーに寝転がって寝返りを打って向かい合うと、黒崎からキスをされた。そして、頼み事があると言われた。一体何だろう。
「夏樹、あのうちわを使うのをやめてくれ」
「うちわって?」
「そこに置いてあるやつだ」
「ダメだよ~」
それは手づくりうちわのことだ。作成キットを買ってきて、好きなデザインの紙を貼りつけるものだ。黒崎宛のメッセージカードを台紙に張り付けて作って、大学でも使っている。
「最初はあんたへの嫌みのつもりだったけど、使い勝手がいいから、気に入っているんだよ。ちゃんと電話番号とラインIDは塗りつぶしているよ。名前もね」
「どうして作ったんだ?嫌みなら言っているだろう」
「誰から送られたものか、覚えておきたいからだよ」
「……」
「2回目以降の人がいないか、チェックするためだよ」
「……」
「もう一枚、作れそうだよ」
「……」
「どう?聞いている?」
「名刺は断れない。裏にプライベートの番号が書いてあってもだ」
「いいよ、仕事だもん。俺はあんたの門番だから」
「我儘を聞いてやるから、使うのをやめてくれ」
「ふうん。……そろそろ支度する時間だよ。間に合わなくなるよ」
壁の時計を見て慌てて起き上がった。黒崎の方は急いだ様子がなく、ちゃんと時間を見ていたそうだ。俺の機嫌が直る時間も計っているそうだ。だったら日頃から怒らせることを言うなと言って唇を尖らせると、思いきり優しく見つめられたから、何も言えなくなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】
まつも☆きらら
BL
突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜
たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話
純白のレゾン
雨水林檎
BL
《日常系BL風味義理親子(もしくは兄弟)な物語》
この関係は出会った時からだと、数えてみればもう十年余。
親子のようにもしくは兄弟のようなささいな理由を含めて、少しの雑音を聴きながら今日も二人でただ生きています。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※表紙をAI君に描いてもらいました。(2026.2.21)
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる