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27-4(黒崎視点)
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午前8時。
これから出社するところだ。タクシーに乗り込んだ後、早々にメールチェックを済ませた。そして、来月のスケジュールを開いて確認した。家を留守にする日が多い。今月は予定を多めに入れてある。多忙だが、来月、夏樹とコンサートを見に行くためだ。ここで乗り切っておく。そして、バンドコンテストもある。もちろん見に行く。
やっと本気でやりたいことを見つけたと言って、夏樹が両目を輝かせていた光景が目に焼き付いている。とてもいい記憶だ。一か月前のあの日、悠人の作曲した旋律で歌った夏樹は手応えを感じていた。聴いている自分も納得した。あの2人はこれからも上手くいくと思った。
夏樹はバンドの練習時間を増やし、家でも歌う時間が増えた。ボイストレーニングに通わせようと考えている。夏樹には伝えていない。大学の期末試験が終わった後にする。どこかへ行くような気がして、何もさせたくないのが本音だった。バンド活動を始めるときにも渋った。いつも家にいて欲しいからだ。
(それではまるで母のようになる。夏樹の息が詰まる。黒崎家に閉じ込めてばかりではいけない……)
黒崎家に住むようになり、親戚や取り巻いている者から、夏樹が注目を浴びるようになった。その関連もあり、親父が黒崎製菓グループで育てたいと言い出した。それは、これから先の事を考えてのことだ。もし俺と父が居なくなった後、夏樹が一人で立てるようにするためだ。
父は、夏樹を大学生のインターンシップ制度に参加させたがっている。それは短期間の研修のような形のものだ。それをきっかけにして、長期のコースにも入れたいと言っている。それは業務を行うも同じだ。
夏樹の意志を聞いてみると、やりたがっていた。俺に気を遣っている様子はない。これまでも、レストランで出すデザートを提案してもらっていた。その経験から、興味を持ったと言っていた。
(一緒に居たくて使った口実だったが……)
俺の本心としては、インターンへ参加させたくない。自分だけのものにしたいからだ。それは間違いだと自覚している。今回は短期での参加だ。とは言え、バンドと学業にインターンシップが重なると、夏樹の体が心配だ。家の中でも、彼の姿が見えないだけで探し回っている。やり過ぎだとは思っている。
もうすぐで黒崎製菓に到着する。スケジュール帳を閉じて、タクシーから降りる準備をした。するとその時だ。携帯に着信が入った。父の家の番号だ。まさか夏樹に何かあったのか?
「……山崎さんか。……もしもし、圭一です。え……」
急いで電話を取ると、山崎さんからの電話だと分かり、話を聞き、目の前が霞む感覚が起こった。そして、オフィスに連絡した後、夏樹が搬送された病院へ向かった。
これから出社するところだ。タクシーに乗り込んだ後、早々にメールチェックを済ませた。そして、来月のスケジュールを開いて確認した。家を留守にする日が多い。今月は予定を多めに入れてある。多忙だが、来月、夏樹とコンサートを見に行くためだ。ここで乗り切っておく。そして、バンドコンテストもある。もちろん見に行く。
やっと本気でやりたいことを見つけたと言って、夏樹が両目を輝かせていた光景が目に焼き付いている。とてもいい記憶だ。一か月前のあの日、悠人の作曲した旋律で歌った夏樹は手応えを感じていた。聴いている自分も納得した。あの2人はこれからも上手くいくと思った。
夏樹はバンドの練習時間を増やし、家でも歌う時間が増えた。ボイストレーニングに通わせようと考えている。夏樹には伝えていない。大学の期末試験が終わった後にする。どこかへ行くような気がして、何もさせたくないのが本音だった。バンド活動を始めるときにも渋った。いつも家にいて欲しいからだ。
(それではまるで母のようになる。夏樹の息が詰まる。黒崎家に閉じ込めてばかりではいけない……)
黒崎家に住むようになり、親戚や取り巻いている者から、夏樹が注目を浴びるようになった。その関連もあり、親父が黒崎製菓グループで育てたいと言い出した。それは、これから先の事を考えてのことだ。もし俺と父が居なくなった後、夏樹が一人で立てるようにするためだ。
父は、夏樹を大学生のインターンシップ制度に参加させたがっている。それは短期間の研修のような形のものだ。それをきっかけにして、長期のコースにも入れたいと言っている。それは業務を行うも同じだ。
夏樹の意志を聞いてみると、やりたがっていた。俺に気を遣っている様子はない。これまでも、レストランで出すデザートを提案してもらっていた。その経験から、興味を持ったと言っていた。
(一緒に居たくて使った口実だったが……)
俺の本心としては、インターンへ参加させたくない。自分だけのものにしたいからだ。それは間違いだと自覚している。今回は短期での参加だ。とは言え、バンドと学業にインターンシップが重なると、夏樹の体が心配だ。家の中でも、彼の姿が見えないだけで探し回っている。やり過ぎだとは思っている。
もうすぐで黒崎製菓に到着する。スケジュール帳を閉じて、タクシーから降りる準備をした。するとその時だ。携帯に着信が入った。父の家の番号だ。まさか夏樹に何かあったのか?
「……山崎さんか。……もしもし、圭一です。え……」
急いで電話を取ると、山崎さんからの電話だと分かり、話を聞き、目の前が霞む感覚が起こった。そして、オフィスに連絡した後、夏樹が搬送された病院へ向かった。
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