アイアンエンジェル~あの日の旋律

夏目奈緖

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 目を開けると、辺り一面に白い花が咲いていた。見上げた空は、白と青が混ざった色をしていた。水色ではないから不思議に思った。自分が立っている場所にも、同じ花が咲いていた。

「この花、見たことがある。……あ、拓海さんのお墓に供えた花だ。ノースウィンドカーネーションだ。天国のお母さんに贈る意味のやつだ。……ここってどこ?」

 キョロキョロと辺りを見回しても、何もなかった。さっきは花壇の上に倒れて動けなかったのに、立つことが出来ている。視界もハッキリしている。

「伯母さんが話してくれた夢みたいだ……」

 それは母の妹だ。事故で意識不明になった時、こんな感じの夢を見たと教えてくれた。誰かに名前を呼ばれて振り返ると、ベッドの上で目を覚ましたと教えてくれた。

「……俺、死んだの?」
「……違うよ」

 前の方から声がした。目の前には、金髪の男性が立っていた。知らない人なのに、見たことがあると思った。誰だろう?

 その人が何かを言ったのに、聞こえない。静かに首を横に振っていた。さらに前に進もうとすると、隣から名前を呼ばれた。

「……夏樹君」
「……はい」

 そこにいた人は、拓海さんだと思った。黒崎の子供の頃のアルバムに写っていた人だったからだ。

「……拓海さんですか?」
「……帰ろう」
「……え?」
「……夏樹、夏樹!」

 今度は黒崎の声が背後から聞こえた。すると、金髪の男性が歩いてきた。そして、俺の前まで来ると、両手を伸ばしてきた。 

 ……ドン!!

 強い力で体を押された。その人を近くで見た時、祖母のマデリンに似ていると思った。曾祖父は金髪をしていたと言っていた。お祖父さんなのかな?そう思ったら、目が覚めた。
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