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31-7(黒崎視点)
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13時半。
これから夏樹たちの出番が始まる。野外ステージの観客席であるA8ブロックに到着した。中山の両親、伊吹、深川さん、枝川、如月、森本、山崎、真羽が観に来ている。真羽の隣には、歌手の羽音さんがいる。このコンテストにはスカウトマンが多数来ているらしい。さっきの控え室の周辺は全体が緊張感に包まれていた。
関係者席には遠藤さんの姿があった。その隣に立っている男性がカメラマンに指示を出し、多くのスタッフが大きく動き出した。
すると、そばにいた伊吹から挨拶された。ここへ着いた時から真面目な姿をしている。親父や深川さんの前では丁寧に対応し、枝川には無理難題を押し付けていた。桜木の写真をアップで撮ってこいとものだった。そして、枝川が向こうに行くと、伊吹から声をかけられた。
「この次ですよ。アイロン・エンジェル!」
「……IRON ANGELだぞ?」
「熱い愛を押し付ける。アイロンです。……聞き流してください」
「……始まったわよ!名前が呼ばれたわ~」
中山の義母が歓声を上げた。慌ててステージへ視線を向けると、スタッフの手によって、悠人のベースがスタンドに立てられた。そして、慌ただしさが静まり、司会者のアナウンスが響き渡った。
「次のバンドは……、IRON ANGEL!!」
司会者からバンド名が告げられた直後、ステージの照明が暗く落ちた。演奏が始まると同時に、白いストロボ照明が光った。そして、ドラム音が響くと、ギターの音色が会場中に響き渡った。
「炎天下の中……、ありがとうございます!!」
いきなり響き渡ったドスの聞いた声に驚いた。そして、ステージの脇から、赤い衣装をひるがえした人物が出て来た。それは夏樹だった。赤い浴衣を羽織っている。
「アイアン・エンジェル!開幕ーー!!」
「かいまくーー!」
夏樹と悠人の声が重なった。夏樹が空に向かって声を大きく張り上げると、ステージ前方から、4つの煙が吹き上がった。
ワーーー!
観客がざわめいた後、大歓声が上がった。激しいドラム音が鳴り響き、夏樹が観客を煽った。どこからこんな声が出るのか。初めて聴いた。低音の荒っぽい声だ。
「いくぞーー!まだいけるかー!……おらーー!」
アイアンエンジェルーー!
何度もコールが上がり、会場内が沸き立った。
これがアマチュアバンドのステージなのか?信じられない。これが真実だと実感したのは、高揚した早瀬の様子を見たからだ。ヴォーカルの手には、あのうちわが握られている。だから、あの子は夏樹だと分かった。満開の笑顔を観客へ向けて、大きく腕を広げていた。まるで飛んで行きそうに見えた。ステージの演出がさらに派手になった。俺のそばでは遠藤さんが指示を出し、カメラマンが一斉にステージを撮っている。
遠藤さんのそばには高宮さんがいる。このバンドコンテストのプロデューサーだそうだ。さっき遠藤さんから紹介された。さらに彼が指示を出した後、夏樹達のそばにカメラが寄っていた。アップで映しているようだ。まさかスカウトされるのだろうか。そう思った瞬間、背中に汗が流れた。夏樹が遠くに行くような気がしたからだ。しかし、俺の元に戻ってくると言っていた。最高の笑顔をしている彼のことを、眩しい思いで見つめた。
これから夏樹たちの出番が始まる。野外ステージの観客席であるA8ブロックに到着した。中山の両親、伊吹、深川さん、枝川、如月、森本、山崎、真羽が観に来ている。真羽の隣には、歌手の羽音さんがいる。このコンテストにはスカウトマンが多数来ているらしい。さっきの控え室の周辺は全体が緊張感に包まれていた。
関係者席には遠藤さんの姿があった。その隣に立っている男性がカメラマンに指示を出し、多くのスタッフが大きく動き出した。
すると、そばにいた伊吹から挨拶された。ここへ着いた時から真面目な姿をしている。親父や深川さんの前では丁寧に対応し、枝川には無理難題を押し付けていた。桜木の写真をアップで撮ってこいとものだった。そして、枝川が向こうに行くと、伊吹から声をかけられた。
「この次ですよ。アイロン・エンジェル!」
「……IRON ANGELだぞ?」
「熱い愛を押し付ける。アイロンです。……聞き流してください」
「……始まったわよ!名前が呼ばれたわ~」
中山の義母が歓声を上げた。慌ててステージへ視線を向けると、スタッフの手によって、悠人のベースがスタンドに立てられた。そして、慌ただしさが静まり、司会者のアナウンスが響き渡った。
「次のバンドは……、IRON ANGEL!!」
司会者からバンド名が告げられた直後、ステージの照明が暗く落ちた。演奏が始まると同時に、白いストロボ照明が光った。そして、ドラム音が響くと、ギターの音色が会場中に響き渡った。
「炎天下の中……、ありがとうございます!!」
いきなり響き渡ったドスの聞いた声に驚いた。そして、ステージの脇から、赤い衣装をひるがえした人物が出て来た。それは夏樹だった。赤い浴衣を羽織っている。
「アイアン・エンジェル!開幕ーー!!」
「かいまくーー!」
夏樹と悠人の声が重なった。夏樹が空に向かって声を大きく張り上げると、ステージ前方から、4つの煙が吹き上がった。
ワーーー!
観客がざわめいた後、大歓声が上がった。激しいドラム音が鳴り響き、夏樹が観客を煽った。どこからこんな声が出るのか。初めて聴いた。低音の荒っぽい声だ。
「いくぞーー!まだいけるかー!……おらーー!」
アイアンエンジェルーー!
何度もコールが上がり、会場内が沸き立った。
これがアマチュアバンドのステージなのか?信じられない。これが真実だと実感したのは、高揚した早瀬の様子を見たからだ。ヴォーカルの手には、あのうちわが握られている。だから、あの子は夏樹だと分かった。満開の笑顔を観客へ向けて、大きく腕を広げていた。まるで飛んで行きそうに見えた。ステージの演出がさらに派手になった。俺のそばでは遠藤さんが指示を出し、カメラマンが一斉にステージを撮っている。
遠藤さんのそばには高宮さんがいる。このバンドコンテストのプロデューサーだそうだ。さっき遠藤さんから紹介された。さらに彼が指示を出した後、夏樹達のそばにカメラが寄っていた。アップで映しているようだ。まさかスカウトされるのだろうか。そう思った瞬間、背中に汗が流れた。夏樹が遠くに行くような気がしたからだ。しかし、俺の元に戻ってくると言っていた。最高の笑顔をしている彼のことを、眩しい思いで見つめた。
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