15 / 283
2-12
しおりを挟む
二葉からは、泣いていたことを黒崎には内緒にしてあげてと頼まれた。ママは覚悟を決めて黒崎のことをお父さんの元に置いてきた以上、それを口実にして、許して貰うようなものだと言っていたそうだ。俺が内緒にしておくと約束した。でも、黒崎に話したいという気持ちがある。いつかママが彼に話せたらいいなと思った。
「黒崎さん。もつれた紐を解いて行こうね。お母さんとの会話ってやつは難しいよね~。気軽に電話できるようになるといいね。……ん?」
抱き寄せられて、黒崎からキスをされた。さっきも沢山したのに、ちっとも飽きない。1日に何回しているのだろう?唇を離した後、瞼にもキスをされた。
「いつもありがとう」
「黒崎さん……」
「プレゼントぐらいしか出来ない。お前からは気持ちをもらっているのに」
「十分、伝わっているよ」
背伸びをして抱きつき、首筋に顔を埋めた。いつものいい匂いがする。黒崎からも、首筋に顔を埋められた。
「夏樹、いい匂いがする」
「黒崎さんからもだよ。お腹が空いてるよね?ご飯を食べてよ。胃もたれしないものを用意してるから」
「帰るのが楽しい。抱いてもいいか?」
「……昨日したのに」
「遅くならない。平気だろう?」
「ダメだってば。明日は仕事なんだよ?」
「分かった。明日の夜にする。朝でも構わないか?」
「すけべじじい~」
「玄関に靴がなかったな?」
「アンの散歩の帰りに、溝へ片足を突っ込んだんだよ。洗って乾かしているところだよ。停電になったとき、俺の部屋から物音がしたんだよ。絵本が増えすぎて本棚から落ちたてうたんだ。ちょうど雷が鳴ったから隠れたわけだよ。……黒崎さん?どうしたの?」
「危ないことは事前に対策を取れ」
「わあー、始まったよ~」
さっきまで黒崎は上機嫌だったのに。叱られる流れに変わった。ダイニングテーブルに料理を並べた後も彼からのお説教が続き、食べている合間も続いた。よっぽど心配をかけたということだ。しかも、過去の話まで遡られた。
「散歩中は足元に気をつけて、よく見て歩けと言っているだろう」
「はい……」
「だいたいな。注意力散漫なところがある。2週間前にも……、あの時も」
「……」
「本棚を増やせと言ったぞ?すぐに買え」
「部屋が狭くなるよ」
「上から落ちてくる程だ。これで何回目だ?」
「2回ぐらいだよ……」
「5回目だ」
「……」
「軽いものでも上に置くな。落ちてきたら危ない」
「でも」
「先週の水曜日に、足先へ本が落ちてきただろう。知っているんだぞ」
「うっ」
「明日、本棚を買いに連れていく。だいたい日頃からだな……、いつもいつも、そうやって……」
「……」
結婚したら相手が変わるという話を聞いたことがある。黒崎の場合は口うるさい人になった。この後、30分も小言を聞き続けたのだった。
「黒崎さん。もつれた紐を解いて行こうね。お母さんとの会話ってやつは難しいよね~。気軽に電話できるようになるといいね。……ん?」
抱き寄せられて、黒崎からキスをされた。さっきも沢山したのに、ちっとも飽きない。1日に何回しているのだろう?唇を離した後、瞼にもキスをされた。
「いつもありがとう」
「黒崎さん……」
「プレゼントぐらいしか出来ない。お前からは気持ちをもらっているのに」
「十分、伝わっているよ」
背伸びをして抱きつき、首筋に顔を埋めた。いつものいい匂いがする。黒崎からも、首筋に顔を埋められた。
「夏樹、いい匂いがする」
「黒崎さんからもだよ。お腹が空いてるよね?ご飯を食べてよ。胃もたれしないものを用意してるから」
「帰るのが楽しい。抱いてもいいか?」
「……昨日したのに」
「遅くならない。平気だろう?」
「ダメだってば。明日は仕事なんだよ?」
「分かった。明日の夜にする。朝でも構わないか?」
「すけべじじい~」
「玄関に靴がなかったな?」
「アンの散歩の帰りに、溝へ片足を突っ込んだんだよ。洗って乾かしているところだよ。停電になったとき、俺の部屋から物音がしたんだよ。絵本が増えすぎて本棚から落ちたてうたんだ。ちょうど雷が鳴ったから隠れたわけだよ。……黒崎さん?どうしたの?」
「危ないことは事前に対策を取れ」
「わあー、始まったよ~」
さっきまで黒崎は上機嫌だったのに。叱られる流れに変わった。ダイニングテーブルに料理を並べた後も彼からのお説教が続き、食べている合間も続いた。よっぽど心配をかけたということだ。しかも、過去の話まで遡られた。
「散歩中は足元に気をつけて、よく見て歩けと言っているだろう」
「はい……」
「だいたいな。注意力散漫なところがある。2週間前にも……、あの時も」
「……」
「本棚を増やせと言ったぞ?すぐに買え」
「部屋が狭くなるよ」
「上から落ちてくる程だ。これで何回目だ?」
「2回ぐらいだよ……」
「5回目だ」
「……」
「軽いものでも上に置くな。落ちてきたら危ない」
「でも」
「先週の水曜日に、足先へ本が落ちてきただろう。知っているんだぞ」
「うっ」
「明日、本棚を買いに連れていく。だいたい日頃からだな……、いつもいつも、そうやって……」
「……」
結婚したら相手が変わるという話を聞いたことがある。黒崎の場合は口うるさい人になった。この後、30分も小言を聞き続けたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
嘘つき王と影の騎士
篠雨
BL
「俺の役割は、貴方を守ることだ。……例え、貴方自身からも」
国の平穏を一身に背負い、十二年間「聖王」という偶像を演じ続けてきたセシル。
酷使し続けた心身はすでに限界を迎え、その命の灯火は今にも消えようとしていた。
そんな折、現れたのは異世界からの「転移者」。
代わりを見つけた国は、用済みとなったセシルからすべてを剥奪し、最果ての地へと追放する。
死を待つためだけに辿り着いた冬の山。
絶望に沈むセシルの前に現れたのは、かつて冷徹に王を監視し続けていた近衛騎士団長、アルヴィスだった。
守るべき王も、守るべき国も失ったはずの二人が過ごす、狭い小屋での夜。
無価値になり、壊れかけた自分を、なぜこの男は、そんな瞳で見つめるのか。
なぜ、そんなにも強く、抱きしめるのか。
これは、すべてを失った「聖王」が、一人の男の熱に暴かれ、再生していくまでの物語。
悠と榎本
暁エネル
BL
中学校の入学式で 衝撃を受けた このドキドキは何なのか
そいつの事を 無意識に探してしまう
見ているだけで 良かったものの
2年生になり まさかの同じクラスに 俺は どうしたら・・・
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
死ぬほど嫌いな上司と付き合いました【完結】
三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。
皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。
涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥
上司×部下BL
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
純白のレゾン
雨水林檎
BL
《日常系BL風味義理親子(もしくは兄弟)な物語》
この関係は出会った時からだと、数えてみればもう十年余。
親子のようにもしくは兄弟のようなささいな理由を含めて、少しの雑音を聴きながら今日も二人でただ生きています。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※表紙をAI君に描いてもらいました。(2026.2.21)
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる