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7-2(夏樹視点)
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午前11時45分。
12時過ぎに大学合格発表がある。そうそろ時間だと黒崎が言い、リビングのテーブルにパソコンを置いた。開いたのは、大学のホームページだ。自分の受験番号が載っていれば、来月からは学生専用のサイトが使える。森本も今頃サイトを見ている頃だ。後で連絡しようと思った。
気晴らしにテレビ画面を見つめると、お昼の料理番組が流れていた。今日は桜餅を作るのかと興味が引かれた。気分がスッキリしたら作りたい。さっそくメモに材料を書き込んでいると、桜の葉っぱが映った。スーパーで売っているだろうか?後で出かけてみようと思った。
「……今日は桜餅をご紹介します。こちらの桜の葉は香りがよくて……」
「……桜の塩漬けも、ご用意しています。あ、桜が……っ」
「……カラン、カランッ」
「……失礼しましたっ」
お皿に入っていた桜の塩漬けが、テーブルの上に撒き散らされてしまった。もう観たくないからチャンネルを変えた。そして、ため息をついて膝を抱え込んだ。
「はあ……」
「もうすぐだな。これを飲んでおけ。上手くできたぞ」
「ほんとだね~。いい匂いだよ」
黒崎がテーブルにマグカップを置いた。ふんわりと湯気が立っている。黒崎が珈琲を煎れてくれた。ここへ引っ越して来た時に買った、お揃いのカップだ。それを見ていると、気持ちがほぐれた。さっきと同じように並んで座ると、お昼の番組がスタートした音楽が流れた。
「そろそろだね……」
「ああ、12時だな」
大学のホームページを再表示させると、合格者発表の文字が飛び込んできた。その瞬間、心臓の鼓動が強く跳ねた。なかなか静まらない。黒崎が見てくれるというから、素直に甘えた。
「うーー」
「さあ、見ようか……」
やっぱり気になるからと、画面に視線を向けた。沢山の数字の中から受験番号に近いものを探すと、すぐに見つかった。今度は見たくなくなった。
「ああーー」
「A14845、A14946……」
「ひえ~~~っ」
「A14949……」
「見たくない!聞きたくない!」
「お前の受験番号だぞ」
「……ええ!?」
大きく肩を叩かれて顔を上げた。パソコンの画面を覗き込むと、待ち望んでいた番号を見つけることができた。何もされていないのに、空気圧のようなものに押されて、ソファーに身体が沈み込んだ。
「あ、あったーー」
「夏樹、おめでとう!」
黒崎からの力強い言葉に現実だと認識した。すぐに目尻が熱くなった。黒崎の両肩へ腕を伸ばすと、抱き寄せられた。まだ森本の番号を見ていないから、こうして居られない。画面を見たいと言っても離してくれないから、両足で押しのけた。
「……A4・7974を確認した。森本君も合格した」
「連絡しなきゃ……、実家にも……」
「……夏樹、少し寝ておけ。クマができている」
「うん。りんごを食べた後にするよ。お腹に入れておくよ~」
朝ごはんが喉を通らなかったが、ついさっきから空腹感が出て来た。立ち上がると、黒崎がソファーの背に深く座り込んだ。気が抜けたのか。
糖分補給をしよう。カステラを持って来ようかと声をかけると、黒崎が寝息を立て始めた。風邪を引くからと軽く叩いても、ビクともしない。彼の姿を見て、胸が痛くなった。
「はあ……。疲れているんだな……」
この一週間は多忙を極めていたし、俺のフォローまでしてくれた。何とか仰向けに寝かせて、毛布を肩まで掛けてあげた。
「お疲れ様。一時間ぐらいしたら起こすよ……」
黒崎のことを寝かせてあげたい。自分の部屋へ行こうかと迷った結果、ここに居ることにした。俺のことを探すだろうからだ。同じ家の中にいても不安にさせたくない。アンを連れてキッチンへ行き、一緒にリンゴを食べた。そして、森本から連絡が入った。彼も合格だ。お互いに良かったねと言い合い、ホッとした。
12時過ぎに大学合格発表がある。そうそろ時間だと黒崎が言い、リビングのテーブルにパソコンを置いた。開いたのは、大学のホームページだ。自分の受験番号が載っていれば、来月からは学生専用のサイトが使える。森本も今頃サイトを見ている頃だ。後で連絡しようと思った。
気晴らしにテレビ画面を見つめると、お昼の料理番組が流れていた。今日は桜餅を作るのかと興味が引かれた。気分がスッキリしたら作りたい。さっそくメモに材料を書き込んでいると、桜の葉っぱが映った。スーパーで売っているだろうか?後で出かけてみようと思った。
「……今日は桜餅をご紹介します。こちらの桜の葉は香りがよくて……」
「……桜の塩漬けも、ご用意しています。あ、桜が……っ」
「……カラン、カランッ」
「……失礼しましたっ」
お皿に入っていた桜の塩漬けが、テーブルの上に撒き散らされてしまった。もう観たくないからチャンネルを変えた。そして、ため息をついて膝を抱え込んだ。
「はあ……」
「もうすぐだな。これを飲んでおけ。上手くできたぞ」
「ほんとだね~。いい匂いだよ」
黒崎がテーブルにマグカップを置いた。ふんわりと湯気が立っている。黒崎が珈琲を煎れてくれた。ここへ引っ越して来た時に買った、お揃いのカップだ。それを見ていると、気持ちがほぐれた。さっきと同じように並んで座ると、お昼の番組がスタートした音楽が流れた。
「そろそろだね……」
「ああ、12時だな」
大学のホームページを再表示させると、合格者発表の文字が飛び込んできた。その瞬間、心臓の鼓動が強く跳ねた。なかなか静まらない。黒崎が見てくれるというから、素直に甘えた。
「うーー」
「さあ、見ようか……」
やっぱり気になるからと、画面に視線を向けた。沢山の数字の中から受験番号に近いものを探すと、すぐに見つかった。今度は見たくなくなった。
「ああーー」
「A14845、A14946……」
「ひえ~~~っ」
「A14949……」
「見たくない!聞きたくない!」
「お前の受験番号だぞ」
「……ええ!?」
大きく肩を叩かれて顔を上げた。パソコンの画面を覗き込むと、待ち望んでいた番号を見つけることができた。何もされていないのに、空気圧のようなものに押されて、ソファーに身体が沈み込んだ。
「あ、あったーー」
「夏樹、おめでとう!」
黒崎からの力強い言葉に現実だと認識した。すぐに目尻が熱くなった。黒崎の両肩へ腕を伸ばすと、抱き寄せられた。まだ森本の番号を見ていないから、こうして居られない。画面を見たいと言っても離してくれないから、両足で押しのけた。
「……A4・7974を確認した。森本君も合格した」
「連絡しなきゃ……、実家にも……」
「……夏樹、少し寝ておけ。クマができている」
「うん。りんごを食べた後にするよ。お腹に入れておくよ~」
朝ごはんが喉を通らなかったが、ついさっきから空腹感が出て来た。立ち上がると、黒崎がソファーの背に深く座り込んだ。気が抜けたのか。
糖分補給をしよう。カステラを持って来ようかと声をかけると、黒崎が寝息を立て始めた。風邪を引くからと軽く叩いても、ビクともしない。彼の姿を見て、胸が痛くなった。
「はあ……。疲れているんだな……」
この一週間は多忙を極めていたし、俺のフォローまでしてくれた。何とか仰向けに寝かせて、毛布を肩まで掛けてあげた。
「お疲れ様。一時間ぐらいしたら起こすよ……」
黒崎のことを寝かせてあげたい。自分の部屋へ行こうかと迷った結果、ここに居ることにした。俺のことを探すだろうからだ。同じ家の中にいても不安にさせたくない。アンを連れてキッチンへ行き、一緒にリンゴを食べた。そして、森本から連絡が入った。彼も合格だ。お互いに良かったねと言い合い、ホッとした。
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