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17時。
生まれて初めてのクルーズ船に乗り込んだ。エントランスの天井が吹き抜けになっていたから、どこかの建物に入った錯覚をしそうになった。ドキドキしながら船内を歩き、宿泊する部屋へ到着した。何もかもが珍しいから落ち着かない。
部屋に入った後、船内の案内パンフレットを読んだり、運ばれて来たフルーツジュースを飲んだりした。そして、ベッドに座った。黒崎は普段通りに落ち着いている。今夜着る服をクローゼットに片づけて、こっちへ戻って来た。そして、パンフレットにあるスイーツの頁を開いているのが見つかって笑われた。
「食事まで我慢しろ。特製のデザートを用意している」
「うん。ありがとう。ここは大人の世界だね」
「そうか。そんなに緊張しなくても構わない」
「このパンフレットを見たからだよー。緊張するよー」
パンフレットに書いてあったのは、美味しいディナーを、生演奏を聴きながら楽しめるということだった。ラウンジでお酒を飲んでいるカップルの写真を見ると、いかにも大人の世界が広がっている。いいムードになりそうだ。船内を歩きたくなった。
「今日のスケジュールを見よう。ここだ」
「どれどれ?えーーっと。今夜のショー、面白そうだよ~」
「いい夜になりそうか?」
「うん。ショーにも付き合ってくれるよね?一人にしないよね?」
「もちろん付き添う。思い切り遊んで帰ろう」
「あ……」
ベッドが沈み込んだと思ったら、黒崎から抱き寄せられて両腕に包み込まれた。やっとくっつけた気がする。今日はなかなか手を繋いでもらえなくて、腕を引っ張って我慢していた。ここなら二人きりだから、思い切り甘えられる。
「黒崎さん。大好きだよ。ん……、いきなり……」
「我慢していた。手を繋ごうとするからだ。誘惑するな」
「そういうのじゃないよ」
「見上げて来たからだ。可愛い顔をするな」
「知らないよ~。もう、お酒でも飲めよ~」
軽いキスで終わらなかった。ベッドで触れ合う時のように息が熱くなり、長い分だけ息が出来なくなりそうになった。だから黒崎の胸を押して伝えると、すぐに唇を離してもらえた。目が潤んでいるから、泣いたと思われるだろうか。
「泣いていないからね。苦しくなったんだ」
「すまない。長すぎたのか?」
「うん。頭を押さえるから怖いよ……」
「逃げるからだ。……赤くなった」
「んん……、やめてって」
下唇を指先で押された。その指先が口の中に入ってきた後、頬の内側を撫でられて、背中がゾクッとした。俺が身じろぐと、笑い声を立てられた。優しいかと思えば意地悪をされる。じっと黒崎のことを見つめていると、視界が揺れて、天井を見上げる形になった。ベッドに押し倒されてしまった。
「もう、なんだよ……」
「抱いてもいいか?」
「食事の時間まで歩きたい……」
「苛めないでくれ……」
すると、黒崎の肩へ置いた手が離されて、ベッドに押し付けられた。けっこう強い力だ。手加減しろと文句を言うと、苦笑しながら見つめられた。
「困っているの?面白いの?」
「可愛いから困っている。悪いことが出来ない」
「じゃあ我慢しろよ」
「happy birthday、19歳になったぞ」
「うん。あんたが高校生になった春に、俺が生まれたんだ」
「ますます何も出来なくなる」
黒崎から優しく微笑まれて、胸が痛くなった。船内の散歩は食事の後にするよ。そう答えて抱きつくと、熱い息が首筋にかかった。そして、耳元で囁かれた言葉に頷くと、体に熱が伝わって来た。
「んん……っ、あ……」
「いい子だ。怖くない」
「うん……」
黒崎の体が熱い。まるで溶け合うような感覚が起きた後、何も考えられなくなった。そして、目尻へ唇が押し当てられたのを感じながら、腕の中に包み込まれて目を閉じた。
生まれて初めてのクルーズ船に乗り込んだ。エントランスの天井が吹き抜けになっていたから、どこかの建物に入った錯覚をしそうになった。ドキドキしながら船内を歩き、宿泊する部屋へ到着した。何もかもが珍しいから落ち着かない。
部屋に入った後、船内の案内パンフレットを読んだり、運ばれて来たフルーツジュースを飲んだりした。そして、ベッドに座った。黒崎は普段通りに落ち着いている。今夜着る服をクローゼットに片づけて、こっちへ戻って来た。そして、パンフレットにあるスイーツの頁を開いているのが見つかって笑われた。
「食事まで我慢しろ。特製のデザートを用意している」
「うん。ありがとう。ここは大人の世界だね」
「そうか。そんなに緊張しなくても構わない」
「このパンフレットを見たからだよー。緊張するよー」
パンフレットに書いてあったのは、美味しいディナーを、生演奏を聴きながら楽しめるということだった。ラウンジでお酒を飲んでいるカップルの写真を見ると、いかにも大人の世界が広がっている。いいムードになりそうだ。船内を歩きたくなった。
「今日のスケジュールを見よう。ここだ」
「どれどれ?えーーっと。今夜のショー、面白そうだよ~」
「いい夜になりそうか?」
「うん。ショーにも付き合ってくれるよね?一人にしないよね?」
「もちろん付き添う。思い切り遊んで帰ろう」
「あ……」
ベッドが沈み込んだと思ったら、黒崎から抱き寄せられて両腕に包み込まれた。やっとくっつけた気がする。今日はなかなか手を繋いでもらえなくて、腕を引っ張って我慢していた。ここなら二人きりだから、思い切り甘えられる。
「黒崎さん。大好きだよ。ん……、いきなり……」
「我慢していた。手を繋ごうとするからだ。誘惑するな」
「そういうのじゃないよ」
「見上げて来たからだ。可愛い顔をするな」
「知らないよ~。もう、お酒でも飲めよ~」
軽いキスで終わらなかった。ベッドで触れ合う時のように息が熱くなり、長い分だけ息が出来なくなりそうになった。だから黒崎の胸を押して伝えると、すぐに唇を離してもらえた。目が潤んでいるから、泣いたと思われるだろうか。
「泣いていないからね。苦しくなったんだ」
「すまない。長すぎたのか?」
「うん。頭を押さえるから怖いよ……」
「逃げるからだ。……赤くなった」
「んん……、やめてって」
下唇を指先で押された。その指先が口の中に入ってきた後、頬の内側を撫でられて、背中がゾクッとした。俺が身じろぐと、笑い声を立てられた。優しいかと思えば意地悪をされる。じっと黒崎のことを見つめていると、視界が揺れて、天井を見上げる形になった。ベッドに押し倒されてしまった。
「もう、なんだよ……」
「抱いてもいいか?」
「食事の時間まで歩きたい……」
「苛めないでくれ……」
すると、黒崎の肩へ置いた手が離されて、ベッドに押し付けられた。けっこう強い力だ。手加減しろと文句を言うと、苦笑しながら見つめられた。
「困っているの?面白いの?」
「可愛いから困っている。悪いことが出来ない」
「じゃあ我慢しろよ」
「happy birthday、19歳になったぞ」
「うん。あんたが高校生になった春に、俺が生まれたんだ」
「ますます何も出来なくなる」
黒崎から優しく微笑まれて、胸が痛くなった。船内の散歩は食事の後にするよ。そう答えて抱きつくと、熱い息が首筋にかかった。そして、耳元で囁かれた言葉に頷くと、体に熱が伝わって来た。
「んん……っ、あ……」
「いい子だ。怖くない」
「うん……」
黒崎の体が熱い。まるで溶け合うような感覚が起きた後、何も考えられなくなった。そして、目尻へ唇が押し当てられたのを感じながら、腕の中に包み込まれて目を閉じた。
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