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このマンホールには、階段の代わりにハシゴがあるようだ。バーテルスさんが下りてみたいと言い出したから、ノアが強く名前を呼び始めた。その甲斐あって、やっとのことでバリケードから出てきた。もちろん周りにお礼を言いながら。
「ユーリー、気が済んだ?」
「ああ。お待たせ。……ありがとうございました」
「とんでもないです。楽しめてよかったです」
二葉とバーテルスさんが挨拶を始めた後、ノアのことも紹介した。バーテルスさんが、道案内から未知なる体験へ進み、僕達には共通点ができたねと笑っている。そして、面白くない冗談を言うなと、ノアが言い返したから笑い出した。初対面なのに、彼らの空気が馴染んでいる。
(気が合うのか。初めて分かったよ。この感じ……)
この人とは話しやすいという漠然としたものを、目の前で見ることが出来た。伊吹も加われば、さらに楽しそうだ。聡太郎は中和役になるから、暑苦しさを抑えることが出来る。
「夏樹。いい体験が出来たな。さあ帰ろう」
「うん。なかなか出来ないよね」
ふむふむと、悠人になった気分で観察していると、甘い匂いが漂ってきた。近くの店の、たい焼きが焼き上がった匂いだった。しかも、“かき氷”の水色の旗も出ている。食べたい。さっそく進行方向を変えようとすると、黒崎から止められた。阿吽の呼吸だ。
「食事が入らなくなる。昼食を大して食べていないぞ」
「今日は特別だよ。お客さんが来たんだし。分かったよ~。俺の分は玉子サンドにするからさ」
駅のそばにある店で、新メニューが売り出された。厚焼き玉子サンドという。俺は厚焼き卵が好きだ。マニアとしては気になり食べたところ、一発で好きになった。
ノアがかき氷を食べている間に、俺達は玉子サンドを買いに行った。そして、戻って来た時には、二葉達が意気投合していた。
(黒崎さんはどうかな?よかったって顔してるよ。お兄ちゃんなんだなー)
黒崎の印象はこういうものだ。高層階にある店での食事と、夜景を眺めながらワインを傾ける姿。清潔感と迫力が同居したスーツ姿。どれも似合いすぎる。しかし、実際はこうだ。俺の食欲を気にしては、過保護ぶりを発揮する姿。さらに、後ろを歩く弟を気にする一面もある。
まるで回転木馬のようだ。どれも黒崎には違いないのに、場所や状況が変わると全く違って見える。そして、正面に向いた時には俺がいる。
「ふふん。たどり着いたよ。俺がゴールだよね~」
「……電話が鳴っているぞ」
「……気づかなかった。悠人からだ。もしもしー?」
何かあったのかな?電話に出ると、何も起きていないよと笑われた。そして、大型ビジョンを観に来ないかと誘われた。さっき悠人が観た方法である、大通りの車内からだ。事務所からは許可が出ているという。2人で行くのは駄目だと強く止められたのに、大丈夫だろうか。
「……これからの活動を自覚するためだって、頼んだんだ。OKが出たよ。次は一時間後だよ。初日だから人が集まっているんだ」
「ぜひ行くよ!黒崎さん、車を……。あれ?」
黒崎の方には、長谷部さんから電話が入っていた。時間と注意事項の説明を受けている。このサポート体制に甘えさせて貰う。さっそくノア達3人へ事情を話して誘った。もちろん二つ返事でOKされて、急いで一旦、家に帰った。
「ユーリー、気が済んだ?」
「ああ。お待たせ。……ありがとうございました」
「とんでもないです。楽しめてよかったです」
二葉とバーテルスさんが挨拶を始めた後、ノアのことも紹介した。バーテルスさんが、道案内から未知なる体験へ進み、僕達には共通点ができたねと笑っている。そして、面白くない冗談を言うなと、ノアが言い返したから笑い出した。初対面なのに、彼らの空気が馴染んでいる。
(気が合うのか。初めて分かったよ。この感じ……)
この人とは話しやすいという漠然としたものを、目の前で見ることが出来た。伊吹も加われば、さらに楽しそうだ。聡太郎は中和役になるから、暑苦しさを抑えることが出来る。
「夏樹。いい体験が出来たな。さあ帰ろう」
「うん。なかなか出来ないよね」
ふむふむと、悠人になった気分で観察していると、甘い匂いが漂ってきた。近くの店の、たい焼きが焼き上がった匂いだった。しかも、“かき氷”の水色の旗も出ている。食べたい。さっそく進行方向を変えようとすると、黒崎から止められた。阿吽の呼吸だ。
「食事が入らなくなる。昼食を大して食べていないぞ」
「今日は特別だよ。お客さんが来たんだし。分かったよ~。俺の分は玉子サンドにするからさ」
駅のそばにある店で、新メニューが売り出された。厚焼き玉子サンドという。俺は厚焼き卵が好きだ。マニアとしては気になり食べたところ、一発で好きになった。
ノアがかき氷を食べている間に、俺達は玉子サンドを買いに行った。そして、戻って来た時には、二葉達が意気投合していた。
(黒崎さんはどうかな?よかったって顔してるよ。お兄ちゃんなんだなー)
黒崎の印象はこういうものだ。高層階にある店での食事と、夜景を眺めながらワインを傾ける姿。清潔感と迫力が同居したスーツ姿。どれも似合いすぎる。しかし、実際はこうだ。俺の食欲を気にしては、過保護ぶりを発揮する姿。さらに、後ろを歩く弟を気にする一面もある。
まるで回転木馬のようだ。どれも黒崎には違いないのに、場所や状況が変わると全く違って見える。そして、正面に向いた時には俺がいる。
「ふふん。たどり着いたよ。俺がゴールだよね~」
「……電話が鳴っているぞ」
「……気づかなかった。悠人からだ。もしもしー?」
何かあったのかな?電話に出ると、何も起きていないよと笑われた。そして、大型ビジョンを観に来ないかと誘われた。さっき悠人が観た方法である、大通りの車内からだ。事務所からは許可が出ているという。2人で行くのは駄目だと強く止められたのに、大丈夫だろうか。
「……これからの活動を自覚するためだって、頼んだんだ。OKが出たよ。次は一時間後だよ。初日だから人が集まっているんだ」
「ぜひ行くよ!黒崎さん、車を……。あれ?」
黒崎の方には、長谷部さんから電話が入っていた。時間と注意事項の説明を受けている。このサポート体制に甘えさせて貰う。さっそくノア達3人へ事情を話して誘った。もちろん二つ返事でOKされて、急いで一旦、家に帰った。
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