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14時半。
目的地の渋谷に到着した。スクランブル交差点上には、多くの人達が行き交っている。その中には、TDDと書かれたプラカードを持った人が集まっていた。そしてひときわ目立つのが、エスニックファッションだ。久弥が着ているからだろう。
(大型ビジョン、4面同時放映か。初めて観るよ……)
渋滞しているから、車の中からでも大型ビジョンが観える。当初はその方法を取る予定だったが、観客として観ることをしたい。もしかすると、最初で最後になるかもしれない。
長谷部さんへ根気強く話をして、事務所からOKがもらえた。自分一人の思いで動けないのは理解している。俺と悠人が来たことで騒ぎになる可能性は少ないと思った。その反対もあり得る。
ここへは、長谷部さんと事務所スタッフが合流した。悠人と早瀬さん、俺達5人も加わった。大勢で立っている方がいいそうだ。
「すごいなあ。電車で降りたことがないからさ。この街を歩いたことがないんだ。悠人はあるよね?」
「もちろんあるよ。なつきー、一回だけ駅で降りただろ?電車内が混雑してて、人に押されてホームに降りたよね?後で俺と合流した日だよ」
「そうだったね。そんなことがあったねえ。乗り直そうとしたら、足が前に進まなくって」
あれは、デビューを控えた6月頃のことだ。IKU主催のロックフェスのポスターを見たから覚えている。乗り直そうと、人の列の後ろに並ぶと、構内のポスターが目に留まった。ロックバンドのもので、久弥が写っていた。
大きなポスターだな。ロックフェスがあるんだ。そう思って見ていた。自分も仲間入りするのに、現実感がなかった。ただもう前に進んで、PV映像やバンド練習に打ち込んでいた頃だ。
そして、そろそろ電車に乗ろうと思い、ホームの方を振り返った。多くの人が列になり、車両に乗り込んでいる。いつものように、あの波に乗ろうとして踏みとどまった。先に進みたいのに、足が動かないからだ。
どこも痛くないし、体調も悪くない。体全体が痺れている感覚まで起きた。大学へ行けば、いつもと変わらない日常があるのに、行きたくないと思った。あの電車に乗らないと行けないのに。
目的地の渋谷に到着した。スクランブル交差点上には、多くの人達が行き交っている。その中には、TDDと書かれたプラカードを持った人が集まっていた。そしてひときわ目立つのが、エスニックファッションだ。久弥が着ているからだろう。
(大型ビジョン、4面同時放映か。初めて観るよ……)
渋滞しているから、車の中からでも大型ビジョンが観える。当初はその方法を取る予定だったが、観客として観ることをしたい。もしかすると、最初で最後になるかもしれない。
長谷部さんへ根気強く話をして、事務所からOKがもらえた。自分一人の思いで動けないのは理解している。俺と悠人が来たことで騒ぎになる可能性は少ないと思った。その反対もあり得る。
ここへは、長谷部さんと事務所スタッフが合流した。悠人と早瀬さん、俺達5人も加わった。大勢で立っている方がいいそうだ。
「すごいなあ。電車で降りたことがないからさ。この街を歩いたことがないんだ。悠人はあるよね?」
「もちろんあるよ。なつきー、一回だけ駅で降りただろ?電車内が混雑してて、人に押されてホームに降りたよね?後で俺と合流した日だよ」
「そうだったね。そんなことがあったねえ。乗り直そうとしたら、足が前に進まなくって」
あれは、デビューを控えた6月頃のことだ。IKU主催のロックフェスのポスターを見たから覚えている。乗り直そうと、人の列の後ろに並ぶと、構内のポスターが目に留まった。ロックバンドのもので、久弥が写っていた。
大きなポスターだな。ロックフェスがあるんだ。そう思って見ていた。自分も仲間入りするのに、現実感がなかった。ただもう前に進んで、PV映像やバンド練習に打ち込んでいた頃だ。
そして、そろそろ電車に乗ろうと思い、ホームの方を振り返った。多くの人が列になり、車両に乗り込んでいる。いつものように、あの波に乗ろうとして踏みとどまった。先に進みたいのに、足が動かないからだ。
どこも痛くないし、体調も悪くない。体全体が痺れている感覚まで起きた。大学へ行けば、いつもと変わらない日常があるのに、行きたくないと思った。あの電車に乗らないと行けないのに。
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