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毎年社員から提出される配属希望シートには、人間関係の悩みの項目がある。争いの相手のことだ。名指しでは書かれていないが、どの社員を指しているのか共通点がある。全てを信用することはできない。仕組まれた可能性があるためだ。3年前の営業企画部が当てはまる。今は随分と明るい部署に変わった。
隣の秘書室へ声をかけ、人事部への連絡を指示した。受け取った資料のシュレッダー処理も。いかに社長を暇にするか。それが役目の一つだ。
ここからは、スポンサー企業側としての業務に移る。IKUから受け取った画像を開き、広報部が使用許可する箇所を、副社長として決定する。企業イメージに関わる重要事項だ。自分にとっては、心安らぐ時間でもある。この映像の中には、百面相のヴォーカリストが映っているからだ。
画像の表示は、TDDの密着取材分と出ている。夏樹が開発部へ出勤した日だ。緊張した面持ちでロビーを入る様子を見ても、普段と変わりなく感じる。開発部に迎えられて、戸惑いながら笑顔を受かベている姿も。
俺と雰囲気が似ているという話には、首を傾げる。拓海兄さんの要素が強まったのは感じた。
「夏樹の言う通りだ。動物園のカンガルーだな。……人が来た。どうしたんだろう。楽しそうだな。さあ、向こうへ行こう、か。……ああ、可愛らしい。チーフが来たのか。……”疲弊した空気を持ち帰り、メンバーで分かち合う”か……」
開発部のオフィスは人間関係がいい部署であり、配属希望者が多い。現在の営業企画部と同じだ。社員達の様子を観察していき、画像を停止させた。夏樹がネクタイを外した後、枝川が立ちふさがった場面だ。説明すれば済む話だ。
隣の秘書室には、その枝川が残っている。R&W社の訪問に同席したからだ。ちょうど出て来たところを呼び止めると、早瀬も出て来た。
「枝川室長。桜木君はオフィスにいたか?」
「いえ。ミーティングへ出て行きました。8階の中会議室です。呼びましょうか?」
「いや、構わない。彼の様子を教えてくれ」
「手の痛みは起きていないようです。この間の就任披露パーティーで、夏樹君と2人でやらかした件を聞かせてくれました。悠人君が怒り出したら困ったと。仕事では変わりありません」
「そうか。……夏樹が参加したインターンのことだが、思い出してもらえるか?」
「はい、2年半前ですね。……あの学生のことですか?参加者にナンパをして、こちらから辞退させた。名前は山岡君でした」
「また申し込んできた。橋本部長から聞いたところだ。理久君は何か言っていたか?」
「ははは……。特に話していませんでした。すみません、電話が入りました。……どうした、南波と北添か?……お先に失礼します!」
枝川が部屋から出て行った。その後ろ姿を眺め、早瀬と向き直った。頭の痛い事だと話しながら。
隣の秘書室へ声をかけ、人事部への連絡を指示した。受け取った資料のシュレッダー処理も。いかに社長を暇にするか。それが役目の一つだ。
ここからは、スポンサー企業側としての業務に移る。IKUから受け取った画像を開き、広報部が使用許可する箇所を、副社長として決定する。企業イメージに関わる重要事項だ。自分にとっては、心安らぐ時間でもある。この映像の中には、百面相のヴォーカリストが映っているからだ。
画像の表示は、TDDの密着取材分と出ている。夏樹が開発部へ出勤した日だ。緊張した面持ちでロビーを入る様子を見ても、普段と変わりなく感じる。開発部に迎えられて、戸惑いながら笑顔を受かベている姿も。
俺と雰囲気が似ているという話には、首を傾げる。拓海兄さんの要素が強まったのは感じた。
「夏樹の言う通りだ。動物園のカンガルーだな。……人が来た。どうしたんだろう。楽しそうだな。さあ、向こうへ行こう、か。……ああ、可愛らしい。チーフが来たのか。……”疲弊した空気を持ち帰り、メンバーで分かち合う”か……」
開発部のオフィスは人間関係がいい部署であり、配属希望者が多い。現在の営業企画部と同じだ。社員達の様子を観察していき、画像を停止させた。夏樹がネクタイを外した後、枝川が立ちふさがった場面だ。説明すれば済む話だ。
隣の秘書室には、その枝川が残っている。R&W社の訪問に同席したからだ。ちょうど出て来たところを呼び止めると、早瀬も出て来た。
「枝川室長。桜木君はオフィスにいたか?」
「いえ。ミーティングへ出て行きました。8階の中会議室です。呼びましょうか?」
「いや、構わない。彼の様子を教えてくれ」
「手の痛みは起きていないようです。この間の就任披露パーティーで、夏樹君と2人でやらかした件を聞かせてくれました。悠人君が怒り出したら困ったと。仕事では変わりありません」
「そうか。……夏樹が参加したインターンのことだが、思い出してもらえるか?」
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「また申し込んできた。橋本部長から聞いたところだ。理久君は何か言っていたか?」
「ははは……。特に話していませんでした。すみません、電話が入りました。……どうした、南波と北添か?……お先に失礼します!」
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