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午前8時半。
黒崎製菓のオフィスにて、本日のインターンシップ開催の打ち合わせを行っている。3日間の短期コースであり、講義、グループワーク、社内見学を行う。インターンシップは営業企画部のみで受け入れしているため、この部署の社員で対応している。
運営リーダーの枝川との打ち合わせでは、参加者のモチベーションを整える段取りを話し合っている。真剣に参加する大学生がほとんどだが、緊張感から参加者が堅くなる。最初に引き締めと笑いを起こすことにしている。
「……俺の担当は、黒崎製菓の概要と進行しているプロジェクトの講義か……」
「まず最初に、黒崎常務が挨拶をされます。参加者の笑いを取り、その後で“鬼”の登場です」
「……俺が”鬼”なのか。もっと適任がいるだろう。その常務が……」
「……”いかにも”でしょう?だからこそ、意外性が必要なんです。早瀬代理なら、一見して優しそうに見えますから」
「……”氷点下マイナス”の評判どおりにするのか?」
「……ご存知でしたか。そのとおりです」
打ち合わせが終了した。年に4回開催しているため、慣れたものだ。
そばの役員室では、黒崎が落ち着かない様子だ。初日の挨拶を行うが、緊張などするわけがない。ということは、夏樹のことが理由だろう。
「黒崎常務、落ち着かない様子ですね」
「おはよう。夏樹が電車でここに来る。心配している」
「もう迷わないでしょう?何度もここへ来ているから……」
「……実は」
「どうしたんだ?」
「……今日のために用意したスーツが似合い過ぎる。誰かに付きまわれないか心配だ。京橋駅まで迎えに行きたい」
「はああ?」
どうしたらいいのか?まるで、悠人の反応の真似をしてしまった。黒崎の溺愛ぶりは理解しているが、同じ会場内にいるのなら心配はないだろうに。ここには黒崎という男が待ち受けている。
「迎えに行くと、夏樹君に叱られるだろう?」
「……その通りだ」
「俺が受付ロビーへ様子を見に行ってくる。そろそろ着くだろう?」
「……すまない。ああ、もう来ているそうだ」
「ラインで報告させているのか。迎えに行って、そのまま会場に入る」
「……たのむ」
会場である8階の会議室へ出向く前に見つかるだろう。オフィスを出て、エレベーターに乗り込んだ。黒崎の溺愛ぶりが営業企画部内で評判になり、夏樹は部内で有名だ。可愛らしい子だからファンがいる。枝川のことだ。さすがに枝川には迎えを頼まず、俺にしたのは、悠人という存在がいるからだろう。俺としても放っておけず、迎えに行くことを選んだ。何か起きそうだ。そう思ったからだ。
黒崎製菓のオフィスにて、本日のインターンシップ開催の打ち合わせを行っている。3日間の短期コースであり、講義、グループワーク、社内見学を行う。インターンシップは営業企画部のみで受け入れしているため、この部署の社員で対応している。
運営リーダーの枝川との打ち合わせでは、参加者のモチベーションを整える段取りを話し合っている。真剣に参加する大学生がほとんどだが、緊張感から参加者が堅くなる。最初に引き締めと笑いを起こすことにしている。
「……俺の担当は、黒崎製菓の概要と進行しているプロジェクトの講義か……」
「まず最初に、黒崎常務が挨拶をされます。参加者の笑いを取り、その後で“鬼”の登場です」
「……俺が”鬼”なのか。もっと適任がいるだろう。その常務が……」
「……”いかにも”でしょう?だからこそ、意外性が必要なんです。早瀬代理なら、一見して優しそうに見えますから」
「……”氷点下マイナス”の評判どおりにするのか?」
「……ご存知でしたか。そのとおりです」
打ち合わせが終了した。年に4回開催しているため、慣れたものだ。
そばの役員室では、黒崎が落ち着かない様子だ。初日の挨拶を行うが、緊張などするわけがない。ということは、夏樹のことが理由だろう。
「黒崎常務、落ち着かない様子ですね」
「おはよう。夏樹が電車でここに来る。心配している」
「もう迷わないでしょう?何度もここへ来ているから……」
「……実は」
「どうしたんだ?」
「……今日のために用意したスーツが似合い過ぎる。誰かに付きまわれないか心配だ。京橋駅まで迎えに行きたい」
「はああ?」
どうしたらいいのか?まるで、悠人の反応の真似をしてしまった。黒崎の溺愛ぶりは理解しているが、同じ会場内にいるのなら心配はないだろうに。ここには黒崎という男が待ち受けている。
「迎えに行くと、夏樹君に叱られるだろう?」
「……その通りだ」
「俺が受付ロビーへ様子を見に行ってくる。そろそろ着くだろう?」
「……すまない。ああ、もう来ているそうだ」
「ラインで報告させているのか。迎えに行って、そのまま会場に入る」
「……たのむ」
会場である8階の会議室へ出向く前に見つかるだろう。オフィスを出て、エレベーターに乗り込んだ。黒崎の溺愛ぶりが営業企画部内で評判になり、夏樹は部内で有名だ。可愛らしい子だからファンがいる。枝川のことだ。さすがに枝川には迎えを頼まず、俺にしたのは、悠人という存在がいるからだろう。俺としても放っておけず、迎えに行くことを選んだ。何か起きそうだ。そう思ったからだ。
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