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中に入り、天井の高さに驚いて、ポカンと口を開けた。去年きた時は灯りがついていなかったから、よく見えなかった。ステンドグラスが綺麗だ。大きなパイプオルガンは国内でも珍しいぐらいの規模らしい。まるでテレビや映画の中の光景だ。それにしてはシンプルな内装だとは思う。その理由を夏樹が教えてくれた。
「プロテスタント系だからだよ。早瀬さんは覚えているだろ?開明高校の礼拝堂のことを……」
「もちろんだよ。午前8時に鐘の音が聴こえてくる」
「なつきー。そのままの君が好きだよっていう学校だよね?」
「その通りだよ。大正解」
「へへへ……」
なんとなく口にしたフレーズなのに、夏樹の顔がパッと明るくなった。感慨深げに頷いた後、静かに佇んでいる黒崎さんの方を向いた。ここに来たときは一人にさせているそうだ。
「佐久弥にも話したところだったんだ。開明高校に興味を持っていたよ」
「昨日はメチャクチャ心配をかけたよ……」
撮影の後、佐久弥は次の仕事があった。終わり次第、病院に駆け付けてくれた。顔が見れたから安心したと言い、すぐに帰っていた。多忙なのに悪い。
黒崎さんを待つ間、後ろの方の長椅子に座った。開明高校の話になり、気になるフレーズが出てきた。楽曲をかいているとアイデアが欲しくなる。すると、夏樹が教えてくれた。
「開明高校の入学式の後、一番最初に教えてくれる話があるんだ。……"キミは自分自身を愛せないのか。受け入れられないの?"って質問される。大抵の子が何も言い返せない。そしたら、先生の方から、"またとないユニークな存在の自分を愛しましょう"って教えられるんだよ。……そうか。いいのか~って思う。自分自身がオリジナルなんだって」
「ふむふむ……」
胸にチクチク刺さるフレーズだ。早瀬から頭を撫でられてショゲていると、夏樹が悲しそうな顔になった。自分もそうなれないと言い出した。そんなことはないのに。
「なつきー、君の存在は素晴らしいんだよ。プロモだって重要な役どころだもん」
「うへへ。プレッシャーだよ。そうは言っていられないね」
「あの……」
そういう意味で言ったんじゃないよ、君のままでOK、大好きだよ。付け加えようとすると、黒崎さんが椅子から立ち上った。二人でゆっくりしてくれと言われた時、夏樹が笑った。
「去年の今頃だったよね?永遠の誓いを立てた日。牧師さんになろうか?」
「げええええっ」
「ゆうとー、いいじゃないか。やってもらおう」
「裕理さんまで何を言うんだよーー」
「ヤメルトキモ……」
夏樹が語り始めた。早瀬からは羽交い締めにされている。黒崎さんが笑っている。俺としては冗談ではない。かっこ悪いし、恥ずかしい。
「だめだだめだだめだーー!」
「ゆうとくーん、おいでー」
「トリャー!いたた……」
必死に抵抗して教会から逃げ出した。そんな俺のことを、早瀬が大笑いしながら追いかけてきた。ずっと心配そうな顔をしていたのに、心の底から笑っていると思った。だからこそ、わざと嫌がっているふりをして逃げ続けた。早瀬の方も気づいていると思う。
ボーーン、ボーーン。
教会の鐘が鳴った後、そろそろ帰ろうと笑いかけられた。仕方ないねと素知らぬふりをして、早瀬が抱いているトラのユーリの手を引いて、駐車場に向かった。
「プロテスタント系だからだよ。早瀬さんは覚えているだろ?開明高校の礼拝堂のことを……」
「もちろんだよ。午前8時に鐘の音が聴こえてくる」
「なつきー。そのままの君が好きだよっていう学校だよね?」
「その通りだよ。大正解」
「へへへ……」
なんとなく口にしたフレーズなのに、夏樹の顔がパッと明るくなった。感慨深げに頷いた後、静かに佇んでいる黒崎さんの方を向いた。ここに来たときは一人にさせているそうだ。
「佐久弥にも話したところだったんだ。開明高校に興味を持っていたよ」
「昨日はメチャクチャ心配をかけたよ……」
撮影の後、佐久弥は次の仕事があった。終わり次第、病院に駆け付けてくれた。顔が見れたから安心したと言い、すぐに帰っていた。多忙なのに悪い。
黒崎さんを待つ間、後ろの方の長椅子に座った。開明高校の話になり、気になるフレーズが出てきた。楽曲をかいているとアイデアが欲しくなる。すると、夏樹が教えてくれた。
「開明高校の入学式の後、一番最初に教えてくれる話があるんだ。……"キミは自分自身を愛せないのか。受け入れられないの?"って質問される。大抵の子が何も言い返せない。そしたら、先生の方から、"またとないユニークな存在の自分を愛しましょう"って教えられるんだよ。……そうか。いいのか~って思う。自分自身がオリジナルなんだって」
「ふむふむ……」
胸にチクチク刺さるフレーズだ。早瀬から頭を撫でられてショゲていると、夏樹が悲しそうな顔になった。自分もそうなれないと言い出した。そんなことはないのに。
「なつきー、君の存在は素晴らしいんだよ。プロモだって重要な役どころだもん」
「うへへ。プレッシャーだよ。そうは言っていられないね」
「あの……」
そういう意味で言ったんじゃないよ、君のままでOK、大好きだよ。付け加えようとすると、黒崎さんが椅子から立ち上った。二人でゆっくりしてくれと言われた時、夏樹が笑った。
「去年の今頃だったよね?永遠の誓いを立てた日。牧師さんになろうか?」
「げええええっ」
「ゆうとー、いいじゃないか。やってもらおう」
「裕理さんまで何を言うんだよーー」
「ヤメルトキモ……」
夏樹が語り始めた。早瀬からは羽交い締めにされている。黒崎さんが笑っている。俺としては冗談ではない。かっこ悪いし、恥ずかしい。
「だめだだめだだめだーー!」
「ゆうとくーん、おいでー」
「トリャー!いたた……」
必死に抵抗して教会から逃げ出した。そんな俺のことを、早瀬が大笑いしながら追いかけてきた。ずっと心配そうな顔をしていたのに、心の底から笑っていると思った。だからこそ、わざと嫌がっているふりをして逃げ続けた。早瀬の方も気づいていると思う。
ボーーン、ボーーン。
教会の鐘が鳴った後、そろそろ帰ろうと笑いかけられた。仕方ないねと素知らぬふりをして、早瀬が抱いているトラのユーリの手を引いて、駐車場に向かった。
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