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四章 突然のブレイクスルー
2 求める体、怯える心
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帰り道、酔いに任せて可愛い大きな猫ちゃんにちょっかいをかけていると、急にお腹の底が熱くなった。
丁度、彼の柔らかい体毛の感触にうっとりして、干した布団のような香りを堪能していたときである。
(うそ……!?)
突然のことに、俺は焦った。
それは、俺の淫紋が反応している時の熱だったからだ。
魔除けはきちんとつけている。
抜いたのは、たしか昨日の夜に済ませたはず。
それなのに早すぎる。
アルコールのせいで体が昂ぶってしまったのか?
とにかく、こうなってしまっては一度処理するより仕方ない。
早く自宅に戻って、抜かなくては。
慣れない酒など飲むんじゃなかった。
俺は俺を運んでくれる後輩をせかして、自分の家に戻ってきた。
帰ってきても体に力の入らない俺は、そのまま彼に抱きかかえられて自室のベッドまで運ばれる。
俺をベッドに横たわらせた彼は、そっと俺の頭を撫でてくれた。
発情した熱にうなされる体に、その大きな手のぬくもりが妙に心地よかった。
早く体の奥から湧き上がるこの熱を収めてしまいたい。
でも、この手がくれる安心感にも浸っていたい。
相反する感情がむずむずとくすぐったくて、彼を見上げた。
彼はじっと、俺の顔を見つめていた。
「ウォル、くん……?」
俺が呼びかけると、突然大きな猫は俺の上に覆いかぶさってきた。
「ぅわっ……?」
重いものを受け止めたベッドが跳ねて、はずみで俺の体も小さく浮き上がる。
急に何をするのかと思っていると、彼は俺の顔に頬擦りを始めた。
本当に大きな猫になってしまったように顔をこすりつけて、髪の中の匂いを熱心に嗅いで、ベロベロと舐め始める。
まるで、家猫が飼い主に甘えるときのように。
(え、何? この状況?)
ウォル君、しっかりしてるように見えたけど実は意外と酔ってるの?
状況がよくわかっていない俺は、されるがままだ。
ウォル君の顔が次第に降りてきて、今度は顔中をベチャベチャに嘗め回される。
ふと、その湿った温かい感触に反応するように、臍の下あたりが熱くなっていくのに気が付いた。
ちょうど、淫紋のあるあたりだ。
「ひぁっ!?」
首筋を舐められたとき、思わず声を上げてしまった。
同時に、淫紋のあたりから全身に弱く痺れるような快感が流れ始める。
「ちょ、うぉるく、んんっ! や、やだっ」
よくわからないがとにかくまずい。この状況はまずい。
酒でうまく回らない頭も、どうにかそれだけは理解した。
しかし彼の大きな舌は容赦なく、俺の顔を、首を、耳の裏を舐め上げていく。
逃げようとしても彼の大きな両腕に阻まれる。
彼の体を押し退けようと手をかけた。
しかし、明らかな体格差に俺の筋力では太刀打ちできない。
「はっ、んぅうっ」
熱いヌルヌルが触れるたび、淫紋が熱を帯びていく。
その熱は全身へ、痺れる快感となって拡がって行った。
気を抜けば一瞬で快楽に流されてしまいそうで、ぎゅっと両眼を閉じて耐える。
いつしか、彼を押し退けようとしていたはずの手で彼にしがみついていた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
彼が上体を起こす。
彼が離れていく。
荒い息を吐きながら、俺はやっと満足してくれたのかと安堵した。
そうすると、なぜか無性に寂しくなる。
ゆっくり瞼を開けると、俺の上に馬乗りになっている彼と目が合った。
俺だけをじっと見つめている、優しい瞳。
その目に魅入られたように、俺も彼をじっと見つめ返した。
彼の手が動く。それは見えているのに、何も考えられない。
「……ぁ」
ようやく気が付いたのは、彼が荒々しい手つきで俺のシャツを剥ぎ取った後だった。
再び覆いかぶさってくる彼にハッとする。
彼は、まだ満足などしていなかったのだ。
俺から邪魔な布切れを剥ぎ取った彼は、今度は胸や腹、脇や腕、いたるところを嗅ぎ、頬擦りし、舌を這わせてくる。
「だ、めっ! んっ、いま、はっ、ほんと、にっ、だめぇ!」
湿った鼻の冷たい感触。
柔らかい毛並みにくすぐられる感触。
熱いぬめりが擦り上げていく感触。
それぞれ違う感触の愛撫が何度も何度も俺を責め上げる。
全身が性器になってしまったように、ビリビリと弱い痺れが全身を支配していた。
どうにか彼を止めようと視線を下ろしたとき、俺は驚愕した。
(な、なんで……!?)
腹の上に浮き上がる、ハートを中心にした流線模様。
魔封じはまだ穿いたままだ。
それなのに、俺の淫紋は完全に開いてしまっていた。
俺が作った『灯火』の下で、ウォル君はうっとりとした目をしながら、その模様をなぞるように舌を這わせていた。
「や、だぁっ……!」
じんわりと、目に涙が浮かぶ。
見られたくない。恥ずかしい。
その模様を彼に見られてしまったのが、何故か他の何よりも恥ずかしいことに思えた。
見られるだけでも恥ずかしいのに、あろうことか、彼はそれを丹念に舐めまわしている。
それを見てしまって、されていることを理解してしまって、まるでペニスを舐め上げられたような感覚が全身に駆け巡った。
「あ……ああっ……」
(いやだ、だめ……)
体が、悦ぶようにビクンと跳ね上がる。
ぬるりとした感触が、尻の割れ目から溢れてくるのがわかった。
今ので、漏れ始めてしまった。
両脚を閉じて堪えようとしても、ヌルヌルした感触が股の間に広がって行くのを止められない。
魔封じの交換時期には、まだ余裕があるはずなのに。
「なんで……おさえてるのに……なんで……」
呆然と繰り返す考えは口からも漏れていた。
いやだ。これ以上、知られたくない。
恥ずかしい。
こんな恥ずかしいところ、見られたくない。この人にだけは。
それなのに、彼は再び体を起こすと俺が必死に隠そうとしている場所にまで手を伸ばしてきた。
「やめっ……!」
気が付いて、手を伸ばしても遅かった。
一瞬の間に、下半身を隠していた布も剥ぎ取られてしまう。
俺の体を隠しているのは、もう魔封じのパンツ一枚だった。
俺はそれでも何とか体を隠そうと身をよじらせて、両手で股を隠す。
その手もすぐに彼の大きな手に捕まえられ、押さえつけられてしまった。
「これ……」
小さく呟かれる声。
見られている。
誰にも見られたことのない秘密を、よりによって彼に知られてしまった。
恥ずかしくて、死んでしまいたい。
それなのに、恥ずかしいパンツの下の膨らみは先端からじんわりと透明な汁を溢れさせていた。
もっと見て、もっと触ってと催促しているように。
彼はしばらくの間、じっと見下ろしているだけだったが、やがて俺の両手を解放すると、代わりに俺の腰をがっしりと掴まえて、あろうことか俺の股間に顔を押し当ててきた。
その場所を嗅ぎ、頬擦りし、舌が伸ばされる。
「や、やだっ! やぁっ!」
叫んでも、やめてくれない。
普段の彼からは想像もできない突然の強引な行為。
自由になった手で彼の頭を押さえようとしても、まったく意味を成さない。
彼に嗅がれるたび、触れられるたび、舐められるたび、先ほどより強い痺れが駆け抜けていく。
股の間が俺の分泌液と彼の唾液でグチャグチャに濡れていく。
「や、ぁっ……うぉる、くんっ、やだぁ……!」
彼の顔に、俺の体液が付いてしまう。汚してしまう。
知られてしまう。
自分でさえ知らないその味を、臭いを。
羞恥心なのか、罪悪感なのかわからなかった。
それ以上の高揚感が、俺に抵抗するなと囁いていた。
それでも、俺は抵抗をやめなかった。
一瞬、彼の手が緩んだ。
快楽に流されかけていた俺は、その隙に体を捻り太い腕の中から抜け出す。
逃げるんだ。
このままだと、駄目になる。
何かわからないが、駄目になってしまう。
その思いに突き動かされ、四つん這いになって逃げようとした俺は、しかしすぐに捕まってしまった。
そして、
「や、やめ……」
彼が何をしようとしてるのか気が付いて、俺は一瞬早くパンツに手を伸ばした。
だが、気づいたからと言って力勝負で勝てるはずもない。
抵抗もあっけなく、俺の魔封じは引き下ろされてしまった。
(あっ……)
その瞬間、ガクンっ、と、全身から力が抜けて、俺はベッドの上に突っ伏する。
彼に尻だけ突き出すような格好で。
魔封じはきちんとその役割を果たしていた。
それ以上に淫紋が暴走していたんだ。
だって、今はもう、指を少し動かすことでさえ、気持ちいい。
気持ちよすぎて、どこにも力が入らない。
興奮と快感で尻から溢れた体液が、会陰部を伝って陰嚢へ。
その流れ落ちる一粒の雫の感触にさえ、イってしまいそうになる。
「あぁ……あっ、ああっ……あぁ……」
雫の垂れた場所を遡るように、熱の塊が押し当てられる。
陰嚢から会陰部、そして、俺の秘部へ。
声を張り上げる事すらできない。
ずっと続く弱い絶頂の中で、上ずった声が漏れだすだけ。
大きな手が、俺の尻たぶを掴む。
尻を広げるように、穴を広げるように、大きな手が俺の尻を左右に開こうとする。
そうして開かれた谷間に、熱の塊が押し当てられる。
「あ、あ……」
穴の回りを蹂躙し、ずるりと、俺の中に熱が差し込まれる。
それは無遠慮に、縦横無尽にうごめきながら、穴を押し広げ、俺の奥へ奥へと滑り込んでくる。
腹の中を舐められているのだ、と理解すると、ビクンと一際大きく体が痙攣した。
(なんで、おれ、こんな、なんで)
ビュルビュルと、尿のように薄い白濁液が飛び出していくのがわかった。
もう羞恥心も罪悪感も感じる余裕はない。
長い長い射精の快感が全身を痺れさせていた。
その上からも無理矢理与えられ続ける快楽に、正気を失いそうになる。
胸の奥から溢れる熱い狂喜が、考えるのをやめさせようとしている。
でも、俺はそこに行けない。
狂ってしまえない。
(おれ、おとこに、こんな、されて、きもちいい……おとこ、なのにぃ……)
その快感は、感情は、全くの未知で、だから、怖かった。
気持ちいいのに、何も考えられなくなりそうなのに、それ以上に、自分が自分じゃなくなるような怖さが俺を引き留める。
俺の腹の中をまさぐっていた熱が引き抜かれる。
体をひっくり返され、仰向けに寝かされた。
栓が抜かれたように溢れっ放しの精液が、俺の体に降りかかる。
その熱も気持ちいい。
布ずれの音と、軽いものが床に落とされる音がした。
快楽の熱にうなされながら焦点の合わない目で彼の姿を探すと、一匹の虎が俺の股を開き、その間に体を滑り込ませているところだった。
彼が、俺の腕ほどもあるその凶悪な塊を俺の穴に押し付けるのを、先ほどよりはるかに巨大な熱の塊が内壁を無理矢理押し広げ俺の中に入ってくるのを、俺はただ見ていることしか出来なかった。
「ぃぎっ、あっ、がっ……はぁっ、んっ」
熱い。苦しい。
でも、不思議と痛みはない。
俺のペニスはとっくに小さくなっているが、それでも射精だけが止まらない。
こんなに怖くて苦しいのに、気持ちいいのが止まらない……!
流れ続ける白濁液と、俺の尻の分泌液が彼の巨大な雄の象徴を濡らして、混ざり合ったぬめりが彼の侵入を手助けしていた。
少し入っては少し抜かれる。
圧迫感が薄れたことに体から力が抜けると、すかさず彼がさっきよりも深いところまで入ってくる。
熱い。熱い。熱くて、めちゃくちゃになる。
恥も外聞もなく、俺は泣いていた。
(こわれる!こわれるっ!こわれるゥっ……!)
やがてついに、俺の尻に彼の毛並みが触れる感触がやってきた。
まさか、本当にあんな巨大なものが俺の中に入ってしまったのか?
何とか視線をめぐらせると、ちょうど臍の当たり、浮き出たハートマークの中心がポッコリと少しだけ膨らんでいた。
まさか、この下に、彼のが……
信じられずにいると、彼は一度腰を引き、改めて俺を最奥まで貫いた。
「……ーっ!!」
信じられない熱の衝撃に、俺は声にならない悲鳴を上げる。
その中でも俺は見てしまった。
俺の腹が、彼の突き入れに合わせてその形に膨らむのと、彼の凶悪なモノに貫かれるのを悦ぶように硬く反り立った俺のペニスが、俺の顔に届くほどの勢いで白濁した汁を噴き出すのを。
丁度、彼の柔らかい体毛の感触にうっとりして、干した布団のような香りを堪能していたときである。
(うそ……!?)
突然のことに、俺は焦った。
それは、俺の淫紋が反応している時の熱だったからだ。
魔除けはきちんとつけている。
抜いたのは、たしか昨日の夜に済ませたはず。
それなのに早すぎる。
アルコールのせいで体が昂ぶってしまったのか?
とにかく、こうなってしまっては一度処理するより仕方ない。
早く自宅に戻って、抜かなくては。
慣れない酒など飲むんじゃなかった。
俺は俺を運んでくれる後輩をせかして、自分の家に戻ってきた。
帰ってきても体に力の入らない俺は、そのまま彼に抱きかかえられて自室のベッドまで運ばれる。
俺をベッドに横たわらせた彼は、そっと俺の頭を撫でてくれた。
発情した熱にうなされる体に、その大きな手のぬくもりが妙に心地よかった。
早く体の奥から湧き上がるこの熱を収めてしまいたい。
でも、この手がくれる安心感にも浸っていたい。
相反する感情がむずむずとくすぐったくて、彼を見上げた。
彼はじっと、俺の顔を見つめていた。
「ウォル、くん……?」
俺が呼びかけると、突然大きな猫は俺の上に覆いかぶさってきた。
「ぅわっ……?」
重いものを受け止めたベッドが跳ねて、はずみで俺の体も小さく浮き上がる。
急に何をするのかと思っていると、彼は俺の顔に頬擦りを始めた。
本当に大きな猫になってしまったように顔をこすりつけて、髪の中の匂いを熱心に嗅いで、ベロベロと舐め始める。
まるで、家猫が飼い主に甘えるときのように。
(え、何? この状況?)
ウォル君、しっかりしてるように見えたけど実は意外と酔ってるの?
状況がよくわかっていない俺は、されるがままだ。
ウォル君の顔が次第に降りてきて、今度は顔中をベチャベチャに嘗め回される。
ふと、その湿った温かい感触に反応するように、臍の下あたりが熱くなっていくのに気が付いた。
ちょうど、淫紋のあるあたりだ。
「ひぁっ!?」
首筋を舐められたとき、思わず声を上げてしまった。
同時に、淫紋のあたりから全身に弱く痺れるような快感が流れ始める。
「ちょ、うぉるく、んんっ! や、やだっ」
よくわからないがとにかくまずい。この状況はまずい。
酒でうまく回らない頭も、どうにかそれだけは理解した。
しかし彼の大きな舌は容赦なく、俺の顔を、首を、耳の裏を舐め上げていく。
逃げようとしても彼の大きな両腕に阻まれる。
彼の体を押し退けようと手をかけた。
しかし、明らかな体格差に俺の筋力では太刀打ちできない。
「はっ、んぅうっ」
熱いヌルヌルが触れるたび、淫紋が熱を帯びていく。
その熱は全身へ、痺れる快感となって拡がって行った。
気を抜けば一瞬で快楽に流されてしまいそうで、ぎゅっと両眼を閉じて耐える。
いつしか、彼を押し退けようとしていたはずの手で彼にしがみついていた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
彼が上体を起こす。
彼が離れていく。
荒い息を吐きながら、俺はやっと満足してくれたのかと安堵した。
そうすると、なぜか無性に寂しくなる。
ゆっくり瞼を開けると、俺の上に馬乗りになっている彼と目が合った。
俺だけをじっと見つめている、優しい瞳。
その目に魅入られたように、俺も彼をじっと見つめ返した。
彼の手が動く。それは見えているのに、何も考えられない。
「……ぁ」
ようやく気が付いたのは、彼が荒々しい手つきで俺のシャツを剥ぎ取った後だった。
再び覆いかぶさってくる彼にハッとする。
彼は、まだ満足などしていなかったのだ。
俺から邪魔な布切れを剥ぎ取った彼は、今度は胸や腹、脇や腕、いたるところを嗅ぎ、頬擦りし、舌を這わせてくる。
「だ、めっ! んっ、いま、はっ、ほんと、にっ、だめぇ!」
湿った鼻の冷たい感触。
柔らかい毛並みにくすぐられる感触。
熱いぬめりが擦り上げていく感触。
それぞれ違う感触の愛撫が何度も何度も俺を責め上げる。
全身が性器になってしまったように、ビリビリと弱い痺れが全身を支配していた。
どうにか彼を止めようと視線を下ろしたとき、俺は驚愕した。
(な、なんで……!?)
腹の上に浮き上がる、ハートを中心にした流線模様。
魔封じはまだ穿いたままだ。
それなのに、俺の淫紋は完全に開いてしまっていた。
俺が作った『灯火』の下で、ウォル君はうっとりとした目をしながら、その模様をなぞるように舌を這わせていた。
「や、だぁっ……!」
じんわりと、目に涙が浮かぶ。
見られたくない。恥ずかしい。
その模様を彼に見られてしまったのが、何故か他の何よりも恥ずかしいことに思えた。
見られるだけでも恥ずかしいのに、あろうことか、彼はそれを丹念に舐めまわしている。
それを見てしまって、されていることを理解してしまって、まるでペニスを舐め上げられたような感覚が全身に駆け巡った。
「あ……ああっ……」
(いやだ、だめ……)
体が、悦ぶようにビクンと跳ね上がる。
ぬるりとした感触が、尻の割れ目から溢れてくるのがわかった。
今ので、漏れ始めてしまった。
両脚を閉じて堪えようとしても、ヌルヌルした感触が股の間に広がって行くのを止められない。
魔封じの交換時期には、まだ余裕があるはずなのに。
「なんで……おさえてるのに……なんで……」
呆然と繰り返す考えは口からも漏れていた。
いやだ。これ以上、知られたくない。
恥ずかしい。
こんな恥ずかしいところ、見られたくない。この人にだけは。
それなのに、彼は再び体を起こすと俺が必死に隠そうとしている場所にまで手を伸ばしてきた。
「やめっ……!」
気が付いて、手を伸ばしても遅かった。
一瞬の間に、下半身を隠していた布も剥ぎ取られてしまう。
俺の体を隠しているのは、もう魔封じのパンツ一枚だった。
俺はそれでも何とか体を隠そうと身をよじらせて、両手で股を隠す。
その手もすぐに彼の大きな手に捕まえられ、押さえつけられてしまった。
「これ……」
小さく呟かれる声。
見られている。
誰にも見られたことのない秘密を、よりによって彼に知られてしまった。
恥ずかしくて、死んでしまいたい。
それなのに、恥ずかしいパンツの下の膨らみは先端からじんわりと透明な汁を溢れさせていた。
もっと見て、もっと触ってと催促しているように。
彼はしばらくの間、じっと見下ろしているだけだったが、やがて俺の両手を解放すると、代わりに俺の腰をがっしりと掴まえて、あろうことか俺の股間に顔を押し当ててきた。
その場所を嗅ぎ、頬擦りし、舌が伸ばされる。
「や、やだっ! やぁっ!」
叫んでも、やめてくれない。
普段の彼からは想像もできない突然の強引な行為。
自由になった手で彼の頭を押さえようとしても、まったく意味を成さない。
彼に嗅がれるたび、触れられるたび、舐められるたび、先ほどより強い痺れが駆け抜けていく。
股の間が俺の分泌液と彼の唾液でグチャグチャに濡れていく。
「や、ぁっ……うぉる、くんっ、やだぁ……!」
彼の顔に、俺の体液が付いてしまう。汚してしまう。
知られてしまう。
自分でさえ知らないその味を、臭いを。
羞恥心なのか、罪悪感なのかわからなかった。
それ以上の高揚感が、俺に抵抗するなと囁いていた。
それでも、俺は抵抗をやめなかった。
一瞬、彼の手が緩んだ。
快楽に流されかけていた俺は、その隙に体を捻り太い腕の中から抜け出す。
逃げるんだ。
このままだと、駄目になる。
何かわからないが、駄目になってしまう。
その思いに突き動かされ、四つん這いになって逃げようとした俺は、しかしすぐに捕まってしまった。
そして、
「や、やめ……」
彼が何をしようとしてるのか気が付いて、俺は一瞬早くパンツに手を伸ばした。
だが、気づいたからと言って力勝負で勝てるはずもない。
抵抗もあっけなく、俺の魔封じは引き下ろされてしまった。
(あっ……)
その瞬間、ガクンっ、と、全身から力が抜けて、俺はベッドの上に突っ伏する。
彼に尻だけ突き出すような格好で。
魔封じはきちんとその役割を果たしていた。
それ以上に淫紋が暴走していたんだ。
だって、今はもう、指を少し動かすことでさえ、気持ちいい。
気持ちよすぎて、どこにも力が入らない。
興奮と快感で尻から溢れた体液が、会陰部を伝って陰嚢へ。
その流れ落ちる一粒の雫の感触にさえ、イってしまいそうになる。
「あぁ……あっ、ああっ……あぁ……」
雫の垂れた場所を遡るように、熱の塊が押し当てられる。
陰嚢から会陰部、そして、俺の秘部へ。
声を張り上げる事すらできない。
ずっと続く弱い絶頂の中で、上ずった声が漏れだすだけ。
大きな手が、俺の尻たぶを掴む。
尻を広げるように、穴を広げるように、大きな手が俺の尻を左右に開こうとする。
そうして開かれた谷間に、熱の塊が押し当てられる。
「あ、あ……」
穴の回りを蹂躙し、ずるりと、俺の中に熱が差し込まれる。
それは無遠慮に、縦横無尽にうごめきながら、穴を押し広げ、俺の奥へ奥へと滑り込んでくる。
腹の中を舐められているのだ、と理解すると、ビクンと一際大きく体が痙攣した。
(なんで、おれ、こんな、なんで)
ビュルビュルと、尿のように薄い白濁液が飛び出していくのがわかった。
もう羞恥心も罪悪感も感じる余裕はない。
長い長い射精の快感が全身を痺れさせていた。
その上からも無理矢理与えられ続ける快楽に、正気を失いそうになる。
胸の奥から溢れる熱い狂喜が、考えるのをやめさせようとしている。
でも、俺はそこに行けない。
狂ってしまえない。
(おれ、おとこに、こんな、されて、きもちいい……おとこ、なのにぃ……)
その快感は、感情は、全くの未知で、だから、怖かった。
気持ちいいのに、何も考えられなくなりそうなのに、それ以上に、自分が自分じゃなくなるような怖さが俺を引き留める。
俺の腹の中をまさぐっていた熱が引き抜かれる。
体をひっくり返され、仰向けに寝かされた。
栓が抜かれたように溢れっ放しの精液が、俺の体に降りかかる。
その熱も気持ちいい。
布ずれの音と、軽いものが床に落とされる音がした。
快楽の熱にうなされながら焦点の合わない目で彼の姿を探すと、一匹の虎が俺の股を開き、その間に体を滑り込ませているところだった。
彼が、俺の腕ほどもあるその凶悪な塊を俺の穴に押し付けるのを、先ほどよりはるかに巨大な熱の塊が内壁を無理矢理押し広げ俺の中に入ってくるのを、俺はただ見ていることしか出来なかった。
「ぃぎっ、あっ、がっ……はぁっ、んっ」
熱い。苦しい。
でも、不思議と痛みはない。
俺のペニスはとっくに小さくなっているが、それでも射精だけが止まらない。
こんなに怖くて苦しいのに、気持ちいいのが止まらない……!
流れ続ける白濁液と、俺の尻の分泌液が彼の巨大な雄の象徴を濡らして、混ざり合ったぬめりが彼の侵入を手助けしていた。
少し入っては少し抜かれる。
圧迫感が薄れたことに体から力が抜けると、すかさず彼がさっきよりも深いところまで入ってくる。
熱い。熱い。熱くて、めちゃくちゃになる。
恥も外聞もなく、俺は泣いていた。
(こわれる!こわれるっ!こわれるゥっ……!)
やがてついに、俺の尻に彼の毛並みが触れる感触がやってきた。
まさか、本当にあんな巨大なものが俺の中に入ってしまったのか?
何とか視線をめぐらせると、ちょうど臍の当たり、浮き出たハートマークの中心がポッコリと少しだけ膨らんでいた。
まさか、この下に、彼のが……
信じられずにいると、彼は一度腰を引き、改めて俺を最奥まで貫いた。
「……ーっ!!」
信じられない熱の衝撃に、俺は声にならない悲鳴を上げる。
その中でも俺は見てしまった。
俺の腹が、彼の突き入れに合わせてその形に膨らむのと、彼の凶悪なモノに貫かれるのを悦ぶように硬く反り立った俺のペニスが、俺の顔に届くほどの勢いで白濁した汁を噴き出すのを。
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・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
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