時が運んだ贈り物 〜幕末を生きる貴方を想う〜

nami

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其の五

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「...私は、ずっと先の未来からやってきました。多分約150年程先の未来です。」


土方歳三は眉間に皺を寄せ、こちらを見る。何を言っているのか理解出来ないようだ。

それもそうだろう。当の私でさえ信じられない出来事なのだから。


「学校の行事で京都へ来ていて、気が付いたらこの時代に辿り着いていました。...本当です。これは制服と言います。私の時代では一般的に皆着ているものです。」



必死に自分の状況を説明するが、言葉にすると余計に不安と恐怖で思わず泣きそうになる。
自分の時代へ帰りたい。



「...なんか嘘は言ってなさそうじゃん。許してあげようよ」


若めの男性がそう言った。
だが土方、沖田の二人は逃がしてくれなさそうだ。


「...あ!私のポケットみてください!」

腰横のブレザーのポケットに視線を送り、ここです。と伝える。


沖田が中を探り、ポケットの中に入っているものを取り出す。


「これは?」  


「携帯です。150年後の未来には、これ一つで文の代わりになって、相手と伝達が出来るんです。」


そう、携帯である。
この時代には存在しないものだ。

これで証明が出来るかもしれない。そう思い説明を続ける。


「他にも...」


このボタンを押してください。と指示をする。


パシャ



「写真です。未来は今よりもずっと発達しています。...信じてください」



沖田総司に内カメラで自分の写真を撮ってもらった。
この時代には白黒写真しかなかったはず。


小さな機械で撮っているのに、
こんなにも鮮明に映る写真を観て、

三人は目を驚かせた。






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