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04 奏でる音色
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僕が退院出来たのは、それから数週間後の事だった。
頭を殴られただけだったけど、念の為にいろんな検査をした。
僕を殴ったのが、議員の息子だったためかすぐに犯人はわかった。
僕を殴った人は、傷害罪で書類送検された。
議員はもちろん辞職した。
この議員の息子は、他にも色々やっては父親の権力で揉み消していたらしい。
でも、何故か今回は起訴された。
人間悪いことは出来ないんだな。
僕は、痛む頭を抑えながら玄関を出る。
するとそこには、川名さんが立っていた。
「おはようございます。
斎藤くん」
「川名さんどうして?」
「美姫さんに家を教えてもらっちゃいました。
そして、寝坊するといけないので迎え位にって欲しいと……」
川名さんは、そう言って合鍵を僕に見せた。
「そっか……」
「はい。
あの……迷惑でしたよね?」
「うんん。
そんなことないよ。
美姫は、もう学校?」
「はい。
朝練があると言っていました」
「そっか。
じゃ、学校に行こうか」
「はい」
僕は、ゆっくりと歩き出す。
川名さんも、ちょっと後ろを歩く。
「ありがとうね」
僕は、川名さんにお礼を言った。
「え?」
「毎日、お見舞いに来てくれたし。
あ、あとリンゴ美味しかったよ」
「いえ、気にしなくていいです。
私は尽くす女なんです」
「そっか」
川名さん、やっぱモテると思うよ。
って言おうかと思ったけどやめておいた。
なぜだかはわかんないけれど僕の本能が辞めておけといったんだ。
「はい。
なので、斎藤くんにも尽くしまくりますよ?」
「そっか……
じゃ、僕も川名さんに尽くすよ」
「どう尽くしてくれるんですか?」
どう尽くせばいいんだろう。
女の子が男の子に尽くすのは、エッチなことが頭によぎったけど……
女の子は男の子に尽くされるのは、どんな想像をするんだろう。
「どんなことされたい?」
「えっと……」
川名さんが困っている。
少しいじわるな質問だったかな?
「あ……無理して考えなくてもいいからね?」
「あのおてて繋いで欲しいです」
「手を?」
「はい」
「……いいよ」
僕と手を繋ぎたいとかそんなこと言われたのは初めてだった。
ちょっと嬉しかった。
僕は、手をゆっくりと差し出した。
川名さんが、ゆっくりと僕の手を握る。
そう、僕たちの物語はここからはじまるのかもしれない。
そんなことが頭をよぎった。
頭のなかで、飯島真理さんが歌う【愛・覚えていますか】という曲が流れる。
川名さんとの最初の出会いは愛悪だった。
「私に関わらないでください」
それが、川名さんの最初の言葉だった。
でも、すぐに打ち解けれた。
川名さんの心が、寂しいと……
人の心を求めていたのだろう。
でも、これはただの偶然ではなかった。
僕たちの出会いは必然で、そして運命だったんだ。
頭を殴られただけだったけど、念の為にいろんな検査をした。
僕を殴ったのが、議員の息子だったためかすぐに犯人はわかった。
僕を殴った人は、傷害罪で書類送検された。
議員はもちろん辞職した。
この議員の息子は、他にも色々やっては父親の権力で揉み消していたらしい。
でも、何故か今回は起訴された。
人間悪いことは出来ないんだな。
僕は、痛む頭を抑えながら玄関を出る。
するとそこには、川名さんが立っていた。
「おはようございます。
斎藤くん」
「川名さんどうして?」
「美姫さんに家を教えてもらっちゃいました。
そして、寝坊するといけないので迎え位にって欲しいと……」
川名さんは、そう言って合鍵を僕に見せた。
「そっか……」
「はい。
あの……迷惑でしたよね?」
「うんん。
そんなことないよ。
美姫は、もう学校?」
「はい。
朝練があると言っていました」
「そっか。
じゃ、学校に行こうか」
「はい」
僕は、ゆっくりと歩き出す。
川名さんも、ちょっと後ろを歩く。
「ありがとうね」
僕は、川名さんにお礼を言った。
「え?」
「毎日、お見舞いに来てくれたし。
あ、あとリンゴ美味しかったよ」
「いえ、気にしなくていいです。
私は尽くす女なんです」
「そっか」
川名さん、やっぱモテると思うよ。
って言おうかと思ったけどやめておいた。
なぜだかはわかんないけれど僕の本能が辞めておけといったんだ。
「はい。
なので、斎藤くんにも尽くしまくりますよ?」
「そっか……
じゃ、僕も川名さんに尽くすよ」
「どう尽くしてくれるんですか?」
どう尽くせばいいんだろう。
女の子が男の子に尽くすのは、エッチなことが頭によぎったけど……
女の子は男の子に尽くされるのは、どんな想像をするんだろう。
「どんなことされたい?」
「えっと……」
川名さんが困っている。
少しいじわるな質問だったかな?
「あ……無理して考えなくてもいいからね?」
「あのおてて繋いで欲しいです」
「手を?」
「はい」
「……いいよ」
僕と手を繋ぎたいとかそんなこと言われたのは初めてだった。
ちょっと嬉しかった。
僕は、手をゆっくりと差し出した。
川名さんが、ゆっくりと僕の手を握る。
そう、僕たちの物語はここからはじまるのかもしれない。
そんなことが頭をよぎった。
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それが、川名さんの最初の言葉だった。
でも、すぐに打ち解けれた。
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でも、これはただの偶然ではなかった。
僕たちの出会いは必然で、そして運命だったんだ。
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