ジンクス∞漁猫∞～君と僕の物語

07 漁猫

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　暖かい感触にふんわりとした感覚。
　手が暖かく何かに包み込まれているようだ。

　ああ、僕は死んだのか。

　ずっと一緒だって言ったのに……
　死んじゃって……

「ごめんね」

　そう言うと女の人の声が返ってくる。

「なにがですか？」

　みさきさんの声だ……

「あれ？僕、死んでないの？」

　僕の問いにみさきさんが返してくれる。

「死んでませんよ。
　約束したじゃないですか……
　一緒にいてくれるって」

「そうだったね」

「死ななくてよかった……」

　みさきさんが、そう言って涙をボロボロとこぼす。

「みさきさん、高校卒業したら一緒に暮らそう」

「え？」

「僕も働いてみさきさんも工場で働いて……
　ってやってけばなんとかなると思うんだ」

「そうですね……
　でも、一くんは大学に行ってください」

「……でも」

「一流大学を卒業して一流企業に就職して私を楽にしてください」

　みさきさんが、そう言って笑う。

「そうだね。
　そういう理由だったら、大学に行こうかな」

「約束ですよ」

「うん」

　僕は小さく笑った。